2023年 ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭レポート その3
みなさんこんにちわ。パリ在住の音楽ジャーナリスト、Victoria Okadaです。今年のラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭のレポートの第3回です。今回は音楽祭を離れて、ラ・ロック・ダンテロンの街についてレポートします。
宿泊はゲストハウスで
ラ・ロック・ダンテロン唯一のホテルは Le Mas de Jossyl といいます。音楽祭の期間中は演奏家や関係者が多く宿泊していることもあり、ここに部屋を予約するのは至難の技です。
しかし、市内のフロラン公園から遠くない場所に、ゲストハウスとして自宅の空き部屋を貸し出しているご家庭がたくさんあります。フランス語ではこれらの部屋のことを chambre d’hôte シャンブル・ドートと言います。朝食や、場所によってはお手製の夕食も振舞ってくれます(別途追加料金)。どこも魅力に溢れていて、南仏の生活を垣間見ることができます。
市観光局のサイトには、これらの部屋を含め、宿泊できる場所が掲載されています。
私は今年は2回とも、あるゲストハウスにお世話になりました。すでに過去に何度かお邪魔したことがあり、再会を喜び合いました。
ラ・ロック・ダンテロンのレストラン
昨年もレポートしたレストラン ル・ボカージュ Le Bocage。今年もここで美味しいお料理をいただきました。
その他にも美味しいレストランはいくつかあります。
朝のコンサートの会場裏にあるル・グラン・ド・セル Le Grain de sel(「塩粒」の意味)は、コンサート後にアーティストと主要スタッフを交えて行われるディナーの持ち回り会場の一つでもあります。夜のコンサートの前には「音楽祭メニュー」があり、歩くと10分ほどかかる会場まで車で送ってくれるハイヤーサービスもあります。
また、メイン会場からすぐそこのカフェ・デュ・ミディLe Café du Midiでは、素朴な家庭料理で親しまれています。
オーナーのスザンナさんとギィさんは、音楽祭のパートナーとして多くの演奏家に食事を提供してきました。ギィさんの歌うような南仏訛りは筋金入り。スザンナさんの立派なサイン帳には錚々たるピアニストたちの筆跡が並んでいます。Facebookページ(上のリンク)には、スザンナさん(時にギィさんも)が、お食事に訪れたピアニストとともに記念撮影した写真がたくさんアップされています。ニコライ・ルガンスキー、ユリアンナ・アーヴデーエヴァ、ブルース・リウ、ケヴィン・チェン、ネルソン・ゲルナー、アルカディ・ヴォロドス、ルイス・フェルナンド・ペレス、クリスティアン・ザカリアス、今は亡きニコラ・アンゲリッシュ…と錚々たる顔ぶれ。そして今年はアディ・ネイガウス君と藤田真央君も。
レストランではありませんが、アイスクリームのお店 Le Quillé はラ・ロック・ダンテロン名物の一つ。フロラン公園を出て緩やかな坂道を上り、公園の敷地が切れたところの広場にあるので、いやでも目に入ります。夕方になると、パラソルで覆われた広いテラスでたくさんの人がアイスクリームやパフェを楽しんでいます。サイトを見ると、他にも周辺の景勝地3箇所でも営業しているようです。
ささやかなショッピングも楽しみの一つ
ラ・ロック・ダンテロンで私が毎年行くお店に、Marie Douceursというところがあります。
音楽祭のメイン会場から歩いて5分。蜂蜜、ジャム、オリーブオイル、オリーブ製品、パテ、ビスケット、お菓子類など全て現地生産で、有機食品が中心です。私は毎回ラ・ロックで取れる蜂蜜を買います。蜂蜜は花によっていろいろな種類があり、今年はラベンダー蜂蜜を買いました。1kgで20€。物資やエネルギーの値上げに加え、ガラス瓶も値上げされたということで、昨年からちょっとお値段が上がっていました。残念ながら写真を撮るのを忘れてしまったので、上のリンクで見てください。
そして今年見つけたお店がこれ。コルシカ産の生鮮野菜・果物・食品を売っています。もちろん有機栽培です。去年できたお店らしく、市の公式サイトにもまだ載っていません。外観も内部もシンプルそのものですが、明るいオーナーの方が親切に迎えてくれ、お買い物ガイドもしてくれます。私はオーナーの女性オススメの黄色いトマトと、緑オリーブのタプナード、レモンとオレンジの飲み物(ソーダ?)を買いました。
木曜日の午前中には市(マルシェ)が立ちます。新鮮な果物や野菜のほか、衣類も安く買えます。
出発の朝、部屋からは美しい朝焼けが見えました。
トップ写真はラ・ロック・ダンテロン周辺のぶどう畑 © Victoria Okada
写真は無断転載を禁止します。
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