無本番・練習日記2021年4月5日~4月11日

2021年4月5日(月)
音階(C-dur , a-moll)
ヴュー:音程のための10の練習曲
音階(C-dur)
F.A.ホフマイスター:フルートとヴィオラのための3つの協奏的二重奏曲
 今日の練習はモダンヴィオラから。ありがちと言えばそれまでだが、最初に始めた方に時間を割いてしまう傾向があるらしい。モダンもバロックも、主な練習内容は昨日の続きのようなもの。
 音階を弾いて指馴らし、ヴューの1番~3番を練習する。2番は比較的弾きやすいのだが、1番が中盤以降から左手指を動かすことに必死になって、楽譜の見た目と違う印象の音が出てしまう。この文章を書きながら思い当たったが、そういえば指番号が振ってあるから、かなり近視眼的に楽譜を見てしまっているのかもしれない。せめて音符にかかっている長いスラーを目に入れる余裕はあった方がよさそうだ。あまり障害を感じずに済んでいる最初の方は、恐らくこれが出来ているのだろう。しばらく1番と奮闘して、2番、3番へ。1番と似た印象の3番はテンポ指定の違いもあるのか音の描く曲線の印象が微妙に違っていて、同じに弾こうとすると地面の感触の違いとも取れる違和感に戸惑いを覚える。3番は次回以降の課題へ。
 バロックヴィオラは音階を弾いて、昨日手薄であることが判明したホフマイスターの二重奏2番の3楽章のみ練習。時折何の音なのか、ナチュラルなのかシャープなのか判断に迷う箇所あり、また音の読み間違いの発見もあり。楽譜の音が合っているのかどうかについては、フルートとの合わせの日を待つことにしよう。テンポ表記はAllegretto、どのくらいの速度になるのだろう。

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2021年4月6日(火)
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー
音階(C-dur , a-moll)
ヴュー:音程のための10の練習曲
 「まず出したい音をイメージして」というのは、中級以上になった生徒に助言としてよく使われる言葉なのかもしれない。しかしそのイメージが逆に鎖となり、縛られることによって演奏に支障を来すことが多くなった現在、その言葉に疑問を抱いている。頭を空っぽにした方が、現状把握は楽だし音程もその場に合ったものを身体と楽器が作ってくれる。
 バロックヴィオラの練習は、テレマンの1番のみに絞る。1楽章が何度弾いても曲にならず、どこか不自由さが残るのは何故なのだろう。四角四面で、この曲の楽しさを引き出せていないのだ。もっと楽しいはずなのに。頭のどこかに、あらまほしい音をイメージ&決定し、拍子を数えている自分が居る。そこに気付き、抜け出すまでにどれほど時間を費やしたのだろうか。ちなみに今日ヒントになったのは「ファンタジー」という言葉の意味と、さだまさしの『北の国から』テーマ曲の誕生エピソードだった。
 一度沼から足を引き抜くことができれば、あとの練習はスムーズ。2,3楽章も練習し、モダンヴィオラへ。
 モダンヴィオラは音階を弾き、ヴューの1番,3番~5番。恐らくずっと頭の片隅で疑問に思っていて、昨日具体的に課題として浮上した「楽譜の見た目の印象と、出てきた音が異なる」問題について、解決を図る。
まず行きつ戻りつしながら、弾けない箇所を洗い出して細かく練習していく。傷がある程度修復できたら練習範囲を徐々に拡げて、最終的に冒頭から通せる状態へ。その後譜面から物理的に少し距離を置き、楽譜の景色全体が眺められる場所へ顔を持って行く。練習を重ねた場所ほど思考を手放すのが怖いことに気がついた。自転車の補助輪を外した時ようだ。弾き損じることの怖さから練習の記憶にしがみついて、その執着が演奏を妨げていたのだろうか。

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2021年4月7日(水)
音階(C-dur)
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー
音階(C-dur , a-moll)
カイザー:36の練習曲 Op.43
ヴュー:音程のための10の練習曲
 春眠暁を覚えず。とにかく眠いのを堪えて練習を行う。立っていさえすれば何とかなると思っていたが、甘かった。時折記憶が抜けている瞬間があり、恐らく弾きながら立って眠っていたものと思われる。
バロックヴィオラから練習開始。松脂を塗るのを忘れる。次回は塗ろう。音が出しづらくなってきた。
 音階はデタッシェと一拍毎のスラーの2通りで練習。テレマンは2番のち1番。昨日の練習から、急に弾きやすくなった。楽譜に書いてあって弾き方のいまいちわからなかった、上下で長さの違う重音(3つ縦に並んでいるうち、一音だけ四分音符など)も、どうしてこう書いてあるのか、何となく納得できた気がする。元々の譜面は見たことが無いけれど、それが今使っている印刷の譜面に間違いなく写されているのだとしたら、多分これしか書き様がなかったのだろう。
 モダンヴィオラは音階、のちカイザーの35番・36番。今日はこの辺りの練習がスムーズに進み、これでこの練習曲集の1周目を終えることができた。まだまだ特に後半は弾き込み甲斐がありそうだ。また気が向いたタイミングで2周目に入ることにしよう。
 残りの時間でヴューの5番をさらおうと初めの3段ほど弾くも、集中力が突然切れてしまった。ここで強いて練習しても効率が悪くなるばかりなので、終了。

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2021年4月8日(木)
他用のため練習お休み。

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2021年4月9日(金)
音階(C-dur , a-moll)
ヴュー:音程のための10の練習曲
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー
 今日の練習はモダンヴィオラがメイン。2月に演奏で収録参加した映像の完成版を見てからの練習時間だったので、打ちのめされて抜け殻になっているのではないかと正直不安だった。幸い練習する気力はあった。
 音階を弾いて、前回集中力が切れてやりかけだったヴューの5番。なぜか知らないが弾きにくい。繰り返し弾きながら、原因を探すことにした。その結果浮かび上がってきたのは、まず音符よりも指番号に目が行ってしまっていること。次に、この中に何度か登場する「四分音符+16分音符」のタイと、その他のスラーの弾き方扱い方に誤りがあるのではないかということ。このタイを扱いかねていることに気がついた。メトロノームの使用云々だけでの話ではないだろう。そして1,2拍目と、3拍目。自覚している以上に、扱いかねている部分は多かったらしい。全体を通して弾くと引っ掛かってしまうため、部分練習もさることながら、全体の通しを何度も行った。繰り返し弾くと、わからないなりに何かを掴む瞬間が得られる。
 何とかタイやスラーの方向性・形が見えてきたところで、気分転換にテレマンの1番を弾く。モダンでテレマンを弾くのは久しぶり。そのままの流れでバロックヴィオラでもテレマン。こちらは1番と3番。良い気分転換になった。

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2021年4月10日(土)
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲
 食事準備と食事の合間にモダンヴィオラでバッハのチェロ組曲第4番を通しで弾く。細かいことは抜きにして、楽譜の模様をそのまま音に。視野を広く保つ余裕があれば、それによって出てきた音と、楽譜に記された強弱記号との連動を確かめる。大体一致しているようだ。意図して強弱をつけるより楽かもしれない。Gigueはボウイング検討の余地あり。

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2021年4月11日(日)
音階(C-dur)
J.S.バッハ:マニフィカトBWV243(ヴィオラパート)
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー
 昨日ケースを開けなかったバロックヴィオラで音出し。音階を弾いてから、もし無事開催されれば来月頭に本番・収録予定のマニフィカトの楽譜を取り出す。何度となく本番で弾いたマニフィカトだけれど、今までどうやって弾いていたのか、感触がリセットされたように全く思い出せないのは何故なのだろう。モダンと変わらず、室内楽とオケとでは弾き方が違うということか。その感覚の違いに私自身が気付くようになったということなのか。それとも単純にモダンの方が弾いた回数が多いから、そちらの感覚の記憶で弾こうとしているからなのか。弓を持つ手が硬くなっていると、細かい16分音符の音が出しづらくなることは確か。とにかく本番に備えて、まず製本しておこう。
 テレマンは3番の曲全体を一度通して、練習終了。

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