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【昨今のCPU故障事案について追記】Intel 13Gen 14Gen SVID及びLLCチューニングによる低電圧化&CPU早期劣化の防止

はじめに

この記事はあくまで備忘録です
乱文乱筆ご容赦ください
執筆時の環境にて検証しています
なお、設定値は個体差により異なるため、そのまま使用することはやめてください
全て自己責任となります

追記
昨今話題のVRAMエラーやBSOD,システムハングにおいて

ASUSはIntelリファレンス+フェールセーフ設定を適用するプロファイルを公開していますが、
これの適用は「問題が発生していなければ」+「LoadLineによる低電圧化を実施している場合」推奨しません
※問題が発生 = 既にCPU破損 と考えられる

理由として、ASUSのアプローチでは根本的な解決にはなっておらず
そもそも、低電圧化・低温化を実施し温度と電圧にヘッドルームがある状態にすれば、損傷は起こり得ないと推測されるからです

なお、ASUSのアプローチとしては

・電流リミット・PLリミット・コア倍率・LoadLineなどを全て定格やそれ未満に制限
→温度に対するヘッドルームを作成

・SVID BehaviorをIntel Fail Safeに設定
→空いたヘッドルームを高電圧化に使いCPUにカツ入れ

・IA_CEP GT_CEPなど有効
→要求電圧に対して供給電圧が不足した際(LoadLineCaribration不足時)に、パフォーマンスを低下させシステム安定性を優先する

といった設定を行っており
壊れたCPUでもまともに動かそうという思惑でリリースしたことを察することができます


必要なもの

・Cinebench R23
・y-cruncher
※それぞれBenchmate使用でもOK
・HWINFO64
・時間
・やる気

環境

・Intel Core i7 13700k + PRIME Z790-A WIFI-CSM (BIOS 1641)
・Intel Core i7 14700k + TUF GAMING B760-PLUS WIFI D4 (BIOS 1641)

Intelリファレンスで電圧が高い理由

SVIDマップとLoad-Line Calibrationそれぞれの設定値が起因している
なお、マニュアルオフセットやV/Fカーブによる低電圧化は y-cruncherが通らないことが多いため使用しない

・SVIDマップ(V/Fマップ)


Intel がM/Bメーカに提供する数種類のV/Fカーブマップのうち、原則Autoの場合は、Worst Scenario (通常時もっとも悪い条件で安定動作するマップ)となっている
※SVID Behavior項目
※変更不可能なB系M/Bでは強制的にWorst Scenarioになっていると推定
※一部不安定なシステムではIntel Fail Safe (=フェールセーフ用、最大の電圧がかかるマップ)の使用をする場合が存在する


https://www.epicgames.com/help/ja/c-Category_Fortnite/c-Fortnite_TechnicalSupport/i9-13900k-kf-ksi9-14900k-kf-ks-a000086852


・Load-Line Calibration設定値


LoadLine Calibration が Intel リファレンスだと
・AC/DC Load-Line 1.1
が指定されており、各社M/B Autoだと原則これが使用される
この補正値だとLoadLine Calibrationによって、安定性確保を名目に全コア高負荷時の電力をかなり増加させる
ただし、最適化機能 (ASUS MCE,APE や MSI Lite-Load など)有効時はこの限りではない
※MCE (MultiCore Enhancement)
※APE (ASUS Perfomance Enhancement)

なお、B系M/Bでは以前まで IA-CEP を無効にできなかった都合、
初期Microcodeを使用しない限り低電圧化が不可能だった
そのため、B系M/Bでは最適化機能を使用したとしても、Load-Lineは1.1に近い値が使用される
※IA_CEP … CPU高負荷時に要求電圧より供給電圧が低い場合に処理を制限する保護機能

IA_CEPについて

https://jp.msi.com/blog/lowering-cpu-voltage-and-temperature-without-compromising-performance-disabling-cep-on-intel-14th-gen-non-k-CPUs

対処法

※最適化機能 (ASUS MCE,APE や MSI Lite-Load など) 及び IA_CEP は無効にすること

・SVID マップを変更してみる (Z系M/B限定)


・UEFI内 SVID Behavior 項目において、Best Scenario・Typical Scenario を試す
CBR23 ⇒ y-cruncher の順で実行
落ちた場合は諦めてSVID Behaviorを変更していく

・CBR23・y-cruncher ともに完走した場合
Turbo Boost をオフにする
※OSの電力管理からCPUの最大クロックを99%に設定する
再び、CBR23 ⇒ y-cruncher の順で実行

この2つの条件を満たせば基本的に安定動作すると思われるが、
アイドル時に電圧不足で不安定になる場合もある

もし、Worstでしか安定しなかった場合は、Worstのままにして次に進む

・Load-Line Calibration のチューニング

・Load-Line Calibration Level変更
Load-Line Calibration Level をAC/DC共に1.1に近いものを選択する
HWINFO64のCPU詳細表示より確認可能
例) 今回のM/Bでは両方 Level 4

・DC Load-Line を 1.1から変更し、Core VID と VCore が一致する補正係数を探す
例) TUF B760 ⇒ 1.08
例) PRIME Z790 ⇒ 1.02

・ AC Load-Line を以下に設定する (最適化機能有効時のデフォルト値)
TUF GAMING Z790-PLUS WIFI D4 ⇒ 0.9
PRIME Z790-A WIFI-CSM ⇒ 0.6
設定後、現状で CBR23, y-cruncher が完走することを確認

・数値を 0.1 刻みで下げていく
CBR23 ⇒ y-cruncher の順で実行
落ちた場合は0.1上げる

・CBR23・y-cruncher ともに完走した場合
Turbo Boost をオフにする
※OSの電力管理からCPUの最大クロックを99%に設定する
再び、CBR23 ⇒ y-cruncher の順で実行

この2つの条件を満たせば基本的に安定動作すると思われるが、
アイドル時に電圧不足で不安定になる場合もある
その場合、VRM詳細設定よりVRMスイッチング周波数などを高速化し、過渡領域の応答性を向上させることで回避できる事が多い

※NGの場合→AC LoadLineを0.1刻みで上げていく

結果 (参考情報)


・Intel Core i7 13700k + PRIME Z790-A WIFI-CSM
AC_LL 0.2
高負荷時 1.2V 後半
アイドル 0.7V 台
温度 約18度低下

・Intel Core i7 14700k + TUF GAMING Z790-PLUS WIFI D4
検証中

参考URL






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