ミロ 飲んじゃいました
いつもペットボトルに入ったミロ(飲み物)を飲んでいる作業員がいる。50代の彼は掃除部門、わたしは鉄骨部門で仕事しているため一緒に作業することはなかったのだがつい先日、なぜか大工部門のヤバい仕事を丸投げされたわたしは朝礼で言った。
「エレベーターの完成検査の日程に関わる重要な作業です。急ではありますが、どなた様でも結構ですのでどうかわたしと残業をして下さい。」
すると、ミロ(飲み物)が言った。
「ぜひ、自分にやらせて下さい。」
よく見るとミロではなくMILCOA(グリーンダカラちゃんの一種)という飲み物だったがもはやどうでもいい。コンビニではあまり売っていないのでどこで買ったのかと訊くと
「Amazon。」との答えが帰ってきました。
さて、このミロさん(人名)、麦芽飲料を飲んでいるからなのか会話のキャッチボールが上手く、ゾンビ映画「バタリアン」(85年 米)の話で大いに盛り上がった。脳みそ!こんな残業は久しぶりだった。
かつて残業をするときにはいつも仲間がいた。
映画、音楽、マンガ、みんなで作った残業オリジナルソング「Give up すっぺ」、キン肉マンのオリジナル超人「ヒューマン・ゴリラ」──
──わたし「中学ん時の同級生の女の子の兄貴が」
仲間「はい」
わたし「見た目不良なんだけどイラスト上手いのよ」
仲間「はい」
わたし「そしたら最近キン肉マンの読者投稿の超人にその兄貴が考えた超人が採用されててさ」
仲間「えっ、ヒューマン・ゴリラっすか!?」
わたし「そんな超人いたっけ」
なんの意味もない会話だったが今でも憶えている。
ミロさんは建築工事のキャリアは長くないため難しい仕事は全てわたしが引き受けた。
わたし「ミロさん体大丈夫ですか!?まだミロあるんですか!?」
ミロさん「ミロ 飲んじゃいました!」
残業は12時間かかったが、ミロさんには感謝している。
おわり
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