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みちのく汐風トレイル(その4)

午前8:00。今日は遅めの朝食です。今朝は久しぶりに大根おろしとシラスを沢山いただきました。体が欲している気がしたのです。シラスは東北を旅してあまりお目にかかったことはないですね。寒流のせいでしょうか。
本日は午後2時50分盛岡駅発の「はやて」を予約してあります。葛巻牧場の濃厚なミルクとステーキも魅力的ですが、今回は南回りの浄土ヶ浜経由で帰ることにします。あの大震災を経て当時の面影は残っているのでしょうか。
空は薄曇りですが湿度が高くて非常に蒸し暑い朝です。友人の車は電気自動車です。山路に差し掛かりましたがなかなか冷房が入りません。彼の弁によれば、「バッテリーの性能に限界があって、エアコンを入れるとみるみると電力を消耗するので、高速道路に出るまでは自然換気でお願い」とのこと。何事につけ難しいものです。

三陸道を独占走行して約二時間、名勝浄土ヶ浜に降り立ちました。この波穏やかな白い入江は約5,200万年前の火山岩と白い小石で形成されました。そして天保年間のころ、宮古山常安寺の霊鏡和尚が、「さながら極楽浄土のごとし」と感嘆したことから浄土ヶ浜と名付けられたと言われています。聞くところによれば、大地震によって浜辺が隆起してガレ場が拡大し、加えて押し寄せた津波によってこの岩を彩る赤松にも大きな被害が出たとのことです。その後いくつかの撮影スポットで写真を撮影します。写真ではよくわからないのですが、浄土ヶ浜は薄い平らな流紋岩によって形成されています。再び駐車場に戻って、次の目的地の宮古魚市場に向けて出発します。


宮古市場でひときわ目を引いたのが紅くきらめく紅鮭の美しい肌。その赤い切り身が私を買って、私を買ってと誘惑します。一方、思わず手を伸ばしそうになった私を、実存的な私が現実に引き戻します。半身で5,000円、クール宅急便で送ると7,000円。いいのか…と。あえなく挫折して、今回はぴょんぴょん社の冷麺で勘弁してもらうことにします。

盛岡駅のドトールで軽い食事を摂り、2:50発の「はやぶさ」に乗車し「東京駅」に到着。こうしてトレッキングが無事終了したのでありました。


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