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カードゲーム/偶然から考えさせられる言葉

大人になって、カードゲームをするなんてUNOぐらいしかなかったのだけど。珍しく集まったアラフォーの女7人。友人宅だったこともあり、家主のミカがカードゲームを用意していた。

「コレ、ハマると思うんだよね〜」
ニヤッとしながら持ってきたのは、小さな赤い箱。
トランプぐらいの大きさのカードをテーブルの中央に山にし、赤いカードとおもちゃの指輪が3つ、全員に配られた。

「適当に山から5枚引いて〜、で全部使わなくてもいいから文章作って」

手持ちのカードをテーブルの上に広げ、言葉を並べる

「ぼくの(と)」「おばあちゃんになっても」「一生」「口づけ」「キスしよう」

んーーーー????

「じゃ、時計回りにいこっか。1人に向けて全員でプロポーズします。で、された人は1番キュンと来たプロポーズを言った人に指輪を渡して。いち早く指輪が全部なくなった人が勝ち!」

「了解〜っ!じゃ、のぞみにプロポーズね」

「難しすぎるっっ」

「はい、じゃあさやから告って!」

さや:「ぼくは」「君の」「味噌汁が」「大好き」「宝石箱」
マキ:「ぼくは」「君の」「大切な」「金」「奴隷さ」
ミカ:「ぼくは」「マンション」「一生」「君を」「守るよ」
りこ:「ぼくは」「君に」「メロメロさ」「愛してる」
みほ:「ベイビー」「ぼくは」「君を」「離さない」「なんちゃって」

『結婚しよう!!』

「ハイ、のぞみ。誰と結婚するか決めたー??」

「えぇーーーっ、悩む…けど、今回はマキちゃん!wwよろしくお願いします!!」

「やたーっ♪」

「お金最強じゃんww」

「やっぱり稼がなきゃ始まらないし?」

「なんかアリサのフツーすぎてつまんないんだけど」

「イヤイヤ、そんなこと言われてもちゃんと引いてるし。みほの、なんちゃっては何でワザワザ使ったのww」

「え。笑えるかと思って」

「リコ、ワインもう一本開けよう〜」

大きな一枚板のローテーブルの上にはぐちゃぐちゃに混ぜられたカードの山と。チーズやクラッカー、サラミにカットソーセージ。ワインはもうすぐ5本目が空になるところで、笑い疲れてひと休み。

マキが用意してくれていたカードゲームは、久々に集まった7人を熱狂させた。ただの運で引く6枚のワードカードと基本カードと組み合わせて10秒以内に文にするだけなのに。なぜか笑える、なぜか似たような言葉が似たような人に集まる。ぐちゃぐちゃに混ぜてるし、毎回席替えしてるのに。

住んでいる所が違いすぎて、生活状況も違いすぎて。全員が集まれることなんて数年に一回あるかないか。既婚者、離婚者、彼氏持ち、フリーのアラフォーが盛り上がりすぎて、お腹が痛い。2時間やっても決着がつかない。

「指輪リーチかかってるひとー、いたっけ??」

「あ、わたしあと残り1個だ!リーチっ」マキが右手に持った小さいおもちゃの指輪をチラつかせる。

「え!ヤバい!!次誰に告るんだっけ??」

「りこちゃん?」

「絶対キュンワード来ないとダメじゃん!!引けるかな」

「ってか、『ぼくは一生、金』とか毎回引いてるのマキぐらいじゃん。専用カードみたいになってるし」

「みほは毎回甘々だよね。子猫ちゃんとかナデナデとか引いたことないわ」

「こんなに単語カードあるのにね」

メチャクチャで文書にならない告白ワードになることもある。その時は一回休みか、無理矢理繋いで告白するか。10秒の決断。


勝ったら、ワイン一気飲み。+恋の出会いのショートストーリー。そして全員にナデナデされるご褒美付きww生まれも育ちも学校も、職場も違う7人の甘くも苦い思い出話に華が咲く。

「プロポーズのことばって、実際きゅんとした??」

結婚をしていないわたしとさやの2人は、結婚した組に質問する。

「嬉しかったけど、予想してたのとは全然違ったww」

次の6枚を引きながら、マキが笑いながら答える

「わたしはコレと言ってプロポーズなかったなー」とみほがマキに応えるようにあっけらかんと言葉を出す。

「ついでに、離婚する時も一言だったわ」

「今度はちゃんと言葉で言ってくれる人に出会えるといいね」

リコが笑うと、みほも笑った。
毎回、カードを戻しては引く。混ぜても混ぜてもご主人様の所に戻っていくように、同じ言葉が続く。一生とか、めろめろとか、おばあちゃんになってもとか。金とマンションとかね!?

引くワードカードは『キャラ』になんだか似合い過ぎているし、告られる側もコアな自分の『撃ち抜かれる言葉』にキュンとして。何だか好みの差がわかってきて、それはそれでムズカユイ。

ただただ楽しかった恋愛より、現実的な生活に生きている時間の方が長くなってきたせいか?普段出会わない言葉に、使わない言葉が手元にくるたびに少し考えてしまう。

「そういえばこんな言葉も、あったよね」って。

さらにそんな言葉に自分がキュンとされちゃった日には…ことばが人を選んでるとしか思えない。


クラクラするぐらい、頭を使った3時間。
息が止まるぐらい、ドキドキしましたww

それは、言葉のチョイスと並べ方。
偶然性に誘発される、その子らしさと自分の発見ww
男性同士、女性同士の方が盛り上がること間違いなし!

そんなカードゲームを声優さん達がやると、こうなるようです。



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