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間の抜けた自縛状態

先日、神社の境内でしばらく時間を過ごしたことがあった。
なぜといわれると説明に窮するが、まぁそんなことがあった。

神社に生い茂った樹木を見ていると、手入れがされていないのか、たいていの樹木がカズラに激しく巻きつかれている。
締めあげるように巻きつかれた樹木は成長を阻害されるだろう。
とはいえカズラも「より楽に、より高く」をモットーに人の褌で相撲を取るのが仕事なので、非難するわけにはいかない。

しょうがないよなと思ってさらによく見ていくと、同じ枝から分かれたツル同士がねじったかのようにお互い絡み合い、自分たちの重みでダランと垂れているものがあった。
そういう行き場のないツルがやたら多く、それもふつうのことと知る。

しかし、これでは自分以上には高く伸びることができない。
ちゃっかり者のカズラはもっとずる賢いものと思っていたから、間の抜けた自縛状態を見てどことなくホッとした。

世の中、案外そういうところでバランス取っているのかもしれない。

(2014/6/27記)

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