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特集「最高のアルバムを1枚選ぶとしたら・・・」【Music-Con-Text】vol.4

「Music-Con-Text」コンセプト

「Music-Con-Text(以下MCT)」は、音楽家(音楽を作る人・歌う人)が作る新しい音楽メディアです。素敵な音楽はたくさんあるけど埋もれてしいがちな昨今、バズっているバズってない、古い新しいに関わらず、音楽家がいいなと思った音楽を紹介する音楽メディアを目指しています。毎週月曜日夜21時更新予定。noteマガジン「Music-Con-Text」をフォローしてお待ちください。

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特集「最高のアルバムを1枚選ぶとしたら・・・!」

"アルバム"という単位で音楽を聴くというスタイルは昔ほど減ったとは思いますが、アルバム単位でしか得られない音楽の魅力があるのもまた事実!ぜひたまには、アルバム単位でゆっくり音楽に浸る時間を作ってみるというのはいかがでしょうか?!というわけで、最高のアルバムを1枚選ぶとしたら・・・特集!どうぞっ!!(sumeshiii)

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✏︎Hibiki Bison の最高の1枚のアルバム

『What's Going On』Marvin Gaye

私が今回選んだアルバムはマーヴィン・ゲイの“What’s Going On”です。2022年、ロシアがウクライナに侵攻し、今もミサイルが飛び交い大切な命が奪われています。私たちに何ができるか、事実をしっかりと見つめて考えることは大切なことだと感じています。

“What’s Going On”は、一定のテーマに沿った楽曲で構成されているコンセプト・アルバムです。1970年、マーヴィンはベトナム戦争に従軍していた弟のフランキーから、戦争の悲惨さ、残虐さを聞きショックを受けたといいます。モータウン社長のベリー・ゴーディー・ジュニアの反対を受けつつ先行シングルがリリースされた後、1971年にリリースされたこのアルバムでは戦争への抗議や貧困の悲惨さが歌われています。そして見事に大ヒット!!当時のモータウンにセルフプロデュースという今までになかった風を吹き込んだのも重要な出来事です。

アルバムを聴いていただくとお分かりになるかと思うのですが、曲間の繋ぎ方が非常に巧みであり、また雰囲気や曲調が統一されています。これによりアルバム全体の一体感が高く感じられ、まるでアルバム全体が一つの曲かのようなイメージを感じます。しかし決して退屈になることはありません。デヴィッド・ヴァン・デ・ピットのストリングスアレンジとファンク・ブラザーズの演奏によるゴージャスなサウンド、ジェームス・ジェマーソンとボブ・バビットによる最高のベースライン、全ての音が渾然一体となって体がとろけていくようです。アルバムの後半に向けてどんどん高揚していくサウンド、そしてWholy Holyで天に登るような感覚を覚え、Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)ではオープニングのフレーズが戻ってきてハッとさせられます、アルバム全体通して聴くことの魅力が非常に高いと感じます。何せマーヴィンの歌が凄すぎる、過去の歌とまた違った印象で表現の幅が広すぎてびっくりします。反戦、貧困という非常に重要なテーマを、美しくグルーヴィなサウンドに乗せて、甘くメロウな歌声で歌い上げる革命的なアルバムだと私は思います。ぜひアルバム通して聴いていただきたい…!!

そしてマーヴィン・ゲイの他のアルバムも是非聴いてみていただきたいです、また違う印象を受けるかもしれませんが、文字通り魂(ソウル)のこもった音楽です。


▼Hibiki Bison の楽曲紹介

りんりんとあそぼう/りんりん
Vtuberのりんりんさんのオリジナル楽曲で、作曲と一部作詞で関わらせていただきました。素敵な歌声と世界観で、ミュージック・ビデオもすごく好きです!

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✏︎tonaca の最高の1枚のアルバム

『as usual』泉まくら

好きな曲の多さという観点から、ラッパー泉まくらが2019年にリリースしたアルバム「as usual」を紹介します。ジャンルとしてはhiphopに分類されるアルバムですが、全体を通してラップよりもメロディー的な部分が多く、普段ラップをあまり聴かない方でも聴きやすいアルバムだと思います。

10曲中7曲のMVが作られているのもあって、どの曲を紹介するか迷いましたがその中から「思い出の昼下がり(Pro.by maeshima soshi)」を紹介します。

好きなポイントは色々ありますが、一番はビートです。派手な展開はないけれど、要所要所でのピアノやベースのフレーズが印象的で、ずっと聴いていられるような感じです。また、一曲通して大きく雰囲気が変わらないまま各パートの楽器が途中でいなくなったり戻ってきたりしていて聴くたびに発見があります。28℃くらいの温度感が心地良い曲なのでぜひ聴いてみて下さい。

▼tonaca の楽曲紹介

サーマルテレポート feat.花隈千冬/tonaca
Synthesizer V 花隈千冬が歌唱している寒い季節の曲です。

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✏︎タカハシルイ の最高の1枚のアルバム

『U.U.F.O.』かめりあ

どうも激しい音楽をよく作るタカハシルイです。 『人生のアルバム』ということで僕の知っている中で何もかもがすごい激しいアルバムを紹介いたします。

かめりあさんのU.U.F.O.、ほーーーんと激しいです。こちらのアルバム27曲入っているのですが、当たり前のようにどの曲聴いてももれなく激しいです。 しれっと、涙腺刺激しまくる最高のRPGゲーム『Undertale』の作者様『Toby Fox』さんとの共作『Myths You Forgot』も収録されてるのも Undertale大好きマンとしては本当に声出すくらい嬉しかったアルバムです。

楽曲を聴くとやっぱり、「感じる・・・なんか・・・やっぱり・・・どこかしらにUndertaleを感じるぞぉおおお!」と誰でもなると思います。 感動なしでは聴けない1曲、是非再生ボタンを押してみてください。

Myths You Forgot (feat. Toby Fox)

またこのアルバムの中で僕が特に紹介したい曲はコチラ『WYSI(When Yout See It)』です。とにかく激しいです。知ってる『激しい』のジャンルが、音が、楽器がこれでもかというくらい詰め込まれた 作品です。BPMはこちらのリンク先のタイトルにも記載されている通り驚異の727。 聞いたことない数字です。いつ聴いてもただただテンションの上がる一曲。 どっから聴いても勉強になるなぁ、としみじみ思いながらこの曲を楽しませてもらってます。

WYSI(When You See It)

▼タカハシルイ の楽曲紹介

タナトス -LOUIEMIX- (Speedcore Remix / タカハシルイ)
音楽家、廻転楕円体さんからお誘い頂き、廻転楕円体さんの楽曲『タナトス』のRemixをさせて頂きました。 自分の好みを詰めに詰め込んでみました。宜しくお願い致します。

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✏︎かにず の最高の1枚のアルバム

『Off The Wall』Michael Jackson

僕がブラックミュージックに初めて出会ったアルバムが、マイケルジャクソン『Off The Wall』です!マイケルジャクソンの有名アルバムといえば、史上最も売れたアルバムと言われる『スリラー』や、大泉洋さんのモノマネで有名な「Man In The Mirror」が入っている『BAD』など他にもありますが、最高の1枚を選ぶなら、この『Off The Wall』を選びたい!

それまでロックバンドばかり聴いていた自分にとって、洗練されつつアナログ感もあるサウンドと、アルバム全編に渡る畳み掛けるような16ビートが衝撃的に気持ちよかった・・・!1曲1曲のクオリティはもちろんのこと、アルバムを通して聴いた時のリズムに陶酔できるあの感じ、気持ちよさを、このアルバムに教えてもらったと思います。

ブラックミュージックを普段あまり聴かないよという方がいらっしゃったら、ぜひアルバムを頭から流して、このアルバム全体のリズムに身を委ねてみてもらえたらとおもいます!アルバムの開幕を飾るこの曲を貼っておきます!

Don’t Stop 'Til You Get Enough/Michael Jackson

▼かにず の楽曲紹介

もうすぐマジックアワー/かにず feat.初音ミク
8月のボカコレ夏2023で公開した初めて作った初音ミクの曲です!次は11月の無色透明祭というニコニコ動画の投稿祭に参加予定!これからもオリジナル曲作っていきます!

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✏︎Fra の最高の1枚のアルバム

どうも、Fraです。

いきなりですが、みなさんはHIPHOPを聞きますか? 僕は中学2年生でHIPHOPに出会ってから、みんなより少しお兄さんな今の年齢になるまで、ずっとHIPHOPが好きでHIPHOPを聞いています。今回のテーマは「人生のアルバム」ということで、若き日のおフラが自身の人生を決めるきっかけとなったHIPHOPアルバムについてお話します。

00年代初頭。 あの頃おフラはオーバーサイズなベースボールシャツ・腰履きのバギーパンツ・NYのNEWERAをあわせた「B系ど真ん中」のキッズでした。聞くのは当然HIPHOP。だけどギャングスタ系も、メジャーで売れてるポップなのも、どっちを聞いてもなんだかしっくり来ていない自分がいることに気づいてました。 (当時は「英語がよくわかんねえ」という理由で本場モノはそこまで聞いてませんでした)

そんな時期に出会ったのが今回ご紹介する「グレイゾーン / RHYMESTER」でした。

『グレイゾーン』RHYMESTER

RHYMESTERは基礎教養としていくつかの名曲を覚えてるくらい。それ以外の曲ではおちゃらけたことを歌っている人たちって印象でした。その印象を大きく覆したのが本作に収録されており、シングルカット曲でもある『Tr-05 ザ・グレート・アマチュアリズム』です。

ザ・グレート・アマチュアリズム/RHYMESTER


「♪偉大なるアマチュア ドシロウト 止まらない初期衝動」と結んだ頭サビからMummy-Dが「♪オレの名前はトーシロ よく聞きな道行くトーシロ つまり同士よ」とキックする。そう、この曲は「音楽的な教養のないミュージシャン=HIPHOPアーティスト」に対する讃歌なんです。

不良が不良であることを歌い、メジャーでは季節や恋愛を歌うその隙間で、マインドと手法について歌ってる人がいるなんて! 若き日のおフラはこれに強く感動しました。 (実はこの曲のメッセージはBOOGEY VOXXのD.I.Y.という楽曲に引き継がれているんですが、それはまた別の話。)

これだけでなく、本アルバムには積み重ねた思考を丁寧に言語化し、リスナーに掲示する楽曲ばかりが並んでいました。 不良でも華やかでもない、一見してただのおじさんたちが丁寧に紡いだHIPHOP。あの日のヤングおフラは「こういうものもあるんだ」と思い、それが「こういうものを作りたい」に変わるのに、そう時間はかかりませんでした。

今でも悩んだときには通して聞き返しています。 日本におけるHIPHOPを開拓し啓蒙するRHYMESTERの意欲作、ぜひ聞いてみてください。

▼Fra の楽曲紹介

現在、目下活動休止中につき、自分が歌唱している楽曲以外をご紹介させていただきたいと思います。

Doggy Girls/REIRIE
2人組アイドルユニット「REIRIE」に作詞提供した楽曲です。

ぼくらが感じている自由って、自分よりも上位の存在に許された範囲で何かをすることを指すんじゃないかなって思うことがあります。 ドッグランで走ってる犬は家よりも広いところに出れて自由を感じてるかもしれないけど、すぐそこには柵がある。 それに気づかなければまっすぐ幸せでいれるけど、ちょっと気づいちゃった、そんな世代のことを作詞しました。


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✏︎sumeshiii a.k.a.バーチャルお寿司 の最高の1枚のアルバム

『家庭教師』岡村靖幸

こんなに濃密で、アイデアに富んでいて、個性的で、唯一無二なアルバムはあるだろうか!

収録されている有名曲のひとつに「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」があります。僕はずっとこの曲を単体で聴いていて、この曲のことはある程度わかっているつもりでいました。とても爽やかでキャッチーで青春を感じる、イントロのアコギがとっても気持ちいい曲です。でも、ある時アルバムの順番で聴いた時、この曲のことを半分もわかってなかったんだな、と気づきました。

アルバムの曲順一曲前の「家庭教師」という曲は、とてもディープで、濃厚な曲で、キャッチーと真反対の曲です。曲の後半、ファンクなビートに乗せて岡村ちゃんがエロティックなセリフを言うアウトロが続きます。これがまあめっちゃ濃厚なんです。岡村ちゃんにしか言えないエロいセリフとファンクネス。そして、それが終わりを迎えた瞬間、一瞬の間ののち、「あの娘ぼくが〜」のあのイントロのアコギが鳴り響く!その解放感!!

「家庭教師」のあの濃厚さがあるからこそ、「あの娘ぼくが〜」のイントロのアコギの爽やかさがあるんですよね。きっと岡村ちゃんにとっては、「家庭教師」の濃密なエロティシズムと、「あの娘ぼくが〜」の青春のきらめきは表裏で同じものなのかもしれない。そう思ったら、もう何度も聴いていた「あの娘ぼくが〜」がもっと身近に感じられました。

近年アルバムで音楽を聴く文化は廃れてきているかもしれないけど、バイラルヒットする音楽だけがいい音楽じゃないと思っていて、立ち止まって何度も聴くことで初めて感動する音楽もある。そんな音楽とアルバムの中から出会えたらいいな、と今も思っています。

あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう/岡村靖幸

▼sumeshiii の楽曲紹介

回転寿司屋のランデヴー/sumeshiii a.k.a.バーチャルお寿司
sumeshiiiのファーストオリジナル曲です!岡村ちゃんみをめっちゃ意識した曲になってます。

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編集長 sumeshiiiのコラム

「歴代最高のアルバム」論争

アルバムを1枚のトータル作品として発表し、有名にしたのはビートルズの『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』と言われています。(諸説あり、それ以前にもトータルコンセプトの作品はちょこちょこあったり)

アルバム全体のコンセプトや統一性、アートワークに至るまで、トータルで作品を表現できるようになり、より60年代という時代もあいまって、音楽性の高い作品がたくさん生まれました。ビーチボーイズ『Pet Sounds』とかもよくアルバムランキングとかで上位で紹介されます。僕も大好きなアルバム!

音楽雑誌では定期的に「歴代最高のアルバム」特集が公開されていて、その時勢に合わせて選ばれる作品の傾向が変わったりして面白いです。昔はビートルズ「Sgt〜」はめっちゃ上位だったけど、2020年版では入ってないですね!1位はHibiki Bisonさんが投稿してくれたマーヴィンゲイの『Whats going on』ですね!

sumeshiii的に、日本のアルバムで大好きなものをあげるとすると・・・

『はらいそ』細野晴臣

アメリカ西海岸的なサウンドとトロピカル、仏教的なモチーフから、沖縄民謡まで。日本で、しかも細野さんにしか作れないようなオリジナリティと個性がアルバムをトータルで包んでいる傑作だと思います!YMO期の派手な曲とかはないけど、ずっと聴いていたいアルバムです。

今回の企画を通して、アルバムで聴く、っていうスタイル大好きだなって改めて思いました!sumeshiiiとしてちゃんとしたアルバムを出してないので、いつか作りたいな!

それでは今回はこのへんで!

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参加したい音楽家の方、募集!

参加者募集

音楽家(楽曲制作をする人、作詞をする人、エンジニア、そして、歌う人)で、この企画に興味ある、参加してみたい、という方はぜひsumeshiiiのX(Twitter)や、Discord知ってる方はDiscordまで、ご連絡ください!運営Discordサーバーを制作しましたのでご招待します。

まずは1曲、特集内容にそった自分のおすすめ曲をコメントしてみるというだけでも大丈夫ですので、ぜひ参加してみてください!やってみて合わなかったら読む専に徹底しても大丈夫ですし、抜けても大丈夫です!音楽の紹介コメントって結構楽しいし、それを各自ばらばらにあるよりかはコンセプトの元にまとまってたほうがより効果があると思うのですよね・・!そんな意図もMCTにはあります。

今後の展望

今回特集記事で書いたような、楽曲紹介コメントを書いてくれるメンバーを募集して、記事を定期的に出していけるようにできたらいいな、と思っています。

そして、現在はsumeshiiiのnoteに投稿していますが、MCTに参加してくれるメンバーが増えれば、その中からご自身が編集長として各自で特集を組んでご自身のnoteで公開するという方がどんどん出てきたらいいなと思っています。(なのでnoteのマガジン機能を使います!)そうすることで、ご自身の音楽と記事を紐付けることができ、記事の閲覧者が増えるほど自身を宣伝する機会が増えていくことになると思っています。それがMCTの最大の狙いです。

さらには、ライブ配信と連動してみたり、Spotifyのプレイリストやポッドキャストの連動もしてみたいし、さらにその先はコンピレーションを作ったりなど、より広がりがある展開ができると考えています。最初は音楽家限定にしていますが、そのうち、ライターの方のコーナーやリスナーが参加する企画などもできたらいいなとも思っています。

バックナンバー

Music-Con-Textの詳しいコンセプトや、sumeshiiiが立ち上げた理由、理念などはこちらの記事に書いてありますので、合わせて読んでみてください!

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