演劇ユニットFOXWORKS「舘山寺殺人事件」観劇感想

観劇感想を書く。
そんな時必ず注意事項として書いているが、あくまでも個人的な感想なので、鵜呑みにしすぎないでほしい。
それと、俺はシビアに見る方だと思うし、表面的な部分を楽しみたいわけでもないし、考察を楽しむタイプでも無く、表現を観にいくタイプなので、褒めることが少ないという前提で見始めると良いです。
特に知り合いには辛辣です笑

総合的な感想

まず率直に点数で表現すると、観客としての純粋な感想は「50点」と言う所です。
しかし、「静岡演劇」と言う枠で捉えれば80点以上かなと思います。
要するに観て損は無かった。見応えはありました。
でも、基本的にお金と時間を使っているので「プロ」として考えると点数が低くなると思っていただければですね。
普通に良かったと思います。僕が普通の観客だったら絶賛してもおかしくない出来の静岡演劇だったと思います。
パワフルで俳優さんも思い切り演じていて、構成も悪くなかった。
では次からは良かった点を少しずつ書いていきます。

良かった点

○脚本
まず、これが良かったですね。そもそも原作がつかこうへい氏の「熱海殺人事件」なので、ダメってことはないでしょう。リスペクトも感じられる作りになっていたし、台詞回しも原作の雰囲気を無駄にしていなかったので、俳優さんが演じやすかったのかなと客席で感じました。
「さすがつかこうへい」と改めて感じましたね。常々いい脚本は俳優を育てると言っているので、それを体現してくれた作品でした。

○演技
演技に関しては色々とあるのですが、いい所としては俳優が思い切りやれていたところですかね。まあ、つかこうへい氏の作品って思い切りやるのがベースみたいなところもあると思うので、そこは助けられていたのかなとは思いますが、それでも俳優が全力で頑張っている姿は見ていて好感が持てます。
特に女の子役の女の子(ごめん手元にパンフがないから名前が分からない)の演技は個人的に好きでした。表情も豊かで楽しそうだったのが印象に残っています。
石巻くんは表情の情報量が多くて、前半はずっと顔見てしまいましたね。舞台で映える顔だなぁと思いました。
それから、一番印象に残ったのは日和。まあ出番が最後の役ってそれだけで評価しやすいんですけど、それでもそこまで作ったリズムをしっかりと変調させ、自分の時間を作っていたのは素晴らしかったと思いました。
先が読めない役者が好きなので、そこに当てはまっていて個人的には一番良かったなと思います。

○シンプル
物語、演技も非常にシンプル。そしてそれに合わせたように美術もシンプル。
これが良かった。下手に飾り立てて、見た目だけで誤魔化そうとしないで、構成と俳優の力を信じて舞台に観客を集中させる。
このシンプルさが最近の静岡ではあまり観られないので良かったですね。
迫力さえあれば、素舞台でも面白いと感じさせてくれる。演劇の醍醐味を味わうことができました。

以下、個人的改善点

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