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問題解決する方法ではなく、「正しい」問題設定に時間をかける

ビジネススキルのひとつに、「問題解決」があります。

いかに論理的かつ効率よく、問題解決の道筋をつけるか。

社員必須のスキルとして、教育研修カリキュラムに含めている企業も少なくありません。

ただ、混同しやすいのですが、問題解決のスキルの本質は「解決方法を見つけること」ではなく「正しく問題を設定すること」です。

学校教育では「いかに問題を解くか」に注力してきましたから、その延長線上で解決方法を見つけることと理解している人も少なくありません。

「問題解決」スキルは、ロジカルな解き方を身につければいい?

ドラッガーは、著書『マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則』でこう言っています。

間違った問題に対する正しい答えほど、実りがないだけでなく害を与えるものはない

『マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則』

問題の捉え方を間違えたままで解決に向かおうとすると、その解決方法を実施しても当然問題は解決されません。

すると今度は、「やり方が足りないんだ」あるいは「やり方が違うんだ」と時間や労力などの経営リソースをつぎ込もうとします。

正しい解き方をしているのに、どんどん間違った方へ進むことに。
とは言え、問題を正しく捉えるのは容易ではありません

「仮説思考」でそもそもの問題設定を疑う

「問題」は「あるべき姿」と「現状」の相対的位置で決まる

では、どうすれば良いか?

「仮説思考」の登場です。

最初に設定した「問題」も「解決方法」も仮説であると捉えます。

思うような結果が出ない場合は、「解決方法が違っているのでは?」と問いかけると同時に、「そもそもの問題が違っているのかも」と疑いの目を向けるのです。

そうすることで、問題を多面的に捉えなおそうというきっかけが生まれます。

あとはこれを繰り返しながら、徐々に正しい方向へと進むだけ。

一見無駄足に見えますが、「間違った問題に対する正しい答え」のまま進むよりははるかに効率的です。

どちらが成果にたどり着けるかも言うまでもありません。

まとめ

「問題解決」スキルの本質は、いかに解決するかの前に「いかに問題を正しく捉えるか」。

そして、それを可能とするスキルとして「仮説思考」もセットで身につける。

その2つが両輪となって、「正しい問題」に対する「正しい解決方法」へと向かえるようになります。

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