白木蓮劇場

白木蓮劇場へようこそ✨ 私は文学、着物、シャンソンを愛する60’s です。 …

白木蓮劇場

白木蓮劇場へようこそ✨ 私は文学、着物、シャンソンを愛する60’s です。 エッセイを綴り、アカペラを唄い、 そして語る、私の世界を白木蓮劇場と名付けました。 中に入って一幕、ご覧になりませんか✨

最近の記事

ドラマティックな演出家 香りの誘惑

テレビから流れて来る梅雨明け宣言。 「やれやれ。  やっと、うっとおしさから解放されるわ」 縮毛気味の私の髪。 湿度が大敵で、若い頃から梅雨時が悩みの種です。 丹念にヘアアイロンをかけて髪をスタイリングしても、直ぐに湿度が髪を膨らませ、ヘアスタイルが爆発してしまいます。 鏡に映る自分の頭を見る度にウンザリし、憂鬱な日々が続いていました。 でもね、 梅雨時には、その大嫌いな湿度が味方になる楽しみがあるのです。 何だと思います? それはね。 お香を焚く事なんです。

    • ありがとうございました。

      前回の私の記事「ルージュと魔法」が、noteの2つのマガジンに追加して頂く事が出来ました。 そのお陰で大勢の方々が読んで下さり、「一週間で特に好きを集めてた記事」になったとの、嬉しい連絡が届きました。 読んで下さった皆様ありがとうございました。 大変励みになり、これからも白木蓮劇場らしく、人生の悲喜交々を書く事や歌う事に委ね表現してまいります。 どうぞ宜しくお付き合いくださいませ。

      • ルージュは魔法使い

        「貴女達に、女性としての身だしなみについて言っておきたい事があるのよ。 それはね、 口紅はどんな時でも欠かさずにつける事。 口紅をつけると、どんなに疲れている時でも元気に見えるからね。 私もそうしてるのよ」 1981年。 右を見ても左を見ても… 聖子ちゃんカットが一斉を風靡していた頃だった。 私は、故郷の女子短大保育科に通う2年生。 カソリック系のその学校には付属幼稚園があり、そこでの幼稚園実習が始まったのは、確か5月の初めだったと記憶している。 1日目がやっと終

        • 「あいつ」アカペラおとなの子守歌

          前回に続いて、ジャズミュージシャンの平岡精ニさんが書かれた曲「あいつ」を歌います。 昭和33年に旗照夫さんが歌われヒットしました。 私は昭和36年生まれですから、当時を知るよしもありませんが、この曲を私に教えてくれた知り合いの年配の男性は、その頃二十代の青春真っ盛り。 米寿を超えてもイケメンでダンディなその方の、恋の想い出話しや、 恋愛談義を伺うのが楽しみな私でした。 「あいつ、と言う曲を聴いてごらん。男心がわかるから」 と。 遠い目をして… 平岡精ニさんは、別れた彼女、ペギー葉山さんに伝えられない想いを、この曲に託したのだと言われているようです。 繊細な男の本音が語られた「あいつ」 是非聴いて下さいね。 (不定期ですが、レトロな歌謡曲やシャンソンなどを、夜遅い時間にアップする予定です。 おやすみ前に覗きに来て下さい)

        ドラマティックな演出家 香りの誘惑

          「爪」 アカペラおとなの子守歌 

          昭和34年にジャズミュージシャンの平岡精ニさんが、ペギー葉山さんの為に書かれヒットした曲「爪」。    青山学院大学の先輩と後輩のお二人のコンビ。後に大ヒットした「学生時代」が有名ですね。 お二人は恋人同士だったとか? ネット情報ですから定かではありませんが。 「爪」には、何となくそんなムードが漂いますが。 そうだったら素敵だなぁ。 爪を噛む癖がある彼。 癖には、不安な心模様が現れるもの。 ねぇ 何か隠しているの? 私の声は子守唄みたい。 聴いていると、自分でも眠りに落ちてしまいます。 おやすみ前にでも、目を閉じて聴いてみて下さいね。 夢の中に、昔の恋人が現れるかも…

          「爪」 アカペラおとなの子守歌 

          「爪」 アカペラおとなの子守歌 

          NO6. 卒業の香り(白木蓮の心花物語)

          卒業式を間近に控えた六年生の教室。 学び終え、いつも騒がしい教室が、いつの間にか厳かな部屋に変わっている。 ギシギシと鳴る木の床も、古びた窓枠も何も変わってはいないのに。 卒業と言う言葉が魔法をかけたの? 教壇に飾られた花が高らかに香る。 甘酸っぱい香りを吸い込むと、悲しくないのに泣きたくなったあの日。 沈丁花は卒業の香り。 道端に香る沈丁花。 12の私に出会う時。

          NO6. 卒業の香り(白木蓮の心花物語)

          時間よ止まれ 高階貴子のラブレター(中宮 定子の母)

          「たかしなのきし だ」 放映中の大河ドラマ「光る君へ」。 板谷由夏さん演じる、藤原道隆の正妻、高階貴子(たかしなのきし)が登場すると、何となく親近感を感じる私。 何故かって? 長い話しになりますが… あれからもう半世紀。 中2の冬休みに出された国語の宿題は、苦手な古典。 百人一首の中から好きな歌を一首選び、その歌を暗唱出来るようにし、休み明けにはクラスメイトの前で披露せねばならない。 いやいやながらに選んだのは、 「忘れじの 行く末まではかたければ   けふ

          時間よ止まれ 高階貴子のラブレター(中宮 定子の母)

          冬の朝ご飯

          雲の中から気まぐれに顔を覗かせるお日様。 前の家の屋根に止まってる 黒い鳥。 そこ好きなのね。 いつもそこにいるね。 ベランダのビオラ達。 紫、オレンジ、興味ありげに私を見つめてる。 赤いミニシクラメン。 いつもお澄ましさん。 冷たい空気を遮るガラス窓。 窓の外を眺めながら朝ご飯。 パンを卵液に浸してグリルへ。 今朝はバナナをトッピング。 シナモンかけて。 カフェオレはマグにたっぷりね。 ホフホフ湯気が立ち上がる。     いつもと同じ、変わり映えのしない日常

          冬の朝ご飯

          黒豆ビギナー(NO1、白木蓮日記)

          30日の朝一番。 黒豆を洗い、熱い煮汁に浸し8時間。 夕方からコトコト炊き始める。(関西では煮る事を炊くと言います) 几帳面な母の字が並ぶレシピを横目に見ながら、噴き上がるアクをお玉で何度もすくう。 こんな面倒な事を後何年続けるのだろうかと、ちょっとイライラ。 それもその筈。 昨日からおお慌ての大掃除に、立ちっぱなしの2日間。 もう明日は大晦日。 気持ちは焦るが既に身体がギブアップ。 若い頃とは違うのよ。 その上に、手間のかかるお節造りを今年も又、始めてしまった。

          黒豆ビギナー(NO1、白木蓮日記)

          No5. 冬薔薇からのメッセージ(白木蓮の心花物語)

          朝7時。 閉じたカーテンの外から響いてくる雨の音。 天気予報が当たったのね。 今年の大晦日は雨模様。 ガラス窓を開けベランダに出ると、思いの外冷たい空気が身を縮ませます。 小雨を降らすマーブル模様の雲。 その空を見上げるように開いているのは、紅色の薔薇「マリア カラス」 「マリア おはよ。今朝も別嬪さんね」 先ずは朝のご挨拶。 三年前の秋、コロナ禍での気晴らしにと始めた薔薇栽培。 薔薇は手のかかる植物と聞いてはいましたが、その通りで。 ビギナーの私は手入れを

          No5. 冬薔薇からのメッセージ(白木蓮の心花物語)

          ボルドーが似合う季節

          都心に出掛けた昼下がり。 真昼の地下鉄は空いていて、シートにゆったり腰かけていると、 「ドキッ」 赤いネイルの爪先が目に飛び込んで来た。 通路を挟み前の席に座った女の子の手。 なんて色っぽいの。 白くすらりとした指の先には、長く整えられた爪。 真紅のネイルが眩い。 幾つかな?25歳位かしら? 私もその頃は赤が好きで、時々マニキュアしたものだけど、すぐにオフしてしまうのが常だったな。 1980年代半ば。 私が生まれ育った地方都市では、まだまだお洒落も保守的な時代で

          ボルドーが似合う季節

          煙草警官と聖女伝説

          「一本いかが?」 「頂くわ」 敵対していた二人の女の間を取りもつ煙草の煙。  煙に委ねる人生の溜息。 ほろりと溢れ落ちる本音。 ペネロペ クルス主演のスペイン映画 「パラレルマザーズ」のワンシーン。 主演のペネロペちゃんは40代後半。 煙草を勧める相手役の女優さんは、10歳くらい年上だろうか。 「大人の女が語り合いながら、煙草を吸う姿ってなかなか味わい深いわ」 もう長い間、煙草から遠ざかってるけど、還暦を越した今、友達とこんな風な時間を過ごしてみたい。 でも日

          煙草警官と聖女伝説

          少女と女の過渡期 金木犀の香る季節

          風の中から何かが私を呼び止める。 その秘めやかな気配に振り返り立ち止まると、辺りは瞬く間に金木犀の香りに包まれ、私の心は一挙に45年の月日を遡り始める。 その夏の初め私は17歳になった。 「17歳って、南 沙織の歌もあるし、何か特別な事があるんちゃうやろか?」 期待で胸が膨らむ中、迎えた夏休みが何も起こらないまま、もうお盆が過ぎてしまった。 「何とかせなあかんわ」 と、焦った私は友達に提案を持ちかけた。 「ねぇ皆んな、旅行に行こうよ」 当時、私には同じ漁師町で生

          少女と女の過渡期 金木犀の香る季節

          トップガンからの呼びかけ

          昨年の夏に公開された映画 「トップガン マーベリック」 スクリーンに、36年前に公開された一作目の映像が映し出されると、私の心は一気に同窓会気分に。 「ピート 久しぶり! キュートな笑顔で、またもや私を悩殺するのね。 ひとりでニヤニヤ、胸キュンキュン」 自分が還暦過ぎの、おばさんになっている事をしばし忘れてしまう私。 グースが映ると、 「まぁ!グース!会いたかったわ。 死んじゃうんだもん。 淋しかったのよ」 「アイスマン、 あんた、やな奴だったけど、良い男になったね

          トップガンからの呼びかけ

          ピンク コンプレックス

          「大好きなピンクが似合わへん」 いつも胸を痛めていた小さな私。 海辺の町で生まれ育ち、太陽と潮風は私の相棒。 夏は毎日、海水浴。冬は野山を駆け回る健康優良児。 その為、夏はもちろんの事、冬も真っ黒。 それを実証するカラー写真がアルバムの中にあります。 写真の下には、昭和41年幼稚園入園式と書き込みがあり、 一般にもカラー写真が普及し始めた頃です。 真っ黒な丸顔の上にベレー帽を被り、ニコニコ嬉しそうな私。 私の隣には、それも又、際立って色白の男の子が写っています。 そ

          ピンク コンプレックス

          想い出のサントロペ アカペラシャンソン

          「サントロペ」との初めての出会いは19歳の夏の日でした。 フランソワーズ サガンの「悲しみよこんにちは」を読み、小説の舞台 である南仏コートダジュールの煌びやかで小粋な雰囲気は、私を別世界へと誘いました。 カンヌ、ニース、 そして「サントロペ」 紺碧に輝く地中海を臨む、岬の上の別荘。 そこで過ごす2か月ものバカンス… 「サントロペ」との2回目の出会いは40代半ば。 シャンソンを歌い始め、コラ ボケールが歌う「想い出のサントロペ」を知りました。 一幕の芝居のようなこの歌に魅せられ、夏が来る度に歌い重ねています。 今では物語の主人公が、実在の人物のように思える程です。 夏の果ては、想い出を追いかけたくなる季節。 主人公の夏は、どんな夏だったのでしょうか?

          想い出のサントロペ アカペラシャンソン

          想い出のサントロペ アカペラシャンソン