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あるべきリーダーを目指し、自分の価値を証明しようとすると・・・。
〜人生のオーナーシップを自らの手に〜Vol.12
「あぁ〜(怒)、もうつべこべ言わずに、言われたとおりにやれ!!」
中小企業診断士資格を取得した後に、キャリアを変えていきたいと考えた僕は人事部に異動希望の手紙を提出し、14年間携わった営業を離れてグループ経営企画部門に異動することができた僕は、資格勉強で獲得した知識だけでは経営企画部門では太刀打ちできないと考え、ビジネススクールにも通い出しました。
そこでは、実在の様々な企業の経営ケースを基にした戦略の検討やディスカッションをすることで、少しでも現業に近いところの感覚を手に入れたいと通っていました。
そのような中で財務経理部門出身で中堅社員だった部下のA君に対して僕が発した言葉が冒頭の言葉(暴言ですね。)でした。
管理職の立場として、業務の効率化であったり、有効化を考えて
部下の方々に提案をしていたつもりで僕はいたですが、中堅のA君からは
ことごとく(というような気持ちになっていました)反論を受けていました。
最初のうちは、反論するA君の真意を図ろうとしてみたりしましたが、
その内に、腹が立ってきて、冒頭の暴言につながりました。
この暴言を吐いた後からは、確実に人間関係が悪くなり、
日頃からのコミュニケーション頻度も下がり、話す内容も要点のみと
なっていったような記憶があります。
(きっと、僕の話し方もトゲがあるようになっていっていたのだろうと思います。)
その結果、業務の中心的存在を担ってくれていたA君にまつわる業務進捗状況がどんどんと掴みづらくなり、上司から全体の進捗確認を受けても、
中心部分の的確な報告ができなくなり、上司からも部下&業務マネジメントが悪いという叱責を受けるに至りました。
会社に向かう足取りがとっても重くなり、憂鬱になり、
月曜の朝がとってもどんよりとして気持ちになっていました。
「垂水さん、なんだかいい匂いしているわね。ラベンダーかしら?」と
隣の部署の同僚管理職の方にそう指摘されたのを憶えています。
実は、ストレスを少しでも軽減できればと、ラベンダーのアロマオイルを
手首などに垂らしていたのでした。それほど、何かにすがりたい気持ちだったのだと思います。
正直言って、
自分に自信が持てていなかったのだと思います。
自分は14年間営業は経験してきていましたが、本社業務、企画業務に関しては素人。
資格勉強やビジネススクールで手に入れたものはあるものの、実践とは異なります。
そんな自分が、企画部門で戦力になれるのか?
ましてや、管理職として部下の方々をまとめるとなると・・・・。
要は、営業しか経験していない自分が、本社企画部門の管理職として
居座る価値があるのか?
管理職と名乗る資格はあるのか?
部下の方から能力を認められ、信頼を受けるに値するのか?
が不安でしようがなかったのです。
「自分の居場所がこの職場にはない。」と恐れおののいていたんだと思います。
だから、知らず知らずのうちに「自分の意見を通す」「自分の言うとおりに従わせる」ことで「マウンティング」して自分が部下の方々よりも優れていることを証明して、その結果、不安をかき消そうとしていたのだと思います。
(たちが悪いですよね・・・・。苦笑)
結局の所、
管理職たるもの、業務において部下に勝り、業務の全てを把握しており、
常に的確な判断をできる。これが管理職として重要であり、それでこそ部下から信頼を受けるのだと信じ込んでいたのだと後で気づきました。「あるべきリーダー像」を勝手に仕立て上げていました。
でも、永年経験してきた部署で昇格したのであれば、可能ですが、
他部署。他のジャンルから異動してきて管理職になる場合、無理な話ですよね。
永年やってきている部下に軍配が上がるのはどうしようもありません。
憂鬱な通勤時間、憂鬱な業務時間が続き、瞬間的なラベンダー効果も持続性が低く僕にはあまり役に立たず。困り果てた後に、上記のことに気づいたことが僕を暗いトンネルから脱出させるきっかけになりました
「部下の得意ジャンル、部下と同じジャンルで張り合っても、どうせ勝てないわ。」
「そこで優位性を見せつけて、自分の能力・管理職としての存在価値を証明しようとするから地獄を味わっているんだ。」
「あるべきリーダー像を完璧なものに仕立て上げ、そこを目指したことが自分を苦しめているんだ」
「部下の得意ジャンルは部下に任せよう。」
「僕は僕の得意ジャンルで、能力を発揮しよう」
そう思え直せたことで、随分と気が楽になったことを今も憶えています。
じゃぁ、僕の得意ジャンルで、この部署で役に立てるものはなんだ?
これを真剣になって考えました。
14年間営業で培ってきたのは、自社商品を魅力的に伝えたり、交渉をしていくこともありますが、それだけに終わらず、次のようなことも鍛えられました。
・顧客のトップを巻き込んだ企業対企業の取り組み化(単なる営業とバイヤーとの交渉に終わらせない)
・顧客のトップ、責任者などへの配慮・根回し、交渉力
・プロジェクトを円滑に進めるための俯瞰力
このようなところは、何度も失敗や上司からの叱責を受けたりで、随分と鍛えられました。
私の部署は国内の子会社・関係会社の経営支援を担っていたので、
子会社・関係会社の社長・役員の方を相手にする機会も多かったのです。
こうした方々を巻き込み、子会社それぞれが前向きにグループ全体の一体感に取り組んで貰えるための交渉。根回りなどは、営業当時の経験が最も活かされるところでした。
(子会社の社長は、大概が親会社の役員を退任された方で、一家言をお持ちで、自分のお考えをしっかりとお持ちの方々ばかりでしたので、そうした方々を巻き込めるか否かがそれぞれのプロジェクトの成果にも大きく影響があった)
これこそが、僕の得意分野だと思いました。
なので、プロジェクト全体のビジョン・戦略案の立案(これはリーダーの大切な役目でもある。この部分は、中小企業診断士やビジネススクールで培った全社観点や戦略思考が役に立った。)に加えて子会社社長の巻き込み、プロジェクトの全体調整などは僕が自分の得意分野として担い、それぞれのタスクの方針:進行は、部下に任せる(基本方針は立案は部下、僕とすり合わせ。進捗は適時共有)といった具合に、いちいち口を出さないことにしました。
この事を職場で宣言し、任せていくことを始めたところ、見る見るうちに
部下の方々とのコミュニケーションが良くなっていき、僕のストレスも軽減しました。中堅社員のA君との関係もみるみる良好になっていきました。
「もう、自分を証明しようとしなくていいんだ〜。」
こんなことを一人で飲みながら、飲み屋の天井を見上げて呟いたのを憶えています。
「自分の居場所」を見つけられた瞬間でした。
こんな僕の経験が、以前に投稿した
<期待や役割へのあなただからこその応え方は?>
〜人生のオーナーシップを自らの手に〜Vol.6
でご紹介した考え方に繋がっています。
ちなみに、暴言吐いたのは、既に100時間のコーチング実践、対面試験を経てコーチングの資格を獲得した後の頃です。
コーチングとは真反対のコミュニケーション。
(資格返上ものですね。苦笑)
それだけ、人の不安や恐怖は、正気を失わせます(笑)
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自分が大切にしている「人生のオーナーシップを自らの手に」という世界観やこの言葉の言霊が僕に体験させてくれたこと、僕が思っていることを発信していく時期に来たという感覚に従い、不定期ではあるものの、発信を始めてみました。
(何も真理を説くつもりはありませんし、どれも私の仮説です。)
ご覧になって頂いた方の何かしらの参考や刺激になれば嬉しいです。
では、また。
エグゼクティブ・コーチ
ヴィニー垂水
自分の人生のオーナーとして主体的に生きることで、自分が持つリソースを気づき、最大限に活かすマネジメント・リーダーシップを発揮したいという方は↓
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