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J1に上がりたきゃ監督変えろという話

皆さん覚えていますか?2020シーズン、長谷部監督率いる福岡が、さらにその前年の2019シーズンには途中就任した下平監督率いる横浜FCがJ1昇格を果たしたことを。

長崎サポの僕は、何となく「なんで1年目の監督で昇格できるねん!そんなんズルイやん!」という思いに地団駄を踏んでいました。その思いを引きずったまま迎えた2021シーズン。今年こそはと思っていた矢先、京都から驚くべき一報が。『曺貴裁監督 就任』。これを聞いた瞬間「うわぁ~!昇格するやつやん~!絶対昇格しそうなやつやん~!なんか知らんけど昇格パターンやんこんなん~!」と思いました。でも待って?未来のことは誰にもわからない。そうでしょ?曺貴裁というブランドにビビってるだけよ。自信をもって!そんな思いも巡らせつつ、2021シーズンが開幕。

結果、京都はこのシーズン、2位でのJ1昇格を決めたのです。

「やりやがった!!」「マジかよあの野郎ッ」
「やりやがったッ!!」「曺貴裁すげえッ」

我らが長崎はこの時、吉田監督(現神戸)から松田監督へと交代し、驚異の追い上げを見せつつも4位という結果で昇格を逃しました。僕は涙に暮れつつも、同時に、「あれ?」っと思いました。

それまでは新監督就任から2~3年ぐらいでチームを作り上げて結果を出すもの。何となくそう考えていた僕の脳裏に、長谷部・下平両監督の顔が浮かびました。目の前には就任1年で昇格を決めた曺貴裁監督。そしてこう思ったのです。「1年あれば昇格出来る・・・?」と。

いやそれはさすがに…..。と思いつつ、22クラブ制になった2012シーズン以降、J1へ昇格したクラブの監督就任時期と昇格に至った期間を調べました。それからです。僕が新監督ブースト論者に片足突っ込んだのは。そして2023シーズン、結果は皆さんご存知の通り、高校サッカー監督という異例の経歴でシーズン前から話題沸騰の黒田監督率いる町田が1位でJ1昇格。FIFAからの補強禁止処分というイカツイ内容でこちらも話題沸騰の磐田が、正式な監督就任はキャリア初となる横内監督を招聘し、2位でJ1昇格。

はい。どちらも就任1年目です。

というわけで僕は完全に新監督ブースト論者に転生しました。

そこで以下にデータを提示します。ここからは布教活動です。自分の信じるものと相容れない方はページをそっと閉じて下さい。ちょっと見てやってもいいかな?って人で、来シーズンから監督が変わるクラブのサポの皆さんは楽しみに見て下さい。監督変わらない予定のクラブのサポの皆さんは割と大きめの感情で見て下さい。

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注意事項:
*条件として、監督就任から昇格までの日数を、『就任から(昇格したシーズン)最終節まで』と捉えて計算しています。この為シーズンを跨ぐとオフの期間も加算されます。
*数日程度のズレがあるかもしれません。


1位昇格:

シーズン/クラブ/監督:就任時期:就任から昇格までの期間
2012/甲府/城福浩:2011/12/07:0年11カ月
2013/G大阪/長谷川健太:2013/01/01:0年10カ月
2014/湘南/曺貴裁:2011/12/28:2年10カ月
2015/大宮/渋谷洋樹:2014/08/31:1年2カ月
2016/札幌/四方田修平 *1:2015/07/24:1年3カ月
2017/湘南/曺貴裁:2011/12/28:5年10カ月
2018/松本/反町康治:2012/01/06:6年10カ月
2019/柏/ネルシーニョ:2018/12/13:0年11カ月
2020/徳島/リカルド・ロドリゲス:2016/11/29:4年0カ月
2021/磐田/鈴木政一 *2:2020/10/02:1年2カ月
2022/新潟/松橋力蔵:2021/12/06:0年10カ月
2023/町田/黒田剛:2022/10/24:1年0カ月
 *1. シーズン途中に就任
 *2. 10/27に検査入院。服部ヘッドコーチが代理。12/5の秋田戦で復帰。

就任から1位で昇格(最終節)までの期間

1位の昇格は日数にして平均約 857日。2017年湘南、2018年松本の長期政権が数字を引き上げているが、12クラブ中で3年以上、同一監督が率いたのは上記の2チームに2020年徳島を加えた3チームのみ。ほとんどが就任から1~2年内での昇格を手にしていることが分かる。


2位昇格:

シーズン/クラブ/監督:就任時期:就任から昇格までの期間
2012/湘南/曺貴裁:2011/12/28:0年10カ月
2013/神戸/安達亮 *3:2012/11/08:1年0カ月
2014/松本/反町康治:2012/01/06:2年10カ月
2015/磐田/名波浩:2014/09/25:1年1カ月
2016/清水/小林伸二:2015/11/13:1年0カ月
2017/長崎/高木琢也:2012/12/20:4年10カ月
2018/大分/片野坂知宏:2016/01/11:2年10カ月
2019/横浜C/下平隆宏 *4:2019/05/14:0年6カ月
2020/福岡/長谷部茂利:2019/11/26:1年0カ月
2021/京都/曺貴裁:2020/12/09:0年11カ月
2022/横浜C/ 四方田修平:2021/12/10:0年10カ月
2023/磐田/横内昭展:2022/12/25:0年10カ月
 *3. 2012/4、西野朗の新監督就任まで5試合で指揮。2012/11、西野解任を受け、再び監督就任。
 *4. シーズン途中にヘッドコーチからの昇格

就任から2位で昇格(最終節)までの期間

2位の昇格は日数にして平均約 580日。最長は2017年長崎で4年10カ月。3年目に届くようなクラブも2つあるが、1位で昇格したクラブよりもはるかに少ない期間で、新監督就任1~2年内での昇格を手にしていることがより顕著な数字となっている。


ちなみに今年のPO圏内の監督は・・・?

これから始まるプレーオフ圏内に残った4つのクラブの監督をおまけに。
期間はJ2最終節(2023/11/12)までで算出すると。。。

順位/クラブ/昇格時の監督:就任時期:就任から最終節までの期間
3位/東京V/城福 浩:2022/6/13:1年4カ月
4位/清水/秋葉 忠宏 *5:2023/4/3:0年7カ月
5位/山形/渡邉 晋 *6:2023/4/4:0年7カ月
6位/千葉/小林 慶行:2022/11/1:1年0カ月

*5. 2023年コーチ就任、4月にゼ・リカルドの後任で監督就任
*6. 2022年コーチ就任、4月にクラモフスキーの後任で監督就任


結論:J1に上がりたきゃ監督変えろ

完全に暴論です。監督変えたら100%昇格する保証なんてもちろんないです。しかし監督交代が昇格へのトリガーになることは間違いない。ただ昇格の功績は監督だけのものではないはずで、監督を支える体制の構築をクラブがどれだけできるのか?変えられるのか?が鍵になっているのだろうと考えています。

2024シーズンに監督が交代するクラブのサポーターは、『新監督の周辺』を見ることで、それがただの首のすげ替えなのか、クラブ決意の監督交代なのか。が見えてくるかもしれません。ここはもっと深く掘り下げていきたいところ。



おしまい☆

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