無本番・練習日記2021年4月12日~4月18日

2021年4月12日(月)
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
音階(C-dur , a-moll)
カイザー:36の練習曲 Op.43
クロイツェル:42の練習曲
 しばらく曲ばかり弾いていた気がするので、今日は基礎を中心に練習を行う。
 バロックヴィオラはジェミニアーニの9番のみ。楽器に顎で挟まず肩に乗せ、構える位置は右側で。バロックヴィオラを初めて弾いた時の戸惑いと感触を思い出す。楽器を構える位置を左から右に変えるだけで、弓の感覚はこんなにも変わる。音を出すのが難しく感じられる。楽器と自分の耳の距離も変わってしまっているため、実際に鳴っている音に変化があるのか、あるとしたらどう変化しているのか。耳がすっかり忘れてしまっている。聴覚と触覚の変化に戸惑いつつの練習となった。
 モダンヴィオラも基礎練習。音階の後カイザーの3~5番と、クロイツェルの18・19番。いずれもバロックの方の練習でも最終的に用いた「楽譜で見た印象をそのまま音にする」ことを実践。この方法が余計な考え事をしなくて済むという意味でも、有用であることがわかってきた。注意点としては「間違い探しをするときのように、楽譜からの情報を逐一目で収集する必要がある」ことだろうか。ただ漠然と大雑把に楽譜を眺めるだけでは、効果は発揮されないらしい。
 この練習によって気付いたのは、クロイツェルの18番の拍子を4/4ではなく2/4で今まで感じてしまっていたこと。そりゃ音楽が前に進まないはずだわ。小節ごとに交代で登場する3連符と16分音符、付点8分音符+16分音符に振り回された19番の訳の分からなさも、これでようやく払拭された。
 ふとここで疑問が一つ。目が不自由な演奏家はどのようにしているのだろう。

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2021年4月13日(火)
音階(C-dur , a-moll)
クロイツェル:42の練習曲
ヴュー:音程のための10の練習曲
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
 昨日の延長のような練習内容。モダンヴィオラは音階の後、クロイツェルの18番と38番。後半は重音の練習が固まっているクロイツェルの練習曲、一時期重音の弾き方改善のために集中的に弾いていた時期があったが、最近はすっかりご無沙汰になっていた。18番を弾いた後ふと思い立ち、38番を弾いてみる。以前は音程の幅など細かいことばかりが気になってしまって、Allegro Moderatoに疑問を抱くくらい恐る恐る慎重な弾き方になっていたが。
 楽譜の捉え方が変わると演奏も変わり、曲は前に進みAllegro Moderatoの表記も不思議ではなくなった。ただ音程は大雑把な部分があったので、細かい練習はやはり大事。
 ヴューは5番を一度だけ通す。指番号がノイズのように目から入る情報を遮ることがあるも、何とか通った。とはいえ「何とか」では困るので、先へ進みたい気持ちを抑えつつ「何とか」が「スムーズ」になるまで5番を練習することにした。
 バロックヴィオラはジェミニアーニの9番。昨日と同じく、楽器を顎に挟まず右側を肩に置く構えで練習を行う。
 構え方や弓の動き云々の以前に、どうやら楽譜を見ることへの集中力が落ちる(=余計な思念が入る)と音を出し損じる確率が跳ね上がるらしい。久しぶりに瞼を1mm多く開けて楽譜を見ることになった。こうすると理由は解らないが、演奏がスムーズになる。タブレットやスマホを見た直後に楽譜への集中力が下がるのと、何かしらの関連があるのだろうか。

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2021年4月14日(水)
他用のため練習お休み。

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2021年4月15日(木)
音階(C-dur)
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
クロイツェル:42の練習曲
F.A.ホフマイスター:フルートとヴィオラのための3つの協奏的二重奏曲
 今日の音出しはバロックヴィオラのみ。音階を軽く弾いた後、ジェミニアーニの9番。ジェミニアーニは楽器に顎を乗せない構えで弾く。モダンとバロック、楽器に顎を乗せるか否か。それぞれのギャップを少しずつ埋めていこう。動きの細かい部分はまだ楽器が不安定になってしまうけれど、月曜日の不発に終わる音の多さに比べれば、多少マシになっているような気がする。
 クロイツェルは2番の基本形のみ軽く通し、すぐホフマイスターの練習へ。2番の2楽章Lento。長いスラーがうまく行かないのが現在の悩みの種であり、強弱記号が書いてあると反射的にモダンヴィオラと同じ方法で解決を図ろうとしてしまっているのも課題。原因は同じところにあるようなので、まずは「音量と弓の圧力だけで問題解決を図ろうとしない」ことを思い出すことにした。同じ音形でp(ピアノ)とf(フォルテ)の差を出すにしても、別のやり方があるはずなのだ。とりあえず擦弦楽器は弓と弦との摩擦で音を出していて、その摩擦がうまく行かないと音は出ない。このことを念頭に置いた上で、長いスラーを切らずに練習することにした。なるべくスラーは楽譜に書いてあるそのままの形を活かしたい。クロイツェルで長いスラーの練習をしてみようか。

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2021年4月16日(金)
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
クロイツェル:42の練習曲
F.A.ホフマイスター:フルートとヴィオラのための3つの協奏的二重奏曲
音階(C-dur , a-moll)
カイザー:36の練習曲 Op.43
 昨日の練習の続きとして、バロックヴィオラから練習開始。ジェミニアーニの9番を弾いた後、長いスラーの練習としてクロイツェルの14番にバロックヴィオラで挑戦。モダンでは弾き慣れた番号だけれど、さてガット弦+バロック弓で弾いたらどうなるか。
 音が全然出なかった。スラーの最中に音が消えてしまう。
 モダン楽器の感覚をバロック楽器にそのまま持ち込んでしまうと、最近こういうことがよく起こる。最初の数段から先へなかなか進めなかった。音符への認識を改める必要を感じ、練習は弾き慣れた頭の中のイメージを一度脇に置くことから始まった。これがバロック・ボウでなくてクラシカルだったらどうだったのだろうと思いつつ。
 何とか最後まで弾くことはできたものの、疑問符は消えないまま。モダン演奏にも効果がありそうなので、長いスラーの練習も取り入れてみよう。
 せっかく長いスラーの練習をしたので、ホフマイスターの2楽章と3楽章を弾き、モダンへ移行。
 モダンヴィオラは音階を弾いて、カイザーの6~8番。6番は思いもよらぬところで指が縺れて弾き損じが生じる。このもつれを生じさせない工夫が課題か。時折油断ならない番号が、この練習曲には登場する。

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2021年4月17日(土)
体調不良のため練習お休み。

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2021年4月18日(日)
音階(C-dur , a-moll)
ヴュー:音程のための10の練習曲
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
 低気圧が体調に影響を及ぼすようになったか。昨日は体調不良というよりも、楽器のケースの蓋を上げる気力がすっかり萎えていた。
 今日はほぼモダンヴィオラのみの練習。音階を弾き、ヴューはおさらいを兼ねて5番を一度通し、何度弾いても天敵レベルで苦手意識の抜けない6番に入る。今までは必ずと言って差し支えないほどに、どこかしらで躓き、半ば妥協というより逃げるように次の番号へ進んでいた。しかし今日はそれをいつまでも放っておく訳にも行かない気がしたので、弾けない原因を探ることに時間の大半を費やした。
 苦手意識が抜けないとはいえ比較的平和に弾ける箇所はあるもので、そうでない場所との違いを探ることから始まった。観察の結果、どうやら弾けない場所は目線が定まっておらず、激しく動いているようであると判明。目線を動かすのはオケなどアンサンブルの場では必須だけれど、目線が落ち着きなく動いているのは、音符の情報を目で捉えきれていないことに繋がっていることだろう。中島敦『名人伝』にも主人公が弓の師匠から「見ること」を学ぶ場面があったことを思い出しながら、目線が泳がないよう留意しながら弾き進めていった。
 目線に着目したことによって今まで弾けなかった部分もカバーできるようになってきたが、難しいもので「弾くこと」のみに集中してしまうと今度は曲にならない。今回ヴューを弾いている目的は各番号を曲として扱えるようになることにあるため、必死に弾くだけでは意味を成さない。油断すると泳ぎそうになる目線で楽譜を懸命に見据え、松葉(<>)の意味を探り、最後の方になってようやく曲としての形が朧気ながら見えてきた気がする。
 バロックヴィオラはジェミニアーニの9番を1/4ほど弾いて終了。長いスラーの練習はまた次回。

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