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massaging capsule|架空の遊園地に捧げるアームコルセット

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Text|massaging capsule

 世界が停滞し不安に包まれていた2020年の春、「この瞬間を健やかに生きていくために、ダロウェイ夫人のように、ぴんと背筋を伸ばして、通りを歩いてみたい」という凜とした言葉がモーヴ街から届きました。

 この招待状で、心細い現実を前に押し潰されかけていた、美しきものへの憧れと追求をいま一度取り戻したことを忘れません。空想で旅するときめきを思い出した瞬間でもありました。

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 得意な空想で、架空の街モーヴ街のクリスマス前を思い描いてみました。ヴィヴィアンズ百貨店の高いフロアの窓からは、賑わう街の灯の向こうに、少し遠くの広場へやって来た移動式遊園地の観覧車が煌めく光景が見下ろせることでしょう。

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 「トラヴェリングファンフェア」や「トラヴェリングカーニバル」とも呼ばれる移動式遊園地は、クリスマスマーケットの時期の街にはつきものですが、歴史を調べると19世紀末頃に遡るようです。

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 巡業中の移動式遊園地を撮影した1920年代ごろの古い写真が、今作「菫街移動式遊園地のアームコルセット」のイメージソースになりました。大戦とスペイン風邪の激動を経て、人々が束の間の解放を感じていた時期です。お買い物も兼ねてのお出かけなのでしょうか。とっておき最新流行の装いに身を包んで、メリーゴーラウンドや射的ゲームに興じる老若男女が、生き生きと躍動する姿が記録されていました。

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 アドヴェントの時期には、ロンドンにも移動式遊園地が建ちます。「ハチャード書店の張り出し窓を見つめて、ボンド街へ向かう」ダロウェイ夫人の耳にも、ピカデリーを抜けるその楽しげな騒めきがが、きっと届いたに違いありません。

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massaging capsule|服飾ブランド →HP
1998年よりmassaging capsule名義にて服飾製作。 脆く傷付きながら懸命に自立する人物像をイメージし、そのような人たちが強くあるための殻としての服をデザインしている。ブランド名はE・ルッチオーニとマクルーハンの言葉に東京のイメージを重ねたもの。展示会や催事等参加多数。



00_通販対象作品

ブランド名|massaging capsule
作品名|菫街移動式遊園地のアームコルセット

[表地]ポリエステル100%
[裏地]キュプラ100%
[縁テープ]レーヨン100%
[他テープ]レーヨン100%
[レース・基布]ナイロン100%
[刺繍]レーヨン100%
金具類・合金
作品サイズ|平置き時長さ約19cm/幅約15cm(フリル含)
Mサイズ
手首周囲約15cm/履きこみ口(手首から9cm腕側周囲)約19cm
制作年|2021年(新作)

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