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なぜベトナムさんの経済は強いのか?

ここ数年、ベトナムの実質GDP は+6%前後で安定的に推移しています。コロナ禍の2020年上半期でさえも、他の先進国が軒並みマイナス成長となる中、+1.8%とプラス成長を維持しております。いまベトナムの経済は何故強いのか考えてみたいと思います。

まず、今ベトナムの経済を支えているものの一つとして、貿易が挙げられます。主な輸出品目はスマートフォン、衣服、靴等であり、主に中国、韓国から原材料を仕入れて加工して先進国に輸出するというのが基本構造になっています。

もともとは長い間貿易赤字の国だったのですが、皆さんご存知のサムスンが進出して以降、スマホの輸出がどんどん産業として伸びてきています。そんな中、コロナの影響で世界中で在宅勤務が増えたことによりコンピューター関連の輸出が2割以上増えたとのことで、輸出額も前年同期よりも上回っているようです。

次に、経済を大きく支えているものとして、公共投資が挙げられます。1~9月期の公共投資は約1兆4000億円で前年同期比33%増になったとのことです。道路、鉄道などのインフラ整備を軸として、雇用を創出し、個人消費を促しています。何と言っても、ベトナムの個人消費はGDPの7割を占める為、この個人消費をいかに促進するかが、GDP成長率に大きな影響を与えます。

尚、2020年上半期の実質GDP成長率が前年同期比で1.8%という数字は、2011年以降の10年間で最も低い成長率のようですが、他国の状況を勘案すると極めて優秀な部類に入るでしょう。

2020年通期見通しについては、国際機関はさまざまな見通しを示しています。例えば、IMFはGDP成長率を2.7%と予測しており、アジア開発銀行は4.1%と予測しています。但し、年間6.8%というベトナム政府の目標達成には、下半期に10%以上の成長が必要となるため、さすがに達成は厳しい状況ではあります。

今後もコロナの感染拡大を抑え続けることに成功すれば、日本とのビジネス目的の短期出張者の往来も再開したようですし、コロナ禍においても強い経済は維持できるのではないかと見ています。引き続きWatchしていきます。




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