ロゴはどうしようか……
Vol.005
かつてはロゴのことを、C Iなんて言い方もしてたな、と思いつつヴィーノサローネのロゴづくりに取りかかりました。
僕の考えでは、屋号がその店の哲学や思想、雰囲気を表すものなら、ロゴは店の顔、表情です。まるで生き物のように、あの形、あの色、あの量感が、見た人の記憶に刻み込むもの。それがロゴだと思います。
ロゴ制作のプロと言えば、やはりグラフィックデザイナーですね。
彼らの感性・知性は、ウェブ全盛のいま、かなり重要になっています。SNSやホームページにブログなど、これまで以上にロゴの出番が必要になりました。ロゴの印象ひとつで、企業のイメージや、企業が大切にしていることが伝わるだけではなく、ロゴが持つ図形の面白さや新しさもエモーショナルにうったえかけます。
ヴィーノサローネは、企業と呼べるほど、大きな規模でスタートするわけではなく、ウェブサイトの小さなショップなので、実は僕が思いついた形体を描いてもみました。しかし、あまりパッとしません。印象に残るロゴにはほど遠いものでした。
ならば、日ごろ仕事でお世話になり、ファッションやエディトリアルで活躍するプロ中のプロにお願いしようかと考えました。きっと、間違いない、凄く完成度の高いロゴができると確信しました。しかし、それでいいのだろうか……。もし、そうした場合、力み過ぎて、押しつけがましくならないだろうか。あまり身近なところに頼むのもどうか、と達観しました。
いい塩梅で……、バランスのいいちから加減で臨むワインの販売。そんな姿勢には、未知数で、すぐにいいか悪いか判断できないようなロゴをつくる人。まったく会ったことのない、新しい人にお願いしよう、と考えたのです。
さて、それは誰なんだろう。
ふと思いついたのが、かつての友。いまは美術大学で教授を務めているヤツ。そうだ、あいつに連絡しよう。
メールには、このように記しました。
「ロゴをつくってもらいたい。若い人の感性のロゴにしたい。しかし、レトロ。若い人たちが思うレトロ感を表現してもらいたい」
信じられないほど早く、名乗りをあげてくれた人がいました。卒業性のTさんが、「ぜひ、やらせてほしい」と、友から即答の返信がありました。
次回の“ディアリオ ヴィーノサローネ”に続きます。
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