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もう一度読みたいお話

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2020年3月の記事一覧

冒頭に挨拶なんていらない

noteを読んでいると、冒頭で「こんにちは、〇〇の〇〇です!」みたいな書き出しの人がたまにいますね。定型文っぽいなぁ...と思いつつ、かなりの確率でスルーしてしまいます。 他にも、冒頭で興味を削がれてそもそもクリックして本文を読むところまでいかないパターンが結構あります。 で、なんでみんなこれを書くんだろう?と疑問に思っていくつか見回ってみて気づいたのです。書き手側のパターンがあるように読み手側にもパターンがあるんです。 そして読み手側のパターンとして、僕はかなりわかり

夫婦の会話に中身がない

世の中の夫婦は、いったいどんな会話をしているのだろう。 友達の口から語られる「この前、夫と話してたんだけど~」から続く言葉は、だいたい中身のあるものだ。 でも、中身のない会話もしてるのかな。それをわざわざ、人に言わないだけで。 私たち夫婦はというと、8割方、中身のない話をしている。 今は離れて生活しているのでたまにLINEで通話をするが、先日は、「犬のうんちの大きさをかりんとうに換算する」話をした。 私は最近サモエドにハマっていて、毎日YouTubeでサモエド動画ば

やっぱり、わかりません 〜ゴリゴリの文系の私が 「科学」にぶつかった話〜

スマホの画面を時折確認しながら、授業終わりの教授が現れるのを待っていた。8年間の社会人生活の間で、時間を確認するのはもっぱらスマホかPCの画面。いつの間にか時計をしない生活になっていた。あぁ、腕時計をしてこればよかった、そう思う時はあっても、今日が終わる頃にはそんなことを考えていたことすら忘れてしまう。 * この冬、新卒から8年間勤務した会社を退職した。22歳だった私は、30歳になった。とても大きな会社で待遇は安定していたし、上司には可愛がってもらい、後輩にも恵まれ、とて

100円放送部

ときどき、どうでもいいようなことを思い出す。 うっとりするような思い出でもない。記憶の澱と呼べるほど小説的でもなく、夕陽に映える鉄塔のシルエットほどエモくもない、ただの記憶だ。 たぶん中学1年か2年ぐらいだったと思う。 その頃、僕は放送部に所属していて、お昼の校内ラジオ放送とか校内ラジオドラマだとかをつくっていた。 べつに、すごく熱心にというのでもなく、学校でクラスの教室以外に放送室という別の空間に籠れるのが好きだったのだ。サードプレイスだな。 だから全国中学校放送

大好きな夫に、改めてプロポーズをすることにした

私事で恐縮ですが、昨年11月に入籍しました。 お相手の方とはもともと一緒に住んでいたため生活に大きな変化はなく、独身時代と同じ毎日が地続きになっているだけでした。 結婚を報告した友人から、お祝いの言葉も早々にこんな質問をされました。 「プロポーズの言葉は?」 この問いかけによってはじめて気づいたことがあります。 プロポーズ、されてないわ そういえば、はっきりとしたプロポーズってされていない。 例の件で「婚約者」と認定してもらえたものの、その後はっきりと結婚を申し込

ワニくんが死んで、1週間後に想うこと

ワニは死んだ。ワニは死んだままだ。そして我々がワニを殺したのだ——。 ワニくんを失った1週間前、なんとも名状しがたい傷心を抱えながら中央線に揺られていたら、突如かの有名なニーチェの言葉が降ってきた。「神」を「ワニ」に変えて。 ※「100日後に死ぬワニ」とは…… クリエイターのきくちゆうき氏がInstagram,Twitterにて公開した漫画。内容としてはワニとその仲間のごく平凡な日常の些事について、毎日4コマで表現される。連載開始から100日で死ぬということは1作目から予