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#英語

彼女が温かい紅茶を飲んでいますように

数年前、私はオンライン英会話にはまっていた。 何度目かの流産がきっかけで体調をくずし、会社も休職し、毎日家でぼんやりと過ごしていた頃の話だ。 初めのうちは、突然おとずれたその休暇をそれなりに楽しんでもいた。 朝起きて、仕事へ出かける夫を見送り、簡単に家事をすませ、散歩がてら図書館まで歩き、帰ってきて借りた本を読む。夕方が近づけば買い物にでかけ、そこそこ丁寧に夕食をつくり、夫の帰りを待つ。 そんな毎日。 平穏で、優雅と言えなくもない時間だったけれど、私はすぐ

わたしは英語を学んで本当によかったと思う

高校二年生の秋だっただろうか。 私が『英語』に興味を持ち始めたのは。 和歌山県の海と山に囲まれた町で育った私は、当時所属していた茶道部の部室で初めて自分と同い年くらいの『外国人』に出会った。 アメリカからの交換留学生が、日本文化を体験するために茶道室にやってくると聞いて、とっても興奮していたのを覚えている。 そして、扉を開けてぞろぞろと入ってきた5,6人の少年少女はブロンドヘアに青い目、同い年とは思えないほど『おませさん』って感じだった。 当時NYの華やかな高校生た