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マンガの紹介・感想を自由に書いていく(その5)

この記事では、好きなようにマンガを紹介したりその感想を書いていきます。
作品の新旧に関わらず、その時紹介したいものを紹介します。

今回は3作品を紹介します。


偏愛ハートビート / 飯野俊祐(既巻2冊)

◆どのような作品か

幼少期の転落事故で得た"生の実感"の記憶から刺激を追い求めていた高校生・河辻悠は、依存体質の少女・戸叶希咲と出会う。偶然を装い過剰にアプローチし、教えていない個人情報も当然のごとく把握してくる希咲はまさに"異常な存在"だったが、彼女に対してスリルの可能性を感じた悠は希咲の感情を受け入れる決断をする。

◆ポイント

あらすじを見ると"いかにもなサイコホラー"という印象を受けると思いますが、実態としては非常にハイセンスなギャグ漫画です。ヒロインの希咲はストーキング行為を平然と行うものの、ギャグ漫画の原則に則って(?)都度適切なツッコミが入れられています。

登場人物の関係性はシンプルで、各キャラクターの役割がはっきりしているのも特徴と言えます。異常性のあるヒロインの希咲、その希咲の異常性に期待を寄せる主人公の悠、2人の世話を焼く苦労人の福村、2人の親密な関係に嫉妬し希咲を敵対視する沖など、メインの2人を中心にした歪な人間関係が形作られています。

また、どうやら作者が定期的に変な小ネタを入れないと気が済まない性分の方らしく、話の本筋と関係のないクラスメイトの会話にシュールギャグを仕込んでくることがやたら多いです。この本筋と関係のないギャグもだいたい言うキャラが決まっています。

少年メイド / 乙橘(全10冊)

◆どのような作品か

母親が他界し孤独の身となった小学生の小宮千尋は、叔父の鷹取円と出会い、鷹取家の子にならないかと誘いを受ける。しかし、円は豪邸に一人で暮らしておきながら家事が全くできない大人で、屋敷の中は散らかりきっていた。

円からの誘いに戸惑う千尋だったが、屋敷の惨状にしびれを切らし一心不乱に掃除を始める。その姿を見た円は、千尋へある「ギブアンドテイク」を提案する。

◆ポイント

しっかり者だけどその境遇から不安を抱えていた少年が、新しい生活の中で様々な出会いをして健やかに成長していくヒューマンドラマです。

タイトルは少しびっくりしてしまうかもしれませんが、家族のささやかな思いやりや絆を丁寧に、かつとても温かに描いた最高のハートフルコメディです。

どく・どく・もり・もり / 背川昇(既巻1冊)

◆どのような作品か

深い森の中を舞台に、キノコの妖精たちの世界を描いた作品。

主人公は、食用キノコの村で暮らしていた幼いキノコ。毒キノコのツキヨタケによって両親のタマゴタケや村の仲間を皆殺しにされた主人公は、ツキヨタケに対して強い恨みを抱き復讐を誓う

◆ポイント

キノコという食材としても有毒生物としても身近な存在を題材にしたメルヘンチックな世界観が特徴で、いわゆる"可愛いキャラでグロい展開"系の作品です。

絵柄やキャラクターの造形が個人的にドストライクで気に入っています。また、キャラクターの外見だけでなく生態、文化、宿命など世界観の全てが、"(毒)キノコ"という概念を極限まで突き詰めたものとなっています。

また前述のとおり話の内容はハードでグロテスクな描写も多いのですが、この手の作品としてみてもかなり高いクオリティの狂気を有しているのではないかと感じます。グロやヘビーな内容が苦手な方は要注意です。

締め

今回は以上の3作品を紹介させていただきました。みなさんのマンガ選びの参考になれば幸いです。

マンガ紹介の記事は以下のマガジンにまとめられています。
よかったら是非他の記事もご覧いただければと思います。


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