出会いの場

ユーロ2020が開幕した。6月11日、ローマオリンピックスタジアムで、イタリア対トルコ戦で幕開け、国の威信をかけた熱い戦いが7月11日まで続く。

これはサッカーのヨーロッパの国別対抗戦で、四年に一回行われる。予選は2年くらい前から始まり、24チームが出場。4チームずつ、6グループになり、グループリーグは総当たり戦、上位2位がトーナメント出場で、3位はよそのグループの成績次第でトーナメントに出れるか否かという感じである。そして、トーナメントは一発勝負で争われ、優勝が決まる。

開催国は普通は一つの国でその国のいろいろなスタジアムを使ってというところだったが、今回は分散開催で、ヨーロッパの各地で開催である。本当は2020年開催だったが、コロナで一年延期で今年になった。スタジアムもコロナの政策等があり、難しいと判断した国は開催権を返上している。(アイルランドなど)

開会式などは派手に毎回やるもんだと思っていたが今年はコロナなので、制限があり、それでもローマでは一応開会式をやった。アンドレアボッチェリが出てきて誰も寝てはならぬを歌って、花火が上がってさあという感じである。まあ、確かにサッカー始まったら寝てる場合じゃないんだよね。選曲は悪くない感じであるが、なんだろう、なんか、何かあるとボッチェリおじさんが出てきて歌う。悪くない、というか、好きでも嫌いでもなかったが、この手のセレモニー系になると絶対に出てくるし、コロナ禍でいろいろな音楽を聴いてもあんまりしっくりこなかったが、割にこの人の音楽はそこまで気に障らないというか、悪くないなと思ってた。よその人もそう思うらしく、コロナ禍にこっそりやっているホームパーティなどに出たときに、よくこの人のCDがかかっていた。

正直、私の中ではあんまり盛り上がっていないというか、そりゃ見始めれば見始めたで、手元に試合予定をいつも携え、今日はどこそことどこ、とかそういう感じで、まあ、ほとんどの試合を見ている。昨日土曜は昼の第一試合がフランスハンガリー、2試合目がドイツポルトガルで夜はスペインポーランド、フランスドイツスペインと有力国そろい踏みで、3試合見てしまった。

まあ、これもう、みんなわかりきっていることだから、アレだけど、戦力的にどう見てもフランスが優位、他がどこまでフランスに食い下がれるか程度で、なんとなく先が見えている大会のような気がする。

あと、これはもうしょうがないことかもしれないが、予選をようやく勝ち抜いて出てきた小国の場合、数名は知っている選手がいても、他の選手が全く無名だったり(場合によっては就活とよばれる大会でもあるのはこういう選手がビッグクラブの目に留まる場合もあるので。)、選手のレベルがバラバラで、そういう国がフランスみたいな国と戦ってるのを見るのはかわいそうな気もしてしまう。

プラス、国によっては監督が「アレレ」というのがある。どこの国もそうだが、xx協会とかのしがらみがあって実績があんまりないけど、協会の好きな監督がずっと監督でいる国や、監督に払えるお給料も決まってしまっているところから、高給取りの選手に比べて監督のレベルが低かったりということもあり、正直、最高級食材を給食のおばさんが料理しているレストランみたいなちぐはぐなことが起きているのをまざまざと見せつけられたりする。(イギリスがこれ、いい選手いっぱいいるのに、なぜかイギリス人監督にこだわり、あまり戦術などがない、監督経験がないが、人当りはよさそうな人が監督やっていて、いざというときに勝てないチームになってしまっている。)あと、やはり協会がらみや政治的理由などで、後任がなかなか見つからず長期政権でずっと同じ人が監督の時などがある。そうなると戦術も古くて、招集される選手も毎度おなじみというパターンが多く、「もうちょっとなんとかしたら」という国もある。(ドイツなんかこの例であろう。)

あと今回メンバー見て思うのが、守備陣が経験値豊富な人が多く、というのは結構いいお年のおじさんが多く、若いのにスピードぶっちぎりで来られたらたぶん対応できなさそうなおっさんがたくさん出てきてる。(イタリアベルギーポルトガルなど)。世代交代が進んでいそうで進んでいないというか、「昔の名前で出ています」みたいな感じも結構ある。(「あ、まだこの人やってるのね」みたいな。)

(フランスはそういう意味では世代交代もうまく行っているし、監督も自分にかけているものはわかってるような人だし、若手もどんどん育っていて、そういう意味では穴がない。)

なんというかどこの国でもそういうのがあって、いろいろあるけど国の威信をかけて戦うんだよ!!というのはどこも一緒で、そういうチームが24チームそろって熱戦が繰り広げられる。

応援している風景を見て居て面白いのはイタリア人。結構喜怒哀楽が激しく、驚き方がいちいち芝居がかっていて面白い。なんかイタリア戦はイタリア人を見て居ることが多い。フランス人は割にシンプルに「アレーアレー」ばっかりなような気がする。ただ時々ほんものの雄鶏をトリコロールにスプレーして、かごに入れて持ってくる人がいるのは勘弁してほしい。頼んでもないのに、キルトを履いてくるのはスコットランド人。見ていて本当にもったいないなと思うのが、ちゃんとしたキルトの仕立て屋に仕立てさせてるようなものを応援に着てきて、ビールでぐしゃぐしゃになっているのを目撃する。いいところになるとカウベル鳴らすスイス人など、まあ、いろいろ見て居て面白い。

イギリスの場合はかなり気合が入っているフーリガンみたいなのがいる場合と、もっとカジュアルに「男女ともにイギリスのユニフォーム着て観戦。そして観戦が出会いパーティになっている」みたいな男女の出会い系も絡んでいる場合が多いか。

以外と多いのがユーロの試合観戦中に知り合った(ワールドカップも)というのが多いのと、あとは盛り上がってそれからということでそういう大会中に子供ができたという話もよく聞く。

まあ、そういう大会なのですよね。盛り上がってあっという間に一カ月が過ぎ、という感じである。でそれが終わったら東京オリンピックである。どうなるのだろうなあ。

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