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門下生作品講評【No.14】

◉大阪教室 光蘭さん
『残』(途中経過)

一本二色技法、いわゆるグラデーション。
一本の筆で、一気に二色(薄い墨と濃い墨)を
書くというやり方。

これは、理屈はわかっても、
薄墨の調合や、乾いてからじゃないと
どのくらいの濃さかわからない、など
薄墨を作ること自体が難しいです。

更に、一本の筆に
2種類の墨をつけるのですが、
つけ方も難しい。つける量が難しい。

筆の動かし方も難しい。

そんな難しいやり方に
あえて拘って、なんとかこれでやり切りたい、
との思いが光蘭さんにはあります。

4時間の講座のうち、
3時間は、思う通りの濃度にならず、
(乾くまでわからないので)
とても苦労していました。

薄すぎる…が続いていました。

え?薄すぎるなら、墨を足せば良くない?
と思われますが、
確かに、足しますが、
これはやっていく過程で、
濃い墨はだんだん薄くなっていきます。
(文章で伝えるのはなかなか難しいのですが…
薄墨がたっぷりついた筆を
濃い墨に入れるわけですから……)

なので、やればやるほど、
濃い墨は薄くなっていきます。

「ちょっと濃いかなー」くらいでやるといいのですが、
書いてるその時は、濃すぎて見えるので
「え?ホントにグラデーションになる??」と
不安になりますよね。

乾いてからじゃないと、わからない。
感覚的なテクニックも必要。

再三言っている事ですが
「一枚にいかに時間と手間と技術をこめるか」。
それができた作品は、見る人を感動させる。
そう信じて、やるしかないですね!

やっとやっと理想のグラデーションができました。

実は、ここにもう一文字書くんです。
『残』という字だけで4時間かかりました。
さて、ここにもう一文字を
どうやって書き入れるか。

楽しみですね!

2023.07.22@大阪府大阪市

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