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北海道旅行 5~8日目

五日目は二日酔いを引きずって午後三時から出発し、知床に向かう途中の摩周を目指しました。


夕方ごろに立ち寄ったのがアイヌコタンでアイヌ文化の風景や空気感に初めて触れることが出来ました。もともとゴールデンカムイというアニメが好きだったので一度見たことはあるようなものがいくつかあったけど、それでも実際に目にすることにはかなわないと感じました。道中、信号もなくただ広い山道の中を車で通りながら「本当にこんな場所で人が生活していたのか。」と考えていたけれどアイヌの生き方を知りとてもたくましく生きてきた民族であるということがひしひしと感じられたとても良い経験でした。


野営場に着きテントを立てたころにはすでに周りが暗く、車のライトには虫がびっしりと張り付いてきたので暗闇の中でテントを立てました。夕食は美味しいと聞かされていた「弟子屈ラーメン」の本店に行く予定でしたが遅くなってしまったので諦め、一旦旅館の温泉に入ることにしました。
その日の夕食はセイコーマートのご飯を食べて寝ることになりました。初日よりは街に近いものの虫よけのために暗い環境だったので多くの星を見ることができました。


六日目は早朝に摩周湖を見に行くことから始めたのですが前はあまり見えないほどの霧でまりもを眺めることができずにテントに戻りました。
知床に向かう途中で【天に続く道】というとにかく長く先が見えない道を通ったり人生で初めてオホーツク海を見たり、遠くに見える網走を眺めたりしていました。

天に続く道 名もなき展望台より

 その後、最初の知床八景【オシンコシンの滝】を見て、おみやげ店においてある鹿の角の安さと熊の爪の高さのギャップに笑ったり、見たことのない蛾が自販機に止まっていたのを写真に撮ったりして目的地へ進みました。

 知床世界自然センターでは知床に住む生き物たちについて学びました。ヒグマやエゾシカだけでなくマスなどの魚、ウミネコやケラマフリのような超衣類まで色んな生き物がいることを知りました。ウミネコと海カモメの違いなどの面白い話から知床先端部の自然を守るための取り組みについても知ることができました。
 またクマやシカとの安全な距離を保つための窓付き用紙をもらい、自分はケラマフリという鳥が可愛いと思ったので鳥類のマグネットを買いました。昼食は隣にある道の駅のようなところで取ろうとしていましたが評判が高いお店があるということで、近くにある「ウトロ漁協婦人部食堂」でいくら丼を食べました。この食堂がとても人気で列で待っている間に勉強したばかりのカモメを撮影していました。いくら丼はとてもいいいくらが使われていたようで最後のほうは食べるのが苦しいほどの贅沢でした。「2000円って高いな」と思っていたけどこの質でこの量はかなり安いほうだったみたいです。

知床八景のうちいくつかを見てキャンプ場に戻りました。まずはオロンコ岩という大きな岩に登りました。数日前に2091mの旭岳を登山したばかりなので簡単だろうと思っていたのですがカンカン照りの太陽とかなり急な階段でへとへとになってしまいました。オロンコは「そこに座っている大きな岩」というような説明書きがあり登って周囲を確認するとオホーツク海を眺めることが出来ました。また世界遺産自然センターで初めて知ったケイマフリという鳥と思われる群れがみれたのでよかったです。


ケイマフリと思われる黒い鳥の群れ


そして知床自然センターに戻って知床八景の「フレペの滝」を見るためクマが出るらしいという道を通りました。クマという恐怖がつよく、ずっと手を叩き自分の居場所を知らせることに必死になりながらなんとか臨むことが出来ました。「フレぺの滝」は別名「乙女の涙」と言われており、高いところから勢いがあまりなくチロチロと落ちてくる様子を乙女の涙に例えたそうです。少し入り組んだところにある滝とオホーツク海を一緒に取りたかったのですが高さと画角の狭さから滝単体の写真しか撮れませんでした。それでも写真を見れば視界が悪い砂利道を進んだこと、人とすれ違った時の安心感、糞を見た時急に感じた野生の怖さ、滝を見た時の言葉にできない達成感を思い出すことが出来、改めて写真の良さを感じた出来事でした。


白く見える部分が滝です。

フレぺの滝を見た後は「秀逸な道」といいう標識がある道で1m先にいるシカの親子を見ました。そしてキャンプ場横にある『ウトロ温泉 夕日台の湯』という温泉に入りました。お湯がとても熱く30秒つかれば上等な沸かし湯と、木々に隠れた海や夕日が見える露天風呂を楽しみました。ウトロはカラスが多い地域なのかわかりませんが会話している三羽のカラスを眺め外気浴して過ごしました。
お風呂から出た直後が夕日の沈み始める時間帯でした。夕日台という知床八景の一つがキャンプ場の一角にあり、一番乗りで場所を確保し夕日を眺めたり写真を撮っていました。今まで夕日は赤やオレンジに撮れるものだと思っていたのですが「見たままに撮りたい」というのが自分の好きなスタイルなので試行錯誤し、なんとか沈み切る直前に青とピンクのグラデーションを感じる写真を撮ることが出来ました。多くの人は沈んだことを確認するとぞろぞろと帰っていきましたがその後も空の色を見ながら三人で余韻に浸ることが出来ました。



夕日を眺め後はご飯を食べて寝るだけだったのですが、「熊の湯」という温泉にどうしても行きたいという彼女の意見で夜にキャンプ場を出ることになりました。無人温泉でクマが出ることもあるという温泉に自分と後輩はビビってしまい必死の拒否でなんとか熊の湯に行くことは免れたのですがその分彼女のご機嫌を損ねてしまいました。シカを見た秀逸な道は、夜になると星見のスポットになるようで天体に詳しい先生と生徒の集団がいたので少し話を盗み聞きしながら星を見ました。声がとてもいい先生で「織姫と彦星は15年若い姿を見あっているんだ。」というセリフがとても気に入ったので車の中で何度も言ってしまいました。車を走らせているといいパーキングがあったので駐車して空を見ることに。一面だけ少し山に囲まれていたのですが綺麗な星空を見れました。流れ星を見ることができて満足したのでUターンして帰ろうとしていたら「知床峠」と書かれた石碑がありましたが何も見ていない体でキャンプ場に戻りました。ちょっとご機嫌ナナメな彼女のケアをしつつ眠りにつきました。

翌日は忙しく残りの知床八景を見て釧路まで移動する予定でした。

まず自然遺産センターに向かい15分のレクチャーを受けてシカやクマがでる自然が残っている「知床五湖」を歩きました。前日の夕方ごろにあるグループが自分の居場所を知らせ続けることを怠ってしまい、熊と鉢合わせ突進威嚇されたという話を聞いてとにかく手を叩き続けました。日本一デカい蟻🐜やマツタケのようなきのこ、ハスの花などを見つつ足を進めました。序盤はとにかく暑かったことと熊への恐怖心からあまり楽しめなかったですが徐々に周囲を確認するようになり、木陰に隠れた水辺をみて癒されました。湖はどれも同じような雰囲気だったので特別この湖がよかったというのはないですが人が整備していない自然を見ることが出来て満足でした。森を抜けるとクマが入れないように作られた高架道があり、クマの心配をしなくてもよくなったのでかなり安堵しました。海を背中に羅臼山を見ることが出来ました。8月なのに山が白いので雪かと思っていましたが硫黄のせいで白くなっているようでいろんなことを学べました。

知床五湖のうち一つ目の「一湖」

知床五湖を出てそのまま「カムイワッカの滝」に向かいました。砂利道の林道を進むと不意に滝が出てきました。よく覚えていないのですが数段滝つぼがあるらしく、湧いているのが熱湯であるため上に行けば行くほどお湯になるそうです。滝登り体験もあったのですが時間の関係上滝を見るだけで次の目的地である知床峠に向かいました。


カムイワッカの滝


知床峠は前日の夜に来ていたのですがやはり夜と昼では様子が全く違いました。とても天気がよく、峠の先には国後島を望むことが出来ました。北方領土についての看板もあり問題について考えさせられつつ目の前に広がる森にいる赤い鳥を探しました。


知床峠を超えると羅臼でした。セイコーマートでお弁当を買って羅臼の海を見つつお昼ご飯を食べました。後輩の希望だった農場横にあるソフトクリーム屋さんに行くとすぐ近くの高校生がたくさん来ていて放課後に買い食いしているようでした。ソフトクリームは元から美味しいところに北海道で農場に囲まれて食べているというバフでとても幸せを感じました。

キャンプは達古武でしました。道中はタンチョウを見ることが出来ました。沖縄子供の国にもタンチョウが二羽いるのですが毛がバサバサで、北海道のタンチョウがいい毛並みをしているところを見るとやはり自然で生きることが生き物にとって最も重要なことだなと感じました。

ひなも見ることが出来ました。


オートキャンプ場はシャワー有り、焚火セット貸出有り、駐車場有りなどとてもいい場所でした。
焚火したかったのですが、金額的にやや高いと判断して焚火はできなかったのでいつかリベンジしたいです。夜はとにかく蚊が多く、蚊取り線香も虫よけスプレーも効かないため一晩で60か所近く蚊に刺されました。湿原を望んでのキャンプもいいなと思いました。

朝起きるとシカの群れがキャンプ場の中を散歩していたので写真をたくさん撮りました。シカは草しか食べないのかと思っていたら桜の葉やスイセンの葉も食べていたのでたくましさを感じました。

軽く散歩をしていると湖に多くトンボがいることがわかりました。赤とんぼやルリイロイトトンボ、シオカラトンボやオニヤンマまでたくさんのトンボを見ることが出来ました。その後曲がりくねった釧路川と湿原を眺めることが出来るスポットに行きました。
初対面の方たちがお互いに写真を撮りあい仲良く会話している様子を見て「これが観光地の良さだな。」と感じました。自分たちもその方に何枚か写真を撮っていただきました。

釧路湿原を後にして釧路市街に入って和商市場に入りました。自分で海鮮丼の儀剤を決めることができる「勝手丼」を三人それぞれが思うままに作って食べました。

道東でしか揚がらないものも多いそうで初めて食べるものが多かったです。
左側に生ニシンは脂がとても乗っていてお米が欲しくなる味でした。ホッキ貝の耳や聞いたことも見たこともない魚のお刺身も食べることが出来て満足でした。エビ味噌に挑戦してみたけれど思ったより苦手な味だったので残念でした。

ご飯を食べたあとは市場内でお土産を見て回りました。いわゆる「美味しくてお高いもの」が安い値段で売られていたので楽しかったです。干し物がたくさんあり、鮮魚も山のように積まれているだけでなく野菜や果物、お弁当が売られていたので普段市場に行かない自分にとってとても新鮮な経験でした。おみやげは干し物を選びました。ビール好きの人や泡盛好きの人に合った干し物を教えてもらい、少しだけまけてもらいつつお土産を買いました。

夕方には後輩の実家に帰ることが出来たので5日間お世話になった車とテントを洗い流しました。よく晴れる地域で、直射日光の中浴びる水はチ手も気持ちよかったです。

晩御飯は後輩のお勧めの焼肉屋さんに後輩のお兄さんと行くことになりました。ジンギスカン、サガリ、ホルモン、タンを食べたのですが、お兄さんお勧めのサガリが本当に美味しくて柔らかいお肉と甘い脂に白米が合いました。塩コショウとレモンだけで食べるのがお勧めだそうで白米を二杯食べ、ビールもたくさん飲みました。高校の修学旅行で北海道に来た時にラーメン横丁で「北海道には食べ物しかないから食べ物でお金ケチっちゃだめだよ。」と言われたことを思い出し、とにかく美味しいものを食べ続ける旅が続けられてよかったです。

家に帰ってからはシャワーを浴びて旅に使ったお金を清算しました。
とても楽しいキャンプを経験させてもらうことができました。


5~8日目を思い出しつつ頭の中を整理していきました。二週間ほど空いてしまったので忘れかけている部分も多いと思いますが、後半戦だったこともあり若干鮮明に思い出せたことが多かったと感じています。
次はすすきのでのこと、旅行を終えてについて書き残します。


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