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【05】お別れ会で6時間連続演奏

とある大きな会社の会長さんのお別れ会。

「今までお世話になったたくさんの方々に感謝を述べたいので、10時から16時まで会場を開放したお別れ会を開きます。
参列者は自由な時間に来ていただくので、その間は音が途切れないように演奏してほしいのですが可能でしょうか?楽器編成はなるべく豪華に。料金はいくらでもいいのでお願いします。」

と嬉しい依頼。

でも音を途切れず6時間演奏?さぁどうしましょ。

豪華な楽器編成で料金はいくらかかってもオッケー。これはありがたい。
人数が多ければ順次交代で演奏できる。
問題は会場のスペース。会場には思い出コーナーや、たくさんの生花があり、もちろん焼香のスペースもある。楽器がおけるスペースにはかなり制限が。。

悩んだ結果ご提案した楽器編成がこれです。

●七重奏(ピアノ フルート ハープ ヴァイオリン×2 ヴィオラ チェロ)
●弦楽四重奏(ヴァイオリン×2 ヴィオラ チェロ)
●ピアノ三重奏(ピアノ フルート ヴァイオリン)
●ピアノ三重奏(ピアノ ヴァイオリン チェロ)
●ピアノ三重奏(ピアノ ハープ フルート)
●ピアノ三重奏(ピアノ ヴァイオリン ヴィオラ チェロ)

ひとつの編成が30分間受け持ち、この編成を2回繰り返し。これで6時間。

ピアノは電子ピアノ、ハープはアルパを使用。

スペース的にも楽器編成も施主からOKをいただきました!
次は楽器編成合わせてリクエスト曲の編曲作業です。
モーツァルトの曲がメインで、映画音楽やクラシック中心でお願いします、とのこと。なかなか七重奏で演奏できることがないので、はりきって編曲作業に臨みました。
普段ピアノはフルートやヴァイオリンの伴奏になってしまいがちですが、このときはプチピアノコンチェルト(笑)ピアノ奏者にとってはとても嬉しい経験です。

お別れ会は通常の葬儀と違ってある程度準備をする期間があります。楽譜も念入りに作りいよいよ本番です。


お別れ会が開式して最初の演奏は七重奏。たくさんの方が耳を傾けています。やはり七重奏は迫力がありますね。
「ピアノ協奏曲 第21番 第2楽章」「ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488 第2楽章」「タラのテーマ」「ロミオとジュリエット」などを演奏しました。

温かい雰囲気のお別れ会で、演奏がおわると参列者から拍手をいただくこともあり、そのおかげで演奏者もモチベーションを保ったまま最後まで演奏することができました。

最後は再び七重奏で演奏をして終了。
施主から感謝と労いの言葉と、次のお別れ会の演奏のご依頼をいただきました!次のお別れ会というのは、会社の従業員が参加するお別れ会です。さすが大きな会社は規模が違う・・・。従業員のためのお別れ会はピアノとフルートとヴァイオリンの三重奏でした。

貴重な経験をさせていただきました。施主に感謝申し上げます。
いつかまた七重奏をやってみたいな。

障害を持ったお子さんや介護施設で暮らす高齢者の方々への音楽提供活動費に使わせていただきます。たくさんの方の笑顔のために。お気持ちいただければ嬉しいです。