【ベトナム起業】目の前のキャッシュを重要視するあまり、中長期で必要なことをできていない

キャッシュは何よりも重要

私はゲーム理論でいうと超リスク回避型だと思う。側から見れば、新卒で入った大手企業を1年くらいで辞めて、給与を落としてベトナムに来たり、その後ベトナムで会社を作ったりとリスクをとっているように見えるのだが、実際はリスクをとっている意識はなく、リスクとリターンの計算をした上で、意思決定をしている節がある。

例えば、1年で辞めてベトナム、に関しては、「どうせ数年今の会社に残っても、数年後には東南アジアに行きたくなっている。そう考えると、給与が低い今のうちにチャレンジする方が、失う額の期待値も少ない。であれば今チャレンジするべき」という判断があるし、ベトナムで会社を作る、に関しても、「今やらないと5年後くらいにやりたくなっても身動きが取れない。その時に後悔をすることによって失う便益を考えると、今動くべき」という判断があった。

将来を考えて、取るべきリスクを取ろうというところである。また、今回会社を作るに際しても、「仮に将来会社が大きくなった時のこと」を想定し、自分が100%オーナーになる形にしたし、初期投資するために投資を受けたり、お金を借りたりするほど自信のある事業があったわけではないため、「自分で稼ぐ」を選択している。

今後いつ仕事を受けている業界に冬が来るかもわからないので、今のうちに稼げるだけ稼ぐべきだ、とも感じている。

このように、生きていくために、死なないために、会社に十分なキャッシュ(普通にしてれば4-5年死なない)を貯めておきたい気持ちは強いが、それは本当に正しいのだろうか。

ゴールに近づいている気がしない

遠回りだろうがゴールに近づいているのであれば、良いと思う。ただ、今の私のやり方は走り出してすらいない気がする。

ゴール = ベトナムで事業を作ること or 将来ベトナムに進出してくる企業でトップを張ること、今やっていること = 日本のスタートアップのグロース支援。あまりに関連がない。もちろん、キャッシュは必要なので、得意を生かして稼げている今の状態は一定維持するべきではあるものの、それだけに時間を全て溶かしているのは間違っていると感じ始めている。

前に進むためには、「自分がやりたい事業を定義する」のがまず最初。そして、「その事業をするためには、何が必要なのか」を特定するのが次。これまでのリサーチやベトナムで事業を興している外国人を見ていると、現地マーケットを開拓する場合、1人で何かをやって成功しているケースはない。1人でやっているケースは、現地日本人向けに何かを提供している時くらい。現地マーケットの場合は、合弁会社を作るか、M&Aするか、をほぼ全てしている。もしくは共同創業してくれるベトナム人を見つけるか。エッジケースとして、創業者が外国人だが、現地のそのマーケットに異常に詳しい、というのも一つのケースとしてはある。

今の自分は上記のどのケースでもないが、目指すは、「現地のそのマーケットに異常に詳し」くなることと、合弁会社を作ってくれるような人を探すか、一緒に創業してくれる人を探すか。

どうやって近づくのか?

少なくとも今の日本のクライアントに手一杯という状態では、何も前には進まない。今得られるキャッシュを一定程度犠牲にし、時間を作り、現地マーケットに詳しくなり、合弁会社を一緒に作ってくれるような人を見つけなければならない。また、その前段階として、ベトナムでやりたい事業をバキッと決めることも必要になる。

バキッと決まったら、その業界に詳しい人に話を聞くか、その業界でまずは働いてみる必要が出てきそう。その際、自分が相手に提供できる価値は何かを考え動く。その上で、その会社と合弁会社を将来的に作るとかができるとかなり良い。それが無理でもまずマーケットに詳しくならないと始まらない。でなければいつまでも机上の空論で「ベトナムで事業を作りたい人」の枠から出ない。

これまでベトナムで現地向け事業を作ってきた日本人数人に話を聞く機会があったが、どの人も事業を興す前段階で現地企業での研鑽の時期を経ている。そう考えると、私は前職を研鑽の時期にしなくてはいけなかったが、意識的にそこに取り組めていたわけではない。そうである以上、自ら再度学びにいかなければ、前に進むことはない。

これからやるべきこと

まず、新しい仕事は一旦受けないこと、今受けている仕事に関しても絞っていくことは必須になる。その上で、リサーチを進め、やりたいことをガッチリとまずは固める。その上で、「このビジネスをやりたいが、とにかくマーケット知識がない。あなたの元で一度働かせてくれないか?」とお願いする。うまくいくかはわからないが、なんとかして現地の自分の目指すマーケットに入り込まないと、先には進まない。目の前のキャッシュを稼いで喜んでいたら、今が限界のフリーランサーで終わっていく。

前へ進もう。

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