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だから冬が好き


冬の間だけ、朝日が射し込む
東南向きのリビング。

お昼前までの数時間は、暖かな陽射しが家具や絨毯を
キラキラと照らし、いつまでもこの日だまりの中に、
佇んでいたくなる。



人気のない冬枯れの公園。
鳥の鳴き声だけが厳かに響き、無に帰れるひとときだ。

冬だけ使う魔法瓶。
お湯を注ぐ度、湯気の中から立ち上がる神秘の音に耳をそばだてる。
ボコボコボコ...
なぜか懐かしく、胸がほんわり温まる。心の底にどんな想い出が眠っているの?

凍えながら冷たい土の中で、じっと春を待つ球根植物達。
太陽とお水だけで頑張っているわ。
待つ事の大切さを教えてくれる、冬の力。



華やかに輝く冬の星座達。
「あゝあれが冬の大三角形ね。」
ベランダからでも肌で感じる大宇宙。


そして、


亡くした友達に、
語りかけたくなるような
透き通った水色の空。

リビングに射し込む陽射しも、日に日に短くなり、
冬はもう終焉間近。


私の好きな冬は
もう 行ってしまう。

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