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<AIアート> AIとコラボしてみました!

 前回、「AIアートの大きな波」と表現して記事を書きましたが、この記事はその続編です。
 今やAIアートは、少し前までは想像できなかったようなレベルの表現ができるようになってきました。そして、徐々にではありますが、AIを使うことのできる環境が生まれてきています。現在、AIアートを描くのが可能なシステムとして、主要なものは「Disco Diffusion」、「Midjourney」、「DALL·E 2」などがありますが(もちろん簡易的なアプリも!)、私は幸運にもMidjourney(ベータ版)の初期グループに招待してもらい、この先端的な表現の可能性を試すことができました。

 まず、絵を描くのが苦手の方にお伝えすると、AIアートにおいては絵を描く技能は必要ありません。それはAIの側の担当です。しかも、AIはすでにかなりの達人になっていますので、もう描くのは任せてしまいましょう。それでよいのです。ではあなたは何をするかというと、「アートディレクション」をすることになります。AIに指示して、AIといっしょに表現していくのがAIアートです。(ぜひアートディレクションするための感性を磨きましょう!)
 実際にAIとどのような表現が可能なのか、私が実践した事例をこれから紹介します。

AIにアートディレクション!

 AIが使えるようになったら、どんな絵を描いてほしいか、テキスト(単語の羅列や簡単な文章)で指示します。気持ちはアートディレクターになったつもりで、どんな絵を描いてくれるのか楽しみましょう。(Web上の画像URL、生成する画像のサイズや縦横比も指示可能)
 実は、同じ言葉でお願いしたからといって、同じイメージの結果が描かれるというものではありません。これは、同じお題でお願いしても画家さんやデザイナーさんによって異なる絵やイラストが描かれるのと似ています。
 例えばMJ(Midjourney)は、複数のバリエーションで描いて回答してくれますので、その中から望み・好みのものを選択して方向性を示すのです。これぞ、アートディレクションなのです!
 
では、これから私が行った具体例をみてみましょう。まずは「未来の○○」は取り掛かりやすいのではないでしょうか。以下は、「未来都市」をイメージングしてみた事例です。
 よく耳にする「スマートシティ」や「DX」から発想して、電子回路のイメージを都市の景観に重ねてみました。

 そして、次は海底都市のイメージングです。私は、かなりの深海を意識してアートディレクションしていました。海底は暗いはずですので、ライトも灯されているのが分かるでしょうか。もちろん、空気の泡も指示しています。

 さらには、もう思考実験というか遊びのようなものですが、「ホットケーキで作る未来都市」です。できあがるイメージの面白さに期待してアートディレクションするのです。さあ、どうでしょう?

 以上、ご紹介したように、「未来の○○」は、もちろん都市だけでなく、いろんなモノでもアートディレクションすることができます。例えば、乗り物についてもそうですね。「未来のSL」という、過去と未来の交錯したイメージングも面白い結果となりました。

 もちろん、「未来の○○」の「未来の」のほうもなんでもありです。もう自由に自分の内にあるコンセプトを可視化していけるのです。
 私は子どもの頃から石英や水晶、大理石などの結晶を見て感動することが多かったと思います。収集癖はないのですが、透明でキラキラしたものを見るのは今でも好きなので、MJに「結晶化した○○」をイメージしてもらいました。
 まずは、「結晶化した薔薇」ですが、最初は薔薇の花そのものが出てきてしまい、これは無理なのかなと思っていました。なかなか花の部分が無色透明になりませんでした。しかし、何度か挑戦してみて、ようやく実現した際にはAIのMJといっしょに創造した喜びを感じました。

 同様に、蝶や蓮の花、さらには人(ファッションモデル)までも結晶化を試しており、それぞれ面白いイメージを得ることができました。

 このように人(ファッションモデル)を異質なものに変える試みは、結晶化だけでなく、金属化もやってきていました。これも面白い結果になりました。

AIとコラボ!

 すでに美術やデザインのバックグラウンドのある人は、アートディレクションだけでなく、もっと自分の創作の痕跡を残したいと思うのではないでしょうか。(私自身、その欲求がありました。)
 MJには、テキストでコンセプトを伝えるだけでなく、Web上の画像を示すURLを示すことで、その画像を見せることができるのです。自分の作品の画像をどこかのサーバーにアップして、そのURLを教えてあげればよいのです。それだけで、自分の作品をAIに見てもらえるのもなんだかうれしいものです。
 以下に、私の作品をMJが見て、返してきた結果を紹介します。

 いかがでしたでしょうか、AIが私の作品をしっかり見て次の発想につなげているのがはっきりと分かるのではないでしょうか。
 MJは、画像や画像の断片を単にトレースしたりコピペしたりしているわけではないので、もう一人のアーティストが傍らにいるようなものです。MJに「ここ(私の作品)から別の発想をしたり、煮るなり焼くなり、どうにでもやってくれ」とお願いしつつも、ちゃっかりまたアートディレクションしているようなものです。
 AIとコラボしながら、どんどん新たな作品を作っていく夢のような制作工程はもう実現しているのです。




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