見出し画像

フェミ彼氏が私にとって最高すぎるという話

(前提)現在の私のステータス

私にはイギリス出身の彼氏がいる。
私たちはシスヘテロの女性と男性のカップル。
私は京都、彼はケンブリッジ在住の遠距離カップルだ。

出会いは話せばみんなが「ドラマじゃん笑」という感じの面白いストーリーなのだが、それはまた今度まとめよう。
今回は、彼の素敵なところをフェミニスト視点で紹介しようと思う。

1. 過去の私を一人の「人」として偏見なく受け入れ、楽しんでくれる

私は学生時代に2度、ドイツに住んだことがある。
1回目は交換留学として、2回目はオペアとして。
2回目に行った時は周りに知り合いやコミュニティがなかったこともあった、Tinderを使っていろんなバックグラウンドのある人たちと遊び楽しんだ。できれば学歴くらいは近い方が話も合うかなという理由で当時の家から3km以内にあった大学生とだけ会っていた。
当時の自分には理解し難かったが、結婚したパートナーがいるのに電話などで仲良くしてくる人、生粋のナショナリスト&アンチフェミニストだと発覚したのに面白さから友達を続けようとした人がいたり、人格は優しくて最高だけどなんだか自分の中でしっくりこないから自分からゴーストしちゃった人もいる。

こういう話、私は自分の人生の面白いパートとして話すのが好きだ。
あなたのパートナー、特に男性の場合、こういった過去の話をどのように受け止めるだろうか。
私の経験や周りの話から考えると、相手の過去の恋愛のあれこれを一緒に楽しんでくれる人は少ないと思う。
例えば、「なんで今俺がいるのに過去の恋愛の話をするんだ、他の男との話なんか聞きたくない」な反応をする人は多いと感じる。(女性でも所有欲からなのか同じようなことを言う人はいる)
もちろん、反応は人によるし、相手のSOGI(Sexual Orientation & Gender Identity)に関わらずそういう話をしてcomfortableに感じるのかの確認は必要だと思う。私も彼と話す中で、こういう話をして嫌じゃないかは都度聞くようにしている。

ただ、社会には男性が過去の性体験や経験人数を話してもそこまでネガティブな反応が個人に来ることが少ないのに対して、女性が性的にかなり開放的な経験をしていると、「ビッチ」「軽い女」と見られることが多い気がしてならない。だから女性は男性に比べ経験人数をあまり大っぴらに話さない。しかも、一度シスヘテロの「付き合う」状態になれば、女性が男性の所有物になったかのように、「お前は俺のもの。」というように表現をされることはやはり多い。恋愛小説や漫画、ドラマでこのセリフを聞いてキュンとしている女性も多いだろう。男性に所有されることが一種のステータスとして認められているのだ。やっぱり自分の所有物が「ビッチ」なのは嫌なのかな。ポルノで「ビッチ」は好んで消費するというのに。

初めて彼に「my Vivi」と言われた時は、どんなつもりでそれ言っているんだろうと感じたことを覚えている。でも彼はその後こう続けた。
「なんか『my Vivi』って所有してるみたいであまり良い響きじゃないな、、でも意味としては僕がViviを所有してるってわけじゃなくて、僕の大切にしてる存在Viviって感じ。」
ただ、相手の人生の一部になれたことは嬉しかったし、そう言う意味なら良いかと思った。
彼の中には私を所有したそうな言動が全くないし、私のjourneyに寄り添って一緒に楽しみたい、といつも言ってくれる。
だからこそ私の過去について面白かった(funnyもinterrestingも両方)経験は私の一部として聞いてくれる。
過去のフェミ知識ゼロの日本人彼氏ではこんな経験は絶対にできなかった。

2. フェミニズム理解への姿勢がすごい

周囲にフェミニズムの重要性や身近さを訴えようとフェミ関連の話は普段から小出しにすることがある。
2月の国際女性デーについて軽く会社の上司に話を振った時、彼の第一声は「国際男性デーはないの?」。
あああああなんで最初の一言がそれになるんだ!社会的地位が圧倒的に低い、低かったからこそずっと戦ってきた女性をエンパワーしようとするムーブメントの日になぜ!
翌日の国際女性デー当日には会社のカフェテリアの一つでシフォンケーキを配っていたので、それだけもらってご満悦の上司。その日女性が戦ってきた歴史などは学ばずに美味しいおやつだけもらえて嬉しい、と言う結果がすごく悔しかった。
普段女性性の優しさやセクシーな見た目から恩恵を受けまくっているにもかかわらず、何か彼女たちの苦悩について話そうとすると積極性に知ろうとする姿勢すら見せない男性の姿を見てきたがために、正直この先本当に平等な関係を築こうとしてくれる男性には巡り会えないのではないかと思っていた。

実際今の彼と付き合い始めた時も、ヴィーガンという共通点はあっても、フェミニストの部分では結局分かり合えずに終わるのではないかとあまり期待は抱いていなかった。彼は自分のことを「feminine」と話していたが、正直あまりどこまでそうなのか半信半疑なところはあった。
ただ、私が読んだ女性学の本について話したり、日本のジェンダーギャップについて話すと、熱心に話を聞き共感し、何かプロジェクトへの寄付でも勉強でも自分にできることはないかと質問してくれる。英語の文献を紹介すると積極的に読んで、「こんな現状女性が味わうのはおかしいよね」と話してくれる。こういうLearner好き!となった。
私が日々学んでいくうちに気づく、自分の中の自分に対するスティグマから逃れるにはかなり時間がかかるし、だからこそ彼との関係性の中で自分自身を縛って自由になれないこともある。そんな時彼は絶対に待ってくれる。常に私がcomfortableな状態で彼といられるように、配慮は欠かさない。

3. 私が彼に「癒し」を常に与えなくても、それでOK

つい最近、Instagramに「知ってるワイフ」というドラマの1シーンが流れてきた。
夫役の大倉忠義さんが、パートの妻役の広瀬アリスに対して、「俺は仕事で上司や客相手に疲れている、帰ってきた時くらいリラックスしたいのに、こんな家だから出世もできないんだよ」と言い放つシーン。(Reelsで見ただけなので完全には覚えてないけどこんな感じのこと言ってた)
ゲロ吐きそうになった。笑
家事やパート、地域との付き合いなど女性の日々の負担をガン無視して、どこまで行っても女性に対して癒しなどケアの役割を求める典型的なオトコの反応だと思った。

私たちは友人関係(特に男女の友人関係)の時は相手に精神のケアまでは求めないし、相手が疲れていたり元気がなかったりする時にまで無理に自分の「お世話」を求めない。
なのに付き合った瞬間、結婚した瞬間に恒常的に癒しや精神的なサポートを相手に求めるようになるのはなぜなのだろう。
もちろんただの友達ではないからこそ「パートナー」なのだろうけど、普通に考えてそれって持続性ないのでは?と思う。
特に唯一の相談相手や気晴らし相手がパートナーだった場合、もし両方がそれぞれに悩みを抱えていて沈んでいるタイミングだったとしたら、共倒れするか、片方がかなり無理をして相手をしないと成り立たない。
上の「知ってるワイフ」の例から見られるように、色々な男女のお付き合いを見てみると、オトコを癒すのはオンナ、癒しの彼女最高、みたいな関係性や理想像ってまだまだあるのかな、と思う。
それで男性が彼女から癒しを得られない場合、まるで彼女に欠陥があるかのように話す人も少なくないと思うし、だから家に帰りたくないみたいな話は別に珍しくないと思う。

この章のタイトルは「私が彼に『癒し』を常に与えなくても、それでOK」。
でも私は彼に癒しやポジティブな感情を彼に与えないと、というプレッシャーを以前はかなり感じていた。
遠距離恋愛だからこそ、週に数回ビデオ電話をするときくらいは元気な様子でいないとなという私の勝手な思い込みから、仕事で疲れたり、悩みがあって気分が乗らない時は結構電話をキャンセルすることがあった。でもそれもずっとは言ってられないので、たまには無理してスケジュールに合わせて電話をした。
ただそんな状態で電話してみても、やっぱり会話を100%楽しめないし、相手の話にも興味を示せない。

そんな状態が続いたので、ある日ちゃんと時間をとって彼と私が感じていることを正直に話した。
そうしたら、
「自分の生活の中心がかなりViviになっていた。何かしていてViviとだったらどうかなとか想像して楽しいけど、心の拠り所がVivi中心になりがちだったから自分の悩みを話すことも増えたし、最近自分の趣味やルーティンも疎かになってた。多分それが伝わって負担かけちゃったね。
でもそれって持続的じゃないから、自分の生活ややるべきことにちゃんと時間とってそこでリフレッシュできるようにする。」と言ってくれた。

お互いを特別な相手と思っているからこそ付き合っているのだけど、だからって当たり前のように癒しを求めることはしない関係が今とても心地よい。
色々な話をして楽しいし、自然と相手との関係性に癒しを感じることはもちろんある。
お互い自分のキャパに余裕がある時はいつもより気持ちを込めてsweetなメッセージを送ってみたり、相手が嬉しくなることをして、癒しになってくれていたら嬉しい。
彼女彼氏なんだから、というような無条件な要求がなく、相談したり正直に話したら何が二人にとって一番かを自分の中のバイアスにも焦点を当てながら素直に一緒に考えられるところが本当に大好きなのだ!


他にも素敵なところはあるけれど、フェミニスト視点で嬉しいところとして最近特にこの三つを強く感じたので、今回まとめてみた。
もし何か他に強烈な経験をしたら、ここでシェアしようと思う。

最後に

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます!
全部私の主観だし、私たちの関係性で独特なところもあるかもしれないですが、ミソジニーあふれる社会の例も上げながら、そこと比較して私は彼のこんなところが嬉しくて好き、というように書いてみました。
私は自分自身も周りの人たちもSpecial!というメンタリティで生きているので、それって珍しくないし普通だよ、ということがあれば教えてください。社会のネガティブな点にフォーカスしてしまうことはよくあるので、もし今回のテーマで彼のような振る舞いが特別ではなく、よく聞くような話であれば、私は嬉しく感じます。

先日また新たな発見があったので、またまとめようと思います!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?