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近江神宮奉納演武2023

「百人一首」や「時計」で知られる近江神宮で演武を行った。

道場から、いつもお世話になっている大先輩が参加されることになり、その大先輩に付き添う形で私も参加する運びとなった。

御歳86歳の大先輩は、還暦を迎えてから居合を始められたそうだが、本当に86歳とは思えないほど御達者である。

それでも、お体に何かあっては大変なので、無事に演武会場までお連れするのが私の今回の役目だった。

最初は、そのような付き人程度の意識だったのだが、晴天に恵まれたドライブ日和の下で、大先輩ともう1人の先輩を乗せて3人で談笑しながら車で進んで行く中、段々とやる気モードに突入し、意気揚々としてきた。

会場に着くと、既に参加者の半数以上が開始の1時間以上前に到着されていた。

紋付袴に着替えて、他の道場の方々と挨拶を交わしてから、大先輩の過去の記憶を頼りに、演武する場所へと移動した。

演武の前に、神社の本殿の中へ全員で入り、参拝した。

神様へのお祈りが済み、いざ演武会の開始。
まず、この演武会を主催されている道場の会長が四方祓いをされ、その後に槍術、杖術の演武、そして組太刀の演武が行われた。

それから、段別に居合の演武が始められた。
私は弐段なので、すぐに順番が回ってきた。

この日、屋外で、裸足で白砂の上で演武することを初めて経験した。
足袋を履いていなかったが、特に足の裏に痛みもなく、また他の参拝客が立ち止まって見物したりすることもあったが、全く気にならず、無駄に気負うこともなく、自分で言うのも何だが、「威風堂堂」と演武することに集中できた。

それは、演武前に参拝したときに、宮司さんの祝詞を聞いたときに、気を落ち着かせることができたからかもしれない。

また、「時」の神様に、「時を少しばかり戻して、やり直させて欲しい」と強く願った分、神様に自分の最高の演武を見て頂きたかった。

その想いが果たせたかどうかは分からないが、少なくとも自分自身が楽しんで演武できたことは、やり終わって感じた。

無段から十段まで順にやっていき、演武会が終わり、その後は「お直し会」ということで、また皆で同じ部屋に集まって食事会が始められた。

最後の方では各道場の先生方がご挨拶をされ、うちの大先輩も道場を代表して挨拶を述べられた。
いたってシンプルで無駄のない、大先輩らしい口上だった。

帰りは、先輩方の御自宅の方までお送りし、何のトラブルもなく無事にお送りできた。
一応だが、この一日は道場のお役に立てただろう。

青空の下、立派なお社で、由緒ある神様の前で、自分の拙い業をお披露目したこともまた、大変意義のある経験になった。

今後、自分も大先輩のように、80歳90歳になっても心身ともに健康で居合を続けていけるように頑張りたい。

そして、居合だけでなく、仕事やそれ以外のことも全ては自分のため、自己成長への道であると思い定め、今自分の置かれている立場とその覚悟を受けいれ、何よりもそれを楽しんで、使命を果たしていきたい。

その道を進んだ先に、もう1段デカくなった自分を発見できることを信じて。

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