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【ベトナム語】『Ai lấy miếng pho mát của tôi (チーズはどこへ消えた?) by Spencer Johnson,M.D.

4月も後半になり、夏らしくなってきたハノイです。この夏に向けて本棚を整理していて懐かしい本を手に取り、久しぶりに読み直しました。

『Ai lấy miếng pho mát của tôi ?』は日本でも『チーズはどこへ消えた?』という題で有名ですね。

ベトナム題は"誰が私のチーズを取った?"みたいな感じ

Spencer Johnson,M.D.によって書かれ、1998年に出版されたこの本は、ベトナムでは2005年にNhà xuất bản tổng hợp TP Hồ Chí Minh(ホーチミン市総合出版社)から翻訳が出ました。

以前 話しましたが、2005年辺りは、ベトナム語で読書に挑戦し始めた頃で、そのとっかかりとして、有名だし、薄いから読めるかな?と手に取ったと思います。

しかし、これも以前話しましたが、当時はネット辞書も語彙数が少なく、Google翻訳も精度が低かったので、読み進められずに挫折。だいぶ寝かせる事となりました。

その後、歳を取るにつれ、将来への不安を感じるようになったり、未経験の分野に転職し奮闘したりする中で、またこの本に興味が湧いてきたわけですが、読み切る事ができたのはここ数年の話です。

その後、何度か読み直したので、今は躓く語彙や文法もほぼなくなり、そうなるとより物語に集中できるようになり、読解力が上がる楽しさも合わせて、面白くなってきました。

内容的には、二匹のねずみと二人の小人が、チーズが忽然と消えてしまった後、どのような行動を取るかというところが肝で、もちろん、新たなチーズを求めて、暗く恐ろしい迷路に足を踏み出すというのが正解ですが、小人の一人が、逡巡を重ねた後、現実から頑なに目を背ける相棒を置き、一人迷路に踏み入り、恐怖心と戦い、挫折を味わいつつ、だんだんとそこに生きる意味を感じでいく描写が好きで、後半からは一気に読んでしまいます。

そんな後半辺りから文章を抜粋してみます。
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Chậm Chạp nhân ra rằng trước đây chính nỗi sợ đã trói buộc cậu. Và khi tiến lên vào một hướng mới, cậu đã đã được cởi trói và cảm thấy tự do. 

=語彙=
-Chậm Chạp
  一人の小人の名前ですが、意味としては”遅い"、
  “のろま"みたいな感じ?
-nhân ra rằng ~  ~と気づく
-trước đây 以前
-chính まさに
-nỗi sợ (hãi) 恐怖
-trói buộc 縛る、拘束する、束縛する
-cậu  君 ※同年や近しい間柄で使う"あなた"
-khi ~する時
-tiến lên vào ~へ進む
-hướng mới 新しい方向
-được cởi trới  解放される
-cảm thấy 感じる
-tự do 自由

=拙訳=
チャムチャップは、以前は、まさに恐怖心が自分を縛り付けていた事、そして、新しい方向に進む時、自分は解放され、自由を感じる事に気づいた。
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いわゆる自己啓発書ですが、寓話の形を取っていて、慣れない形容詞や成語、文体に手こずるところはありますが、話はシンプルですし、分量も少ないですから、ベトナム語多読のきっかけに良いかもしれません。

発展著しいベトナム、書店には多くの自己啓発書が並びます。ラフな言い方ですが、だいたいそういった原則の大元は一つであり、後は時代時代で、その表現方法が変えられ、書き手の新たな考えが足されたりしていくといった感じでしょうから、個人的には、なんでもかんでも読むのではなく、代表的なものを数冊読めばそれで良いかと思います。

マニア的には、各書き手が、どのような新しい手法で、既存の概念を新鮮なものに変えていくかという視点で読み比べるのもまた面白いですし、またベトナム語で読めば、単純に語学学習になりますから、興味を引くもの(著者の経歴など)があれば、時々、自己啓発書も手に取ります。

ちなみに私の『Ai lấy miếng pho mát của tôi ?』は2005年版で、値札に18,000vndとありましたが、本屋で確認したら今は68,000vndでした。

今また変化の激しいこの世界、頑張って適応していきたいものですね。

〈終わり)

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