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【コラム】世界四大ミュージカルとは

往々にして「世界三大◯◯」「世界四大◯◯」について語られますが、「世界四大ミュージカル」とは、どの作品を指すか、ご存知でしょうか?
今回は、それぞれの作品を、初演順に紹介していきましょう。

注)WE=ウェストエンド=ロンドンの劇場街

★『レ・ミゼラブル』1980/パリ→1985/WE
作曲/クロード=ミッシェル・シェーンベルク
作詞/アラン・ブーブリル(仏語)
英語版翻案/ハーバート・クレッツマー
日本語版訳詞/岩谷時子
ヴィクトル・ユゴーによる同名小説を元にしたミュージカル。
飢餓の中、姪のためにパンを盗んで19年間投獄され、仮出獄の後、数奇な運命を辿るジャン・バルジャンと、執拗なまでに彼を追う刑事ジャベールを中心に、「七月革命」に人生を翻弄される人々を描いた作品。
日本では東宝により繰り返し上演され、最も親しまれているミュージカル作品の一つです。
当該ミュージカルの映画版は、ヒュー・ジャックマン主演で2012に公開され、DVDも発売されています。また、25周年および、2019にロンドンで上演されたコンサートヴァージョンのDVDもあります。



★『キャッツ』1981/WE
作曲/アンドリュー・ロイド=ウェバー
作詞/T.S.エリオット
日本語版訳詞/浅利慶太
T.S.エリオットによる詩集『ポッサムおじさんの猫とつき合う法』に、巨匠アンドリュー・ロイド=ウェバーが曲を乗せた作品。名曲「メモリー」は、未完の詩を元に、演出家のトレヴァー・ナンが作詞。他にもトレヴァー・ナンらによる作詞もあります。
ストーリーレスミュージカルに分類される場合があるが、一応ストーリーはあります。
都会のゴミ捨て場に集う、人間に飼い慣らされることを拒否し、それぞれの生を生きるジェリクルキャッツたち。ジェリクルムーンの輝く夜、天上の世界に登り、新しい生を得ることができる、ただ一匹の猫を選ぶ「ジェリクル舞踏会」が開かれる。猫たちはそれぞれの身の上を語り、我こそはとアピール。そして、選ばれたのは.......
日本では劇団四季により、繰り返しロングラン公演が行われています。『キャッツ』専用劇場で行う際は「回転席(現在は感染症対策の為使用せず)」が設置される。また、劇団四季専用劇場のほか、シアター・イン・シアター機構を使用して、仙台、静岡、広島での公演実績があります。2020に公開された映画版のほかに、舞台版を収録したDVDも発売されています。


★『オペラ座の怪人』1986/WE
作曲/アンドリュー・ロイド=ウェバー
作詞/チャールス・ハート
補作/リチャード・スティルゴー
日本語版翻訳/安東伸介
日本語版台本一部変更/荒木美保
ガストン・ルルーによる同名小説を元にした作品。
これより前に、ケン・ヒルによりミュージカル作品として発表され、感銘を受けたアンドリュー・ロイド=ウェバーにより(紆余曲折の末)別作品として発表された。他にも、アーサー・コピットによる『ファントム』もありますが、『オペラ座の怪人』といえば、このアンドリュー・ロイド=ウェバー版を指すことが多い。
1905年、パリ・オペラ座ではオークションが開かれている。その中で、「オペラ座の怪人事件」に纏わる品物の一つであるシャンデリアが紹介される。オークショナーがその電源を入れると、時は1881年に遡り......
日本では劇団四季により、繰り返しロングラン公演が行われています。特に、新劇場のこけら落とし公演として用いられる事が多い。シアター・イン・シアター機構を使用して、前述の三都市の他、横浜でも公演実績があります。
また、2004にはこのアンドリュー・ロイド=ウェバー版の映画が公開されて、DVDが発売されている(最新版では劇団四季キャストによる吹替)ほか、25周年記念公演のDVDも発売されています。


★『ミス・サイゴン』1989/WE
作曲/クロード=ミッシェル・シェーンベルク
作詞/アラン・ブーブリル
   リチャード・モルトビー・ジュニア
日本語版訳詞/岩谷時子
ジャコモ・プッチーニのオペラ『蝶々夫人』を元に、ベトナム戦争末期のサイゴンを舞台にした、戦災により売春街で働く事になってしまった少女キムと、大使館で働くクリスの悲恋を描いた作品。
日本では、東宝により繰り返し上演されています。
WEで行われた25周年記念公演のDVDが発売中です。

各作品の詳細は、今回は長くなりましたので、概要のみとして、折に触れて詳細に迫っていきたいと思います。

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