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5分で分かる!人気銘柄ピクセルカンパニーズを評価~企業財務分析


挨拶

このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士や簿記2級の学習を通じて会計のマニアになりました。企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回はピクセルカンパニーズについて解説していきます!分析をしてほしい企業があったらコメント等に残してくれると嬉しいです!

企業概要

ピクセルカンパニーズは1986年に大阪プラント販売株式会社として設立し、コンピュータ用インクリボン、インクジェットカートリッジの販売をしていました。そこから統廃合を繰り返し、現在のピクセルカンパニーズの社名になったのは2015年からです。

事業内容

ピクセルカンパニーズの事業は下記の3個の事業に分けられています。

  1. システムイノベーション事業

  2. ディベロップメント事業

  3. エンターテインメント事業

システムイノベーションは金融機関向けのサーバーシステム開発や、ブロックチェーンの技術を用いたシステムの開発を行っています。
ディベロップメント事業は太陽光発電施設の販売やリゾート地の仲介販売を行っています。
エンターテインメント事業はカジノ向けゲーミングマシンやソフトの開発、製造を行っています。
創立当初の事業とは全く異なるビジネスを行っています。

人員について

ピクセルカンパニーズの従業員数内訳は下記の通りです。
従業員数は約88人の企業です。100人以下でかなり少ないですね。その中でも2022年度から13人減少しているのは気になりますね。理由は自己都合退職とのことですが経営成績と関係がありそうです。

ピクセルカンパニーズ従業員数

働きやすさについて

現在注目されている働きやすさですが、ピクセルカンパニーズは女性管理職の割合や男性の育休取得率の記載がありません。

ピクセルカンパニーズの収益構成

ピクセルカンパニーズは売上約5.8億円です。従業員数も100人未満なのでこれくらいの売上になるでしょう。
2022年度と比較すると売上は約6%増えています。ですが、2020年度を境に売上が大幅に減少しています。2020年度は約20億円あった売上が2021年度には10億円、そこからさらに半減しています。これはディベロップメント事業の売上減少が大きいです。元々ピクセルカンパニーズはディベロップメント事業がメインでしたが売上が90%以上下がってしまいました。
選択と集中と有価証券報告書にも記載がありますがディベロップメント事業が厳しいのでシステムイノベーション事業に転換しているということですね。

セグメント別売上

営業利益と当期純利益

収益が増加しているのも重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
ピクセルカンパニーズの営業利益はマイナスとなっています。本業で儲けるどころか赤字が出ています。システムイノベーション事業は2022年度はセグメント利益がマイナスでしたが、2023年度はプラスに転換しました。
ですが、ディベロップメント事業とエンターテイメント事業が足を引っ張ってしまい全体の営業利益としては赤字になっています。特にエンターテイメント事業はカジノ向けゲーミングマシンなのでカジノがコロナによって中断してしまったのが大きいですね。再開の見込みも経っていないようです。
営業外収益でも為替損益、助成金収入が減少した影響が大きいです。
当期純損失は5億円で2022年度と比較しても悪化しています。売上は少し増加しましたがメインのディベロップメント事業の急激な成績悪化に苦しんでいる状況です。これだけ赤字を出し続けていると短期的な支払いについても厳しい目で見たくなります。
配当金は直近5年は一回も出していません。これだけ赤字が続いてしまっているので仕方ないですね。楽天の20代人気株銘柄のTOP10にも入っていますがその理由はおそらく株価の安さでしょう。これだけ厳しい経営成績なのでピクセルカンパニーズの株価は200円台とかなり低価格です。100株買ってっも4万円くらいです。2023年までは株価が40円台とかなり低迷していましたが一気に2024年に200円に上昇しました。株価が5倍になった影響が大きいのでしょう。

ピクセルカンパニーズの倒産リスクは?

会社が潰れてしまう可能性があるか?を判断するには流動比率の分析はかかせません。流動比率とは流動資産÷流動負債で求めることができ、短期的な資金繰りに問題がないかが分かります。
流動資産は1年以内に現金になりえる資産、流動負債は1年以内に払う負債のことです。流動資産が流動負債より多ければとりあえずOKです。
ですが気をつけるのは棚卸資産の項目です。棚卸資産は1年以内に販売できるかできないか分からないからです。その前段階である原材料も考慮が必要でしょう。
ピクセルカンパニーズの流動資産を確認すると約8.2億円あります。その内棚卸資産は約1千万円ですので流動資産の約1.2%です。一方で、流動負債は約1.3億円と流動資産より約6.9億円少なくなっています。棚卸資産を除いたら資産は約8.1億円あり流動資産が流動負債を大きく上回っています。現金だけでも約1.7億円あり、流動負債は賄える状態です。ですので短期的な支払い能力については問題なさそうです。ですが、赤字続きであることには変わりないので引き続き注視は必要です。

ピクセルカンパニーズの固定資産

ピクセルカンパニーズの固定資産は増加しています。2022年度は有形固定資産は0でした。減価償却が完了した有形固定資産しか持っていませんでしたが、2023年に従業員のPC環境設備に投資しています。またデータセンターの建設も行っています。このデーターセンターの建設が今後の売上、利益にどう影響していくのか注目です。

新株の発行

ピクセルカンパニーズは資金の調達を新株の発行で行っています。2022年度は約1.4億円ですが、2023年度は約10億円の資本金に増加しています。これは水たまり投資事業組合が新株を購入してくれたためです。今回は購入してくれましたが、赤字続きであるなら売却される可能性もあります。今後の決算と資本調達をどうするのか注目です。

まとめ

  • 2022年度と比較すると売上が6%増加。ディベロップメント事業の経営悪化により2020年度からは大幅に売上減少

  • ディベロップメント事業の経営悪化により営業利益はマイナス

  • カジノ向けビジネスが軌道に乗らない影響もあり大きな赤字を当期純利益で出している

  • 配当金は直近5年は0

  • 短期的な資金繰りについてすぐには問題にはならなさそうだが、注視が必要

  • 2023年度に新株を大量発行したが、今後の資本金の動きにも注視が必要

評価

成長性:2
収益性:1
安全性:4
生産性:2
配当:0
合計:9/25

ここまで読んでいただきありがとうございます。コメントにどの企業の分析をやって欲しい等書いていただければ分析します!

出典:EDINET閲覧(提出)サイト https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100T69O.pdf?sv=2020-08-04&st=2024-06-02T01%3A44%3A35Z&se=2034-03-29T15%3A00%3A00Z&sr=b&sp=rl&sig=6pNJhYmJkQyWG71y1h6Ef3bcp7LG%2BB7qqXDhZjNMomc%3D


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