624gで生まれた私が普通の人の皮を被れるようになるまでその7

いよいよ母が唯一空いていた手術室に運ばれた。

生存率30%、生まれても大きな障害を
抱えている可能性がある。
自発呼吸ができないから、産まれても泣くこともできないだろう。
未熟児網膜症という目の病気もあるかもしれない。

と、いろいろ懸念された私が誕生する。

生まれた瞬間
小さな声で
「ミャーー!」
と泣いたという。
これには、お医者さんも驚いていたらしい,。

やはり生まれながらにいろいろ奇想天外なことをするベイビーだったのだろう。

「ミャー」と猫のように鳴いたあとは
すぐに保育器に入れられ、人工呼吸器をつけて、バタバタと退場していった。

手術室の前で待っていた祖母が
様子を聞いたが、
「今はそれどころではありません」
と言われたぐらい切羽詰まっていたらしい。

次回、
立ちはだかる「生後72時間」の壁

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