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書評『みこちゃん文章術 (みこちゃん出版)』

 『みこちゃん文章術』(みこちゃん⦅著⦆、THE NEW COOL NOTER 事務局⦅編集⦆)を購入し、本日読み終えたので、感想を述べさせて頂きます。
 まず、挿入されているイラストや写真、特にイラストのセンスがとても可愛いですね。文章の内容とのとても合っています。
 次に、本の紹介文で「文章作成術のノウハウを越えた、生き方そのもののノウハウ本」と述べられているおりますが、本の内容は正しくその通りです。
 そして、本を読んでいると、本を読んでいるというより、喫茶店で、みちゃんさんが開催する楽しい勉強会に参加しているような感じでした。「生き方そのもののノウハウ本」と詳解されていますが、「生きている本」という風にも言えるのではないかと思いました。
 さて、様々な有益かつ楽しい内容の中で、「『売る』と『購入する』の関係ではなく『教える』と『教わる』の関係を!」というみこちゃんさんの説明には、深い共感と再認識を感じました。
 書店やkindleを見渡しては、立ち読みして、よくよく考えてみると、どうも、「著者と読者の間で、情報や知識、心や時空を伝えたり、共有したりする」という執筆の意義(個人的な考え)を見失って、「いかに売り、いかに購入させるか」という利益至上主義的な感じが溢れていると、個人的に思わずにはいられない。
 だからこそ、本来の意義を失ったり、放棄したり、忘却したりしないようにすることが、執筆活動の重要不可欠な心構えではないかと、改めて認識することが出来た。
 ところで、本書で述べられている「プロのコーチ、プロの先生となって教壇の上から生徒を指導する」と言う箇所について、「寄り添う」や「補助する」等、最近よく言われている「『教育』ではなく『共育』を目指しましょう!」という考え方に類似や共通しているのではないかと思う。
 この点に関しては、自分も大いに賛同する。が、同時に敢えて猛反対する。
 確かに、小中学校や大学で、「教師」という人達が「傲慢」「上から目線」「独り善がり」等であり、これによって、嫌な思いをしたり、つまらない無駄な授業や課題の時間を過ごさなければならない、といった弊害や惨状を改善するために、「教育者こそが本当の学習者である」という教育の原点に立ち戻るために、「共育」をはじめ、「寄り添う」や「補助する」等のような方針や風潮が推奨されており、これには、自分も大いに賛同する。
 しかし、上記の自由主義的な教育観と同時に、自分は、「師」という「教育者としての権威」を非常に重んじる、権威主義的な教育観も持っている。これは、自分のベトナム戦争やホーチミン主席等の夢での経験や、小中学校で、平然と先生達に向かって「死ね」等の暴言や、女性の先生にセクハラ発言したり、男性の先生のコンプレックスを嘲笑する生徒達の悪態、そして、技能実習生や留学生の我がままや非行などに厳正な態度で臨んだ職務経験等を通じて構築した考え方である。
 だから、個人的に、「上から目線」や「偉そう」等と言った言葉は、「傲慢」等を意味する否定的・批判的な言葉だけではなく、「立派だなあ」という尊敬や追随等をも意味する言葉として、用いられていくべきであると強く思っている。
 また、この言葉の裏には、自分の劣等感や欠点・弱点を正当化するための、他者への攻撃的な投影の言葉として使われていることが非常に多いと、個人的に思っている。
 結論としては、教育者は、権威を持ちつつも、「共育」という方向へと進んでいき、学習者は、対等や公平を望みつつも、「学ばせて頂きます」という姿勢や心構えを以て、懐疑心や批判的思考を向上させながら、師に挑んでいく、というのが、自分の理想的な教育者と学習者の関係である。
 読者として、みこちゃんさんとTHE NEW COOL NOTERに深謝の意を表します。
 誠にありがとうございました。

 明日の土日およびゴールデンウイーク中に、第二作品目『修徳匡国 民徳のための八十六書』の執筆に取り組むが、早速本書で学ばせて頂いたものを、活用させて頂きます。

00_修徳匡国(表紙)1

00_修徳匡国(表紙)2



ありがとうございます。心より感謝を申し上げます。