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権利関係と映り込み問題はクリエイターなら正しく理解!

どうもnoteではお久しぶりです。
こっそり完全フリーランス化して1年目、ちまちまとお仕事をしていますがほそぼそとやっていることやネット上では全く響かないリアル繋がりでのお仕事が大半を占めていること、誰かの参考になるほどのすごい稼ぎをしているわけでもなくという状況なのでそちらの情報を書くことはなさそうです。

ちょっと気になった権利関係のお話

見ちゃったわぁ…

さて、先日ですが「とあるYouTuberさん」の初期の動画を拝見しました。
今では何万人かの登録者がいるかたの数年前の1本の動画です。

その方に対しての話ではないので、ジャンルもその他もここでは控えさせて頂きますが、その回は「あまり登録者がいない状態のYouTuberがいきなり撮影許可が取れるのか?」のような内容でした。
これ、見る前から「無理じゃないの?」って思ってたんですが、案の定「無理」と断られてました。さらに取材依頼された側も若干問題発言があったのでそこはまぁ…という感じ。

最後にその方は動画内で「◯◯人ぼっちの登録者では許可が下りなかった、メンタルがやられた、二度とこの店には来ない!」と発言されていましたが、見てるこちらの印象としては「そこじゃない、守らなくてはいけないところを守らずにいたから断られたんだよ」でした。
さらに逆恨み発言はよくないなぁという印象。
その後努力されて登録者を増やされた方のようですが、この発言を見て私はこの方の動画を見る気がなくなりました…。

まず、こういう「発信」をする際に最も気をつけたいのは「登録者人数」ではなく「権利関係に対しての知識(著作権・著作隣接権/肖像権・パブリシティ権/施設管理権/契約)」の方だと思います。

動画の主さんは、いきなり自分がたまに行く店に行って、いきなり「撮影していいですか」と聞いていました。おそらくお店によっては許可が下りたと思われますが「商品を買っているところを撮影してユーチューブに流す」というところでNGが出たようです。
確かに、商品を買う場面を撮影、となると下記が関係各位となってきます。

・その商品それぞれの仕入元の許可
・商品のデザイン関連の著作元の許可
・店内に他のお客様がいる場合はその方の許可
・その他、映り込む可能性があるものに対しての許可が必要なものの確認

事前に問い合わせしていたなら、もしかすると関係各位に確認を取った上でOKになっていた可能性もゼロではなかったかもしれません。
もちろん、それでもNGだった可能性も十分にあります。
そのお店独自で作成したものなんかだとまだハードルは低かったんじゃないかとは思うのですが、仕入れたものだと複雑ですよね。そういう背後関係まで確認できていなかったというところ。

きちんとした手順を踏んでからであれば、がミソで、登録人数は関係なかったでしょう。逆に有名人でも手順を踏まなければ許可なんておりないどころか訴訟問題に発展しかねないと思われます。

撮影許可って何?

まず、基本的に権利が何に対して発生するのか、どこまでOKなのかという周辺知識は必須なんですね。昨今このあたりは「著作権問題」なんかでバズったりする人が出てくるくらいなので、頭の片隅にはあるワードかと思います。

結構いろんなものに権利は存在しています。例えば、

友達同士で行った旅行先でいろんな動画を思い出に残すために撮影した。
行った先は、個人経営の素敵な旅館、ランチを食べたお店、お土産を買ったお店数件、旅行先の観光地複数、行き帰りの空港〜飛行機まで。

友達同士での撮影、帰ったあともオフラインで個人的に見た、または一緒に行った友達や別の友だちと一緒に動画を見た、なんかは「個人的利用」の範囲内でしょう。

ところがこれのできが良かったからと言って「vlog」として何らかのSNS等で世界へ向けて発信してしまうと、結構大問題になりかねません。

上記の例でいくと、
・旅館の中の撮影許可
・ランチのお店の店内および料理の撮影許可
・土産店の撮影許可、または商品の仕入元(メーカーや商店)の許可
・観光地の許可(これ公共になると市町村、または国レベルへの申請になるのでかなり大変)

他にも、もし道路にカメラを置いて撮影していたりした場合、ちょこっと撮影してはい終わり、なら問題ないのですがそれなりの時間をかけて人の流れを止めたりしてしまっていたような場合なんかは、警察に道路使用の許可申請を出しておかないとまずいこともあります。(OKが出る場所の難易度で許可の難易度もかなり変わります、あとお金いります)

川や海などは風景を映すだけならOKの場合も多いですが、状況によっては申請が必要なこともある。申請先は国土交通省の河川事務所もしくは地方自治体の土木事務所、またはそこに設置されている施設での撮影なら施設管理者への申請など。

あ、もちろん施設(公共以外)や商店の撮影許可には、「善意で無料で撮影OK(宣伝の対価?)」という場合もあれば「貸し切りor利用料の支払いで撮影OK」という場合もあるので、簡単にただで撮影できるパターンばかりではないということも頭の片隅に入れておくほうが良いでしょう。

さらに、他に映り込んだ見知らぬ人にも配慮が必要だったりするので、本来はめちゃくちゃ大変な作業なんですよね。

じゃああれも実はNG!?

「でも、SNSでみんな発信してるのに!」
という声もあるでしょう。

はい、本来はNGです。下手をするとあれも許可取ってないと問題になる可能性は多大に秘めています。
稀に、「許可を取って撮影しました」と書いている人もいるくらいなので、できればご自身のためにも一言許可を取ってから、にしたほうがいいでしょうね。

「店内撮影禁止」って気づかないところに書いてあるお店もありますし、気軽に撮影はやめたほうが吉でしょう。(「知らずに撮影された分は…」と濁してくれているお店もありますが、バレたらNGになりますのでご注意を)

文化庁のサイトが実はとても参考になります

こういう関連ではたまに時間があれば見ておいたほうが良いと思われる「文化庁」のホームページ。こちらに色々と疑問点の解消に役立つ「きちんとした情報」が掲載されています。

個人ブログよりよほど頼りになりますので、ものづくりをしているクリエイターさんは一度は目を通しておいても良いんじゃないかなと思います。

いわゆる「写り込み」等に係る規定の整備について(文化庁HP)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/utsurikomi.html

うん、映り込みってとっても面倒(編集するにしても、です)。

こういうのを考えると、配信許可が出ているゲームの配信なんかが流行するのはとてもわかります…(許可関連の難易度が低いから)。

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