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もうすぐAIアートの大きな波がやってくる!

 AIにご興味のある方であれば、すでにその画像生成の可能性について詳しくご存じかもしれませんが、文系出身でアートやデザインに関わってきた私は、最近になって(2022年3月26日から)ある画像生成AIを使わせていただいて、その驚異的な可能性を体験することができました。
 お詳しい方は「すでにAIアートの波は来ているよ」とおっしゃるかもしれませんが、私はこの波がどんどん大きくなっており、ヴィジュアルの仕事に関わる人はもちろんのこと、もうすぐ一般の人でも日常的にAIを活用して画像を生成するような時代が、もうそこまで来ていると実感しているのです。
 その「大きな波」を(もう予感ではなく)実感した私自身の体験を以下にまとめておきたいと思います。


画像を生成するAI Midjourney

 私は、普段からProcessingやRhinoceros+Grasshopperでパラメータを使ったジェネラティブな作品作りを楽しんでいますが、AIによる画像生成についてもネット上の情報から興味を抱いていました。そうして、本当にたまたまなのですが、外国の方のSNSから情報を得て、Midjourneyの公式ツイッター(https://twitter.com/midjourney)の自己紹介欄に記載してあったリンク先からベータ版の使用申請をしてみたのです。
 その後、連絡があり、Discord上のサーバーに招待されました。私は希望したら誰でもすぐ承認されるかのような軽い気持ちで申請しましたので、この招待もまったく普通のように感じていました。
 まずは、Midjourneyを試して驚きました。英語しか通じないのですが、スラッシュコマンド「imagine」から画像生成のヒントとなる「prompt」をテキストで打ち込むだけでどんどん画像が生成されてくるのです。
 最初に1分程度で四つの画像が提案されます。そのうちの一つからその方向でさらに四つの提案をしてもらうか、良さそうな案はサイズアップをしてより詳細に描き出してもらいます。大きいサイズで詳細に描き出すほうは数分かかりますが、ご想像より相当早いのではないでしょうか?
 下記のツイートは私の最初の試みですが、そのすごさはこの程度ではなかったのです。
(この時点で、私がMidjourneyで作ったイメージのすべては、「表示-非営利 4.0 国際」の設定でのクリエイティブ・コモンズ・ライセンスとなっていました。現在は有料会員で私が著作権・所有権を有しています。)

カワイイ少女? ブキミ?

 まだまだカワイイとブキミは表裏一体という感じですが、その翌日にはこんな感じになっていました。

そしてその後の展開です。

 そのうち、私が(Wave 1という名のグループで)このベータ版を使わせてもらえていることはとても幸運なことだと気づきました。なんと、1万何千人もの人がこのAIのサーバーに入るのを待たされているというのです。(現在、サーバーの拡充とともに徐々にユーザーが招待制で増やされています。)
 そうなると、へんな使命感も出てきてしまい、いろんな方向からこのAIを実験的に使ってみたくなりました。使うことで、AIはまた賢くなっていきます。
 Midjourneyに打ち込むのは英単語の羅列や文章(ネット上にある画像のURLも可能)ですが、その指示のちょっとした違いからもいろんな変化が現れます。自分の描いてもらいたいイメージからかけ離れていたとしても、「そうきたか~」という新たな発想へのヒントになることもあるのです。

デザインの発想は可能か?

 これはAIアートでプロダクトデザインの発想もできるのではないかと、「未来の椅子」をテーマにしてみました。するとどうでしょう。なるほど、これは面白いではないですか。

 AIアートは、イメージそのものを扱うヴィジュアルデザインはもちろんのこと、プロダクトデザイン、建築、環境デザイン、ファッションなど様々なデザイン領域の発想の支援にもつながるように思いました。

美術制作の構想にも使える?

 AIアートとして、これ自体がアート作品であるというジャンルの形成は今後より一層強まっていくでしょう。この方向とは別に、これまでの(人の手による)制作の構想を支援するものとしても役立つのではないでしょうか。
 私自身は、作品制作の構想段階で使えると感じています。

アート思考・デザイン思考のお供に?

 人がAIをディレクションして、オリジナル作品を制作する方向性だけでなく、AIによってイメージングを支援してもらい、アート思考・デザイン思考の場面で発想に役立てるという方向性もあるように思います。
 AIがイメージングを支援することで、これまで気がつかなかったようなアイデアを示してもらえたり、アイデアはなんとなく浮かんでいるんだけど絵を描くのが苦手という場合の手助けをしてくれたりします。

AIアートを楽しんでみました!

 AIをしばらく使っていると不思議な感覚になることがあります。
 だんだんとAIの癖というか、このようなテキストの書き方をすると自分の望んだイメージに近づくとか、この表現を加えるとさらにこうなるとか、こちらの意識とつながってくるような瞬間が生じてくるのです。この現象に、「私はついにニュータイプになったのか」と冗談を言いたくなるくらいです。AIアートはもう有名画家風に描いてもらいました、面白いエフェクトをつけてもらいました、のレベルではありません。これからは、あなたの意思とAIがつながっていくのです。
 最後に、私自身がAIアートとして楽しんだ作品の成果を以下に紹介します。(クリエイトを楽しむのはやっぱり私!

世の中がAIアートで溢れる時代がやってくる!

 いかがでしたでしょうか。(私以外の人の作品はツイッター上で「#midjourney」をご覧ください。)
 AIの活用によって、発想力豊かで絵を描くのが最高にうまいパートナーを得ることになります。これまで絵を描くのが苦手だった人にとっては素晴らしいことです。
 一方で、人の手仕事の重要性を再確認していくことも大事になりますね。私自身はアナログの絵を描くのをやめたわけではありませんし、単に今はやるべきことや、やりたいことが他にたくさんあるだけなのですが、いつか、AIとともに構想して、その後に自分の手で絵を描くこともやってみたいと思っています。
 AIアートを活用するスキルは、徐々に当たり前になっていくかもしれません。AIアートが、デザイナーやアートディレクターだけでなく、デザイン思考の現場や一般的な趣味の一つとしても、世の中に浸透していく大きな波がもうすぐそこまで押し寄せてきています。


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