【ベトナム起業】ベトナムでの法人登記から今日までのまとめ

今日から

新たにnoteに登録し直し、会社として、どのような進歩を辿ってきたかを週に1回程度綴っていこうと思う。なぜ書こうと思ったかでいうと、

ジャックドーシーの最初のツイートに価値が億単位でついているのをみて、その道のりを記しておくことが、成功しようと失敗しようと価値になるかなと思ったから。

noteは既に本名でも5年近くやっているが、敢えて人にあまり見つからない形で一定匿名で赤裸々に今やってること、もがいていることを残したくなった。知っている人の前だとうまくいっているように見せたくなっちゃったり、心配させまいという気持ちが働いてしまう。

会社を作ってからというもの、毎日、毎週、色んな進捗が生まれたり、落ち込んだりする。その一瞬一瞬は全く覚えていることができず、せっかくの達成感も翌日の慌ただしさで長くは続かない。なので、書くことで残したい。

会社設立から今日まで

初めて読んだ人が急に日記を読んでもストーリーが謎すぎると思うので、毎回「今週までのあらすじ」的な感じで書き始めたい。今回は初回なので会社設立から今日までの進捗をざっくりと振り返る。

2021年4-8月

前職在籍で主に悩んでいた期間。前職には大きく分けて2つ事業があり、私は2つの内小さい方(ベトナム事業)の事業責任者をしていた。大きい方に投資が集まりつつ、小さい方もコストは維持したまま拡大したいという状態の中、粘っていい感じにきていたが、その辺りでロックダウン。事業の練り直し、縮小、などなどがこの期間ずっとやっていたこと。基本的に1人でそれを意思決定し、人員整理などまでやったため、大変だった。

8月上旬でそれが一段落し、会社に残って大きい方の事業に移って再度頑張るか、その他の道を探すかを決めることとなった。僕としては、同じ熱量で同じ会社で別の事業をやることがなかなか想像がつかず、であれば自分で機会をこじ開けにいこうというところで会社に残らないことを決めた。とはいえ、この時点で法人登記するのか、転職するかまでは決めていなかった。

元々ベトナムにきたときに、「将来東南アジアで事業を作りたい」という目的があった。にもかかわらず、志半ばで日本に帰ってしまっては、このコロナ禍、次のチャレンジはもう来ないかもしれない、と思い残ることに決め、残るとしたら転職ではなく、自分でやろう、となったという背景があった。なので、この時点でやりたい事業があって登記を決めたというよりは、ベトナムに残るにはビザの都合上会社を作るしかない、という中で決めた部分が大きかった。

登記を決めたので、友人の伝手で法人登記を手伝ってくれる現地のコンサルタントと繋がり、急ピッチで手続きを進め、2021年9月上旬には登記が完了した。このとき焦りすぎて何も調べていなかったのだが、形態としては「1人責任有限会社」であった。

2021年9月 - 2022年2月: グロース・PM委託と受託開発

会社を作って自分にビザを出す以上、当たり前だが売上がないと始まらない。まずはじめにやろうとしたのは、せっかくベトナムにいるんだから、ベトナム国内でプロダクトやグロース周りのコンサル案件を取れないかというところだった。しかし、当たり前だがそう簡単には見つからない。そもそも現地語がわからないし、単価感もわからないし、前職ではそこそこ要職につけていたとはいえ、超有名スタートアップ(になると思いますが!)ではまだない状態だったので、トラックレコードでの引きもない。今思えば当たり前ですが、その時はLinkedInで色んな企業にアタックしていました。

とりあえずこの方法だと厳しいなと思っていたときに、日本で友人が経営しているスタートアップからグロース・PdM・オペレーション周りを手伝ってくれないか、と依頼を受けて、そこの会社と契約を結び、最初のクライアントになっていただけた(2021/09/15くらいだったと思う)。

ご時世的にリモートワークでも問題なかったこと、日本のグロース・PM人材不足、私自身の前職・前前職での経験がいい具合にマッチして上記の友人の会社から仕事をいただけたわけだが、これなら他の会社からも仕事をいただけるかも、と思っていたところ、以前登録していたOffersにスカウトメールが来ているのを発見し、そこで商談。この会社とも契約を結ばせていただき、2社目のクライアントになっていただけた(2021/09/25くらいだったと思う)

最初の2ヶ月はその2クライアントのお仕事を全力でやらせていただきつつ、OffersやYoutrustといった副業・転職のサイトのプロフィールはしっかり拡充し、見つけていただきやすい状態を作っておいた。その後も仕事依頼はかなり増えている状態になっており、ありがたい。

とはいえ、自分の手で全て(忙しくないプロジェクトもあるものの)回し続けるのはしんどいことも多く、その中でも割と自分の中で新しいスキル(まだあまりやったことないこと)が求められる案件ではなかなかスピードを出せず苦慮している。責任を持って取り組むが、今後仮に仕事をさらに取ることがあれば、積極的に取るのは間違いなく自分が得意で、1時間でもバリューがたくさん出せるものにしていくのがお互いにとって良いのだろうという学びがあった。

幸い今もOffersやYoutrustを通じていくつもスカウトをいただくことができており、日本のスタートアップが急遽冷え込む、大不況がくるということがなければ、「生きていく」ことは数年はできそうだと感じている。

同時に、2022年に入ってからは、上記で受けた1社で知り合った方からベトナムで受託開発をやってもらえないか?という依頼を受け、2022年3月から開始するプロジェクトに向け、契約書を作る、開発会社に依頼しエンジニアを採用する、PMを雇う、税務周りを確認するなど、色々と動いている。

受託だけではなく、今やっているグロース委託案件、PM採用など含め、税務や法律、ライセンスが絡むことに関しては、社内処理を信頼できる社員に依頼、アドバイスとブックキーピングをコンサルに依頼しているが、現地コンサルタントとのコミュニケーションコストはかなりかかったり、リサーチのアウトプットがなかなか思ったようにいかなかったりと苦労は絶えない。こういった部分も学習なのだろうが、事業に集中する環境を作るためにも、こうしたある種無駄なストレスについては減らしていけるように、多少お金を張ってでも良いところを選ぶべきなんだろう。日々学び。

2021年9月-2022年2月:ベトナム事業

グロース・PM受託と受託開発が会社を成り立たせていく血肉だとすれば、ベトナム事業を生み出すことは精神みたいなものかもしれない。私の中での目下1番の悩みは、「なぜここにいるのか」という話。日本の仕事を受け、リモートでやるだけならどこでも良いのだが、それに甘んじてしまったら、あえて住環境が日本より劣るここにいる意味はない。最初の方に述べた通り、この地で事業を作ってこそ、時間を投下した意味があると思える。

ベトナムで事業を回している友人、先輩と会うと、決してそれがどれだけ小さくとも、心から尊敬の念を抱くと共に、嫉妬もする。絶対に2年かけて同じ土俵に立つんだと。

とはいえ今の私にはとにかくお金が足りない。まず、死なない状態を作らないと始まらない。なので、恐らく2022年中はまだまだ委託・受託が中心になるだろう。理想は、2023年頭くらいから稼働を少し減らし、自分のやりたい事業に専念することだ。それまではリサーチ、ヒアリング、小さくテストを重ね、一定の確信を持った上で、お金をもっと投下する。自分のようなトラックレコード弱めの起業家はこうするしかない。自己資本をできるだけ貯め、まず安全ラインを確保した上で、小さくやってみて、数字を作って投資家に話にいく。その準備を今年はする。まず、年内で会社としての残キャッシュを1000万円作ることを目標に置いている(コストと税金支払いを除いた後の金額)。これはギリギリ達成できそうなラインなので、全力でやり切りたい。

ただ、キャッシュを作ることを理由に何も自分の事業について進めないのはダメで、そんなことではキャッシュがあっても、ゆっくりするだけで何も進まない。この期間は土日を使って、プランニングをみっちりやる。経営(特に株式、会計、スタートアップファイナンス、ベトナム税務)を学び、ベトナムマーケットについて学び、実験の準備をし、実際に実験もする。

2021年9月に会社を立ち上げたとき、やりたいと思っていた事業があった。しかし、その時は使えるキャッシュがとにかくなかったこと、ユーザーヒアリングを重ね、一定「そこに課題がある」確信は持てたものの、じゃあそこにお金をどれくらい払うのか、という問いに全く自信を持てなかったこと、キャッシュの不安から、一旦考えるのを放棄した。その後、このままクライアントワークだけでは精神が持たない、となったのもあり、再度考え始め、実現方法を模索するために、前前職のエンジニアの同僚にアドバイザーで入ってもらい、No Code開発についてのリサーチを一緒に進めている。考えている事業内容も最初に想定した内容からは変わった。そこから更に、専門家に意見を求め、ベトナム人からも話を聞き、サーベイなんかも目を通して、ちょっとずつちょっとずつ解像度が上がってきたところ。ただ、まだまだ何が良いのかわからないし、開発なしでできるテストがある気がするので、それは引き続き模索していきたい。

今後

来週以降は、先週までのあらすじ、今週のアップデート、という形で書き進めていきたい。1年後、MVP完成・リリースができている状態、1年半後、投資を検討している状態、2年後、いい感じに伸びてきている、ような感じになっていたら最高。でもそんなスムーズにいかないんだろう。ただ、委託業で今稼げていることに甘んじず、鞭を打って、成功するまで必ずやり切りたい。ここにいる意味を見つけよう。

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