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さくはちの笛

今日はまた寒くなってきましたねー。また月曜日が始まりました。基本的には月曜日から金曜日までnoteを更新しています。

みなさん、お元気でしたか?

地無し尺八演奏家で倍音音楽家の青山雅明です、ヨガや瞑想も教えています。

尺八がどんな風に日本に伝わって今日まで時間の旅をしてきたのかということをみなさんと一緒に学んでゆきたいと思います。尺八にあんまり興味ないよーという方も歴史の一端として楽しんでいただければと思っています。

隋や唐の時代に中国から渡ってきた尺八っぽい笛が、飛鳥時代、奈良時代と雅楽の楽器として吹かれていた様子まで学びましたね。

そっからの続きです。

時は平安時代の840年ごろ、仁明天皇(にんみょう)の命によって、「雅楽を日本風にアレンジしょうじゃない!」ということになり尺八は雅楽からフェードアウトしてゆくことになります。「尺八は枯れた音でシブすぎるよ、何だか雅楽っぽくないねー」という感じだったんでしょうか?

しかし、尺八や他の雅楽器も貴族や僧侶たちの間で上流階級のたしなみとして広まっていったようです。

楽器を演奏することは貴族社会でのステータスだったようですよ。今で言えばピアノやバイオリンみたいな感じでしょうかね。

良い楽器を手に入れるには、それなりの財力が必要ですし、演奏技術を身につけるには教養も必要なので演奏の名手であるということは「富と知性を兼ね備えた素敵な人!」と異性にもモテるかも!とせっせと稽古に励んでいたのかも知れませんね。

当時の貴族たちがそんな感じで楽器をたしなんでいた様子が、あの世界最古の恋愛小説「源氏物語」の中にも描かれているようです。

「末摘花」の巻きより

『物の音ども、常よりも耳かしがましくて、方々いどみつつ、例のお遊びならず、大ひちりき、「さくはちの笛」などの、大声を吹きあげつつ、太鼓をさへ、高欄のもとにまろばし寄せて、手づからうち鳴らし、遊びおはさうず。』

確かに確かに!出てきましたね!「さくはちの笛」って!

意味は?

『さまざまな楽器の音が、いつもより喧がしく、高貴な方々が競争し合って、いつもの合奏とは違い、大篳篥、尺八の笛の音などが大きな音を何度もたてて、太鼓までも高欄の側に持ってきて、自ら打ち鳴らして演奏していらっしゃる』

ということみたいです。でもちょっとカオスじゃない?

スタジオで「俺のギターが聴こえねーよ。」「じゃー俺のベースも音量上げるし!」でドラムが渾身の力で叩き始める、みたいな風景を想像してしまいました。

はい、というわけです。

でも、この後尺八がしばらくの間なぜか歴史から消えてしまうんですね。何でなんでしょうね?

本日も葛山幻海先生の「丸ごと尺八の本」青弓社から学ばせていただきました。

幻海先生ありがとうございます!


雅楽について調べていたら、こんな人が現れました。雅楽芸人という新しいジャンル!

和楽人- カニササレアヤコ Kanisasare Ayako / 雅楽芸人





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