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スイスでワイン造ってるの?

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スイスの虜になり全26州を巡るうちに、スイスワインの美味しさに感動。 脱サラしてスイスワインのインポータ―に。 味だけでなく理念と哲学に共感したワイナリーから直輸入。 マガジンで… もっと読む
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スイスでワインを造っているの? #1 スイスワインへのいざない

はじめにスイス&スイスワイン好きが高じて、ラヴォー、ヴァリス、ティチーノといった主要ワイン生産地やグリュイエール、エメンタール、アッペンツェールといったチーズ産地を含む26全州(+リヒテンシュタイン公国)を訪れました。総訪問回数は30回を超え、スイスワインのエバンジェリストを目指す自称日本No.1のスイス愛好家です。 このブログを通じてスイス在住時や旅行時に経験したこと、スイスワインの豆知識やスイスの人々、私のスイスへの思いを綴ってまいります。 スイスでワイン造っているの

シュナップス輸入顛末記 (スイスでワイン造ってるの#71)

スイスワインの殿堂を目指すヘルベティカ。 これまでスイス固有品種やいろんな産地の可愛い娘ちゃんたちを輸入してきました。 このたび(2024年1月)グラウビュンデンのシュナップスを輸入しました。この娘ちゃんはワインではないのですが、ワインの姪っ子とも言えるお酒です。 ということで、今回はシュナップスちゃんの輸入顛末記をつづります〜 シュナップスとはシュナップスってなんやねん?という方に向けて、まずはシュナップスのお勉強から。 シュナップス( Schnaps)とは「果実を原

メルロの血が流れる男 (スイスでワイン造ってるの#70)

2022年に当時のスイス大統領カシスさんが来日し、面会した際に「このワインええで〜」と教えてもらったワイン。 生産者とメールや電話でのやり取りを1年以上経て、やっとやっと取引できることになりました❗️ なんでもカシスさん、このワインを各国外遊の際にお土産として持参されていたのです。 スイスの大統領が手土産に選んだ超特級のワインでっせー、サンプルワインを飲んだ時の唸る美味しさ、感動ったらなかなか言葉に出来まへ~ん。 ということで、今回は大統領御用達のワインを造っているワイナリ

えっ! 税金取られるの? (スイスでワイン造ってるの#69)

これまでもワインの輸入に関するトピックを「ワイン裏ラベルの裏話」「デバンってなんやねん」「起業奮闘記その3」「スイスワインの輸送あれこれ」でご紹介してきました。 今回は最近の輸入時にふと疑問に思ったことを綴ります〜。 今回は短いで〜(ホンマかいな) ワイン輸入のおさらいまずはワインを輸入する際の簡単な流れとそれらに付随する書類についておさらいしてみましょう(お〜っ、勉強になるな〜) 出荷前にワイナリーに作成・準備をお願いしている書類が「試験成績書」と「原産地証明書」で

上卯祭をご存知ですか? (スイスでワイン造ってるの#68)

おっ、なんや今回はえらいかしこまったタイトルやん。 いつもはくだけたタイトルをつけているヘルベティカ森本でもさすがに神事にまつわるトピックにはバチがあたりそうで「xxxってなんやねん?」というタイトルはよーつけへんかったわ〜 ということで、今回は先日(2023年11月5日)参列した京都松尾大社の醸造祈願祭(上卯祭)にまつわるあれこれをまじめに(ほんまかいな)綴りたいと思います。 いろいろ調べたら、調べるほどよーわからんよーになってもたー(涙) 上卯(じょうう)そもそも

スイス鉄道の旅 (スイスでワイン造ってるの#67)

スイス全土には鉄道網が張り巡らされ、どこに行くのも列車が便利です。 新幹線ばっかり整備されてローカル線が次々と廃線になっていく日本とは大違い。 しかも国鉄・私鉄が相互乗り入れしていて、スイス国内の線路は全部繋がっているんです(びっくり❗️) 鉄道会社が異なっていても駅は共有されているので、日本のようにJRから私鉄に乗り換える際、一旦改札を出てから乗り換える必要もないんです!(登山鉄道など一部除く) 便利やわ〜 ということで今回はスイス鉄道の旅を綴ります〜 旅行ガイド「地

メルロの白ワイン (スイスでワイン造っているの?#2)

前回のブログではスイスでワインが造られていることをご紹介しました。 今回はどのようなぶどう品種が栽培され、どんなワインが造られているのかご紹介いたします。 スイスには50種類以上の品種があり、ピノ・ノワール、メルロ、シャルドネやソービニヨン・ブランといった国際品種だけでなく、土着品種などあまり知られていない様々な品種が生産されています。 この多様性もスイスワインの魅力といえるでしょう。 メルロの白ワイン様々なぶどう品種が栽培されていますが、その中でも特筆すべきは「メルロ」

スイスワインの王道シャスラ (スイスでワイン造ってるの? #3)

スイスワインを語る上でどうしても外せないのはシャスラ種です。(タイトル画像はバーゼルラント州のシャスラ畑です) 前回ブログで紹介した通り、作付け面積はシャスラが一番広く、スイス全土で栽培されているスイスを代表するぶどう種です。 面白いのは同じぶどう種なのに地域によって呼び名が異なることです。 一番作付け面積の広いヴォー州ではシャスラ、二番目に広いヴァレー州(ヴァリス州)ではフォンダン、ドイツ語圏ではグートエーデルと呼ばれています。 これもスイスの多様性をあらわす一例ですね

神戸マラソン2019走りました  (スイスでワイン造ってるの? #4)

これまでスイスワインのことを綴ってきましたが、今回は個人的なことを。 2019年11月17日に神戸市で開催された「神戸マラソン2019」に参加してきました。 50歳になった記念に何かしようと思っていたところ、同じ歳の友人が生まれ故郷でフルマラソンに参加したのを聞いて、「そうだ、僕も挑戦しよう!!」と思ったことがマラソンを始めたきっかけです。 今回の神戸マラソンが通算9回目のフルマラソンです。 マラソンなんて大嫌い!マラソンをしているというと、「走るのが好きなんですね」とよ

スイスワインの夕べ  (スイスでワイン造ってるの? #5)

東京都港区三田にあるバー「Ovens」でスイスワインの試飲会を開催しました。 今回参加いただいたのはワイン好きの方ばかり、日本初上陸のスイスワインに皆さん興味津々でした。 メインディッシュはもちろん「スイスワイン」、おつまみとしてスイスのチーズやオリーブなど、そして私が最近ハマっているこだわりオーガニックのグラノーラ2種をご用意。 バーゼルラント州のワイナリー「ヤウスリン」とティチーノ州のワイナリー「セッテマッジオ」からベストスイスワイン賞を受賞した赤ワインを2種類、ロゼ

スイスつながり (スイスでワイン造ってるの? #6)

神戸三宮の和食ダイニング「iro-hanaかふぇ食堂」とスイス生まれの高機能ランニングシューズ「On」とのコラボイベントのパーティーにスイスつながりのご縁でスイスワインを提供いたしました。 かふぇの店長兼料理人でもある吉川さん(写真下)はアスリートでもあり、心底惚れ込んでいるのがスイス生まれのOnのシューズ。かふぇではOnのシューズの販売もされています(!)*1 パーティーではOnジャパンの代表(写真下)をはじめ社員の方々、参加者の皆さまにもスイスワインを味わっていただき

思わず唸ってしまう!スイスワインのネーミング(その1) (スイスでワイン造ってるの? #7)

ワインの名前といえば「ロマネコンティ」、「シャトー・オー・ブリオン」というように産地(地方・地区・畑)や生産者(シャトー)が付けられているものがよく知られています。スイスワインの名前には言葉遊びや聖書からの引用など面白いネーミングのものがあります。 言葉遊びバーゼルのSiebe Dupf(シーべ・ドゥフ)という生産者の「Rhy Passo」(リ・パッソ)は、イタリア・ヴェネトの伝統的なワインの製法「Ripasso」(リパッソ)をもじったものです。 また、バーゼルを流れるライ

思わず唸ってしまうスイスワインのネーミング(その2) (スイスでワイン造ってるの? #8)

聖書からの引用ティチーノのセッテマッジオという生産者(弊社の協働ワイナリー)のワインに「Cana」(カナ)というものがあります。 イエス・キリストの最初の奇跡としてヨハネ福音書2章1-11節に記されている、婚礼に招かれたイエス・キリストが水をぶどう酒に変えた「カナの婚宴」にちなんで名付けられています。(トップの画像) 聖書からの引用なんてヨーロッパらしいですよね。 キリスト教にちなんだワインの名前といえばイタリアのEst! Est!! Est!!(エスト!エスト!!エスト!

ヘルベティカってなに?(スイスでワイン造ってるの? #9)

わたしが経営している会社の社名は「ヘルベティカ」です。友人や名刺交換の際に「ヘルベティカってどういう意味ですか」とよく尋ねられます。 Helvetica(ヘルベティカ)はラテン語で「スイスの」という意味です。 当初「スイスワイン」を意味する「Vinum Helvetica」(ヴィヌム ヘルベティカ) を社名にする予定でしたが、「長くて覚えられない」「意味不明」というアドバイスをいただいたので「ヘルベティカ」のみにしました。ドメイン名はHelveticaがすでに登録されてい