無本番・練習日記2021年9月13日~9月19日

2021年9月13日(月)
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
W.A.モーツァルト:交響曲第35番『ハフナー』ヴィオラパート
 同じ教本や練習内容であっても、繰り返し行っていると解らないなりにも見えてくるものがあるらしい。結局冒頭の注釈は読まないまま練習を進めてしまっているけれど、時折音を出すときに見える景色(楽譜への意識・認識)が変化を起こす瞬間に立ち会うことがある。その気付きが果たしてどこまで応用が効くものなのか確かめる作業が必要になり、先週は特に後半はそのために楽器を弾いていたような気がする。
 ジェミニアーニの後、試みにバロックの方でモーツァルトの『ハフナー』ヴィオラパート冒頭を少しだけ弾いてみた。モダンでしか弾いたことはないけれど、音に対する認識が違うものとなったので、同じ曲をモダンとバロックで弾き比べるのはやはり興味深い。

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2021年9月14日(火)
W.A.モーツァルト:交響曲第35番『ハフナー』
ヒンデミット:無伴奏ヴィオラソナタ Op.31-4(2・3楽章)
思いもかけず練習時間が確保できた。
今日はモダン中心。昨日ようやくダウンロード・印刷した『ハフナー』ヴィオラパート譜を使って曲の復習をすることにした。一時期学生オケやらなにやらで集中的に弾いていたが、最後に弾いたのはオケの中ではなく、オケスタだった気がする。あれから何年も経って演奏にまつわる考え方に色々変化があった割には、身体が覚えているイメージは昔のまま。復習の時間は、変化した身体と頭のバランスを取り直すための役割も担っているのかもしれない。
音数が増えるとどうしても「音符のレイアウト」を一つ一つ考えることが難しいため、「音符の適正体重」に留意することを目指す。10年前には弾きづらい・難しいとしか感じられなかった細かなタイミングやニュアンスがようやく自分の中に入ってきた。特に1楽章冒頭は、数えているだけではずっと弾きづらいままだったろう。
調子に乗ってヒンデミットにも手を伸ばしてみる。ヴィオラソナタのOp.31-4、久し振りに弾いたのでミスタッチはあったものの、それでも譜面をただ追いかけているだけの状態からは脱却できた。次は機会があれば、レッスンで使ってみようか。

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2021年9月15日(水)
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
 「音の適正体重」について、これがバロックでも使えるのか試すことにした。もしこれがバロックヴィオラでも応用できるのであれば、今まで気を付けていた様々な事柄を、一つの注意事項でまとめることができる。ジェミニアーニの教本のいくつかの番号で、試しを行った。
 結果は良好。音のひっくり返る確率が下がり、音の行き先・方向に惑うこともなくなった。音がうまく出ない時は適正体重から外れている時が多かったため、こちらも一人で弾いている限りにおいては対策しやすかった。また思いもかけず、モダンと比較したときのバロックの音の体重の軽さに気付くことも出来た。これは今まで知識として頭に入れていたものの、自分で演奏したときも含め実感としてはいまいち現実性を伴っていなかったもの。モダンとバロックの演奏感触の違いをここで味わうことができるとは思いもよらなかった。軽くて繊細な手触り。モダンよりバロックが繊細と言われるのは、こういう側面もあったのかもしれない。

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2021年9月16日(木)
音階(C-dur , a-moll)
F.A.ホフマイスター:ヴィオラのための12の練習曲
M.レーガー:無伴奏ヴィオラ組曲第3番 などなど
 モダンのみ音出し。「個々の音が持つ適正体重」はどこまで用いることのできる考えなのか、音階練習から古典派、ロマン派と、作曲された時代区分が異なる作品を色々弾いて試す。音の数の多寡に左右されず、複数の問題を解決してくれそうなので、使える範囲が広ければとても助かるので期待は大きい。
先週後半から試した結果、今のところ使用する楽器(バロックorモダン)・時代区分に関係なく使える考え方であることが判明。「自分と同じ時代を生きているリアルタイムな作品」にはまだ試していない。あとはアンサンブルの場面で生じる変化の確認も含め試したいけれど、これは時機を待たねばならない。
「個々の音の小節内でのレイアウトを考える」やり方は、小節内の音符があまり忙しくない時にのみ有効なようだ。結果的に音の体重に注目することに変わりはなさそうなので、しばらくこのやり方を続け、自分の中に考え方の一つとして定着させ、引き出しの一つとすることにした。

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2021年9月17日(金)
F.A.ホフマイスター:ヴィオラのための12の練習曲
 ホフマイスターの練習曲から5番を用いて、モダンとバロックで弾き比べ。6月末の本番にバロックで弾いた時は弾くことに(主に音をひっくり返さないように)精一杯でそこまで余裕がなかったのか、思い返せばモダンとの違いを冷静に比較することができていなかったのではないかと思う。あれから3ヶ月、感覚の抜けた状態で再び弾いてみれば演奏の感触の違いに慣れる最初の10分ほどは、改めて戸惑う時間となった。音符に適した重さやバランスも当然異なっており、先輩から受けた「バロックとモダンの違いを知ったうえで両者の距離を詰めていく」ことを思い出した。先輩にバロックボウでの練習法について相談してから、1年半余りが経過したことになるのか。果たして、両者の距離は少しでも縮まっているのだろうか。

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2021年9月18日(土)
 モダンヴィオラのみケースを開けて、ランダムに音出し。バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータなど。どうせならヒンデミットではなく、未消化甚だしいポーションの『パッサカリア』やバッハ(コダーイ編曲)の『ファンタジア・クロマティカ』を選ぶのだった。

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2021年9月19日(日)
練習お休み。

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