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味わいたい

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コーヒーの淹れ方、好きなアイス、おいしそうな料理のはなし
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2020年5月の記事一覧

スーパーの食材でオシャレっぽい酒をつくる

一人暮らしをはじめた若者が、なんとなくイケてる趣味を作ろうとして手を出すものの一つに「カクテル」がある。 (なんか、友達とか家に呼んだときに、出せたらいいかなあって) そしてAmazonでカクテルレシピ集的な本を探し、ハンズで器具を買い集めはじめる。こういった若者はだいたい形から入る。 わたしがそんな若者だったときに買った本だ。 ロマンチックな名前、オアシスに棲む鳥のように美しい色彩、ミステリーを呼ぶエピソード。 まるで読めるディズニーランドだった。 アンビリーバブ

終電発車15分前

子どもの頃、体調を崩して学校を休んだ日の唯一の楽しみは、父が買ってきてくれる舟形に乗っかって緑の紙に雑に包まれた『たこ焼き』だった。 きっと駅前の屋台で焼き上がるのを待って買ってきてくれたのだろう。『たこ焼き』は家に着いてもまだ十分に温かくて、少し湿った包み紙からは裏切りのないソースの匂いが早く開放して欲しいと窮屈そうに主張していた。 思えば、この『たこ焼き』が目的で必死に熱を下げようとしていた気がする。 薬を飲んでは布団の中に転がり込むものの、薬が効いている間は退屈で

世界一周で食べたアイスをとにかく紹介するよ

とにかくアイスが好きで、世界一周していたときはだいたい1カ国で1アイスはたべていました(たまにちがうスイーツもたべていたけれど)。 ということでとにかく食べたアイスを、まわった順番に紹介します。たまに世界一周以外で行った国のアイスもあります。 メキシコ・グアナファトで食べたアイス。レモンクリームとキャラメルクリームみたいな味のダブル。おいしかった。 メキシコ・テオティワカン遺跡の中で食べたアイス。マンゴー味だったかな。 メキシコの白い街タスコで食べたアイス。ストロベリ

【詩を食べる】木蔭が人の心を帰らせる(谷川俊太郎)/新じゃがのヴィシソワーズ

溢れる光の季節に5月。新緑の季節。 樹々が圧倒的な生命力を見せだす初夏。 あまりに溢れる光のなかで、なぜか、 しんと黙っていたいような気持ちにもなる。 そんなとき、谷川俊太郎さんの『62のソネット』を取り出す。 木蔭が人の心を帰らせる 今日を抱くつつましさで ただここへ 人の佇むところへと 空を読み 雲を歌い 祈るばかりに喜びを呟く時 私の忘れ 私の限りなく憶えているものを 陽もみつめ 樹もみつめる           「1 木蔭」より一部抜粋 デビュー作『二十億

東京都で食べておきたい中東料理フムス(ホンモス)を知るための10皿

フムスを初めて知ったのは、ニューヨークに留学してすぐのこと。大学の寮のルームメイトとディズニー映画「アラジン」を酒を飲みながら見ていた時のことでした。その映画の中で初めてフムスという言葉と出会ったのです。 これは、米国で使われる「目を覚まして現実を見ろ!」という意味の慣用句「wake up and smell the coffee」のコーヒーをフムスに変えて面白く言い換えているジョークです。つまり、アラジンの舞台である中東の代表的料理が「フムス」であることを米国人が知ってい