5分でミラースホールディングスの企業財務分析評価
挨拶
このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士や簿記2級の学習を通じて会計のマニアになりました。企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回はミラースホールディングスについて解説していきます!高配当株としてランキングに載っていますが、その実情を分析していきます。分析をしてほしい企業があったらコメント等に残してくれると嬉しいです!
企業概要
ミラースホールディングスは1972年に株式会社宝工務店の名前で設立されたのが始まりです。設立当初から不動産事業を営んでおり、現在も不動産事業をメインにしています。現在のミラースの名前になったのは2022年と最近のことです。その前はタカラレーベンという会社名でした。決算月は3月です。
事業内容
ミラースホールディングスの事業は下記の4個の事業に分けられています。
不動産事業
エネルギー事業
アセットマネジメント事業
その他事業
ミラースホールディングスは不動産の中でも新築の分譲マンションの企画、販売をメインに行っています。それだけでなく、再生可能エネルギーの販売やREITの運用も行っています。その他事業でも建設事業やホテル経営も行っています。
人員について
ミラースホールディングスの従業員数内訳は下記の通りです。
従業員数約1,300人の会社です。興味深いのが、セグメントによって従業員が分けられていません。なので1人の従業員が不動産の販売も、REITの販売も行うようなイメージですね。これだけの従業員数規模であれば通常セグメント別に分かれていますが、珍しい組織体制になっています。
働きやすさについて
現在注目されている女性管理職の割合や男性の育休取得率ですが、女性の管理職割合は10%です。少ないように見えますが、日本企業としてはまずまずでしょう。男性の育休取得率は40%とこちらもまずまずの数値です。今後の女性管理職割合や男性の育休取得率の改善に期待したいところです。
ミラースホールディングスの収益構成
ミラースホールディングスは収益約1,800億円の大企業です。その内約80%の約1,600億円が不動産事業の売上です。この会社は新築の分譲マンションの販売によって稼いでいると評価できます。また、売上の90%以上が国内なので海外ではあまりビジネスを展開していません。
2022年度と比較すると売上は約20%増加しています。直近5年間では収益約1,400~1,600億円を維持していましたが、2023年度は不動産事業が好調でした。特に立地や利便性に優れたコンパクトマンションの需要が増加しており、その需要を上手く取り入れられたようです。マンションの供給数は減少していますが、都心の便利な立地のマンションの需要は底堅いのでしょう。
営業利益と当期純利益
収益が増加しているのも重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
ミラースホールディングスの営業利益は約8%です。メーカーであれば悪くない営業利益率ですが、不動産事業なので利益率が良いとは言えないですね。原材料の高騰はマンションの原価にも影響しています。アセットマネジメント事業ではセグメント利益がマイナスになっていますが、額が小さいので影響は少ないです。
メイン事業である不動産事業で8%の利益率なので何とか10%くらいには持っていって欲しいところです。人的資本やDX基盤の構築に対して投資をしているようなので今後の利益率の改善に注目です。
当期純利益は約81億円で2022年度と比較すると倍近くなっています。これは売上が20%増えたことによる影響が大きいです。売上自体が増えたことで売上総利益の額が大きくなりました。販管費は毎年一定であることが多いので、そこで大きく営業利益を残すことができました。逆説的に言うと2022年度は営業利益率約4%と2023年度よりかなり低かったです。
配当金は2年連続で増配しています。2022年度は経営成績があまり良くなかったにも関わらず増配していましたが、それでも配当のバランスは適切でした。コロナの影響を大きく受けた2020年度を除けば増配しており、利益率が下がれば配当もしっかりと下げる方針のようです。ですので、配当目当てで株を購入するなら今後も同じ様に利益を出し続けられるか注視する必要があります。
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