見出し画像

プリティ*ウーマンと枕草子  男こそ



1990年に公開されて、
世界中で大ヒットした映画、プリティ・ウーマン。

公開当時、私はまだ30歳。
「もう30だわ」
なんて、嘆いていましたが、
まだまだ女の子の時代でした。


さて、映画のあらすじは、


ジュリア・ロバーツが演じる、天真爛漫なコールガールのヴィヴィアンが、リチャード・ギアが扮する実業家の
エドワードと出会い、
一週間の間に、シンデレラ
への階段を登っていく
ストーリーです。

2人が出会った時、ヴィヴィアンは壊れかけたロングブーツを履き、肌を露出させ、
街の女のスタイルそのものでしたが、エドワードの財力で、日に日に淑女へと変身し、赤いソワレに本物の宝石を身に付けて、オペラを観に
行くシーンは圧巻で、感情移入し、

「私もヴィヴィアンになりたい!」
と夢見心地になったものでした。


彼女をエスコートする
エドワードは、エリートで
大金持ちで、その上に見ているだけで、うっとりするほど、ハンサムな男性なのですから、映画を観た女の子達は、皆、心が昂った事でしょう。


今思うに、30年前はヴィヴィアンの視線で、この映画を観ていたのですね。



ところがつい最近、
TVで放映していたので、
久々に観て見ると、
もちろん、ヴィヴィアンは
キュートで、エドワードにも惚れ惚れしましたが、

印象に残ったシーンが、以前とは異なっていたのです。

その場面は、意外にも
バスダブの中。


孤独を背負って生きて来た
エドワードが、お風呂の中で、父への憎しみや母への愛など、彼の苦悩や心情を
ヴィヴィアンに吐露し、彼女も優しくその気持ちに寄り添い、2人は心を通わせます。


ヴィヴィアンの、素朴で、
はかりごとをしない純粋な
心根が、彼の頑なな思いを溶かせ、本来の彼に引き戻したのです。


「男性は、女性の社会的な
立場や頭の良さよりも、
何の気も使わずに、ありのままの自分に戻れる女性を求めるのね。」


エドワードの気持ちが、
すっと、私の心に入って来ました。


ヴィヴィアンに感情移入した日から、瞬く間に月日は
流れ、私もシニアの入り口に立っています。


振り返れば、30歳で結婚し、
その後の30年間は、夫婦と呼ぶ男女関係を学ぶ日々だったように思います。


結婚生活は、月並みですが
山あり谷あり。
ぶつかり合い、ケンカを重ねながら、ほんの少し男心がわかるようになり、エドワードの気持ちに共感出来たのでしょう。



そのような、男心の意外さは、千年前の枕草子にも、
書かれているのです。

250段
男こそ、なほいとありがたく

男の人ってわけわかんないわ。
あんな美人を捨てて、あんな
出来の悪い女を選ぶのね。
良い家柄の、ぼんぼん なんだから、どんな高貴な家柄の女でも選べるでしょ!

ほんと、理解出来ない!

と、
清少納言様は、熱く語っていらっしゃるのですが、
意義あり!

納言様、
男性は家柄や、容姿や、
賢さよりも、心を許せる
嫋やかな女性がお好きなのでは…

叱られるかしら?

いとをかし 


と言って下さるわよね。

       白木蓮

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?