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ミラボー橋

白木蓮劇場
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20代の頃、大好きだった画家マリーローランサン。
今年は、日本各地で展覧会が開かれています。


ラブリーなのに個性的で、彼女が描く女性像は私の憧れでした。


19世紀初頭「ベル エポック」と呼ばれるパリが一番華やかだった時代。


マリーは駆け出しの画家でした。


ピカソの紹介で、詩人のアポリネールと出会い、二人は瞬く間に恋に堕ちます。


マリーは、アポリネールに愛とインスピレーションを与える「ミューズ」となり、彼は彼女を「小さな太陽」と呼んでいたそうです。


又、美術評論家でもあったアポリネールも、彼女を引きたて成功へと導きます。


しかし、マリーと恋人になる以前、アポリネールは失恋を繰り返し、
それ故に、「ミューズ」でもあったマリーへの執着が強くなり、彼女の心は次第に離れて行きます。


そんな時に、アポリネールがモナリザの盗難疑惑をかけられ、それがきっかけとなりマリーは完全に別れを告げます。



その後、マリーはドイツ人貴族と
結婚しますが、戦争が始まりスペインに逃れます。
しかし、戦争によって夫の心が荒み関係が破綻し、彼女はパリに戻ります。


以降は一流画家として大成し、彼女に肖像画を描いて貰うのが、当時のセレブ達の憧れだったそうです。


老いてからは、娘のような年頃の
女性と暮らしていましたが、アポリネールからの手紙を胸に抱き、天国に旅立ったのだそうです。


一方のアポリネールはマリーと別れた後、別の女性と結婚しますが、
30代で早逝します。



男女としての仲に終止符が打たれてからも、2人は手紙を交わしていたのだそうです。


人は失してみて初めて、本当に大切なものに気づくのでしょう。


時は一時も待ってくれず、
川の流れも同じように…
自分だけをそこに残し…






「ミラボー橋」は、アポリネールがマリーに会いに行く為に、毎日、渡っていた橋です。


その橋の上に立ち、アポリネールは、マリーを想いこの詩を書きました。

(堀口大學 訳)

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