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さらばメルセデス

長年、我が家はメルセデスに乗って来た。90年代初頭、NHKで自動車の衝突安全についてのドキュメンタリー番組を放映。国産車がぐしゃぐしゃになるのを横目に、メルセデスのボンネットは衝撃を吸収し、フロントのドアは普通に開いた。これを見て父は感化されたらしい。それ以来、ずっとメルセデスを乗り継いで来ている。 こんな話は暗に「うちはオールドリッチですPR」に過ぎないが、父はもう70。稼ぐだけ稼いで、老後を楽しんでいるからそれで良いだろう。で、私はどうなのか?というと、実はメルセデスを

    • シルベストリ

      私の友人がこの指揮者に取り憑かれている。私はLP時代の指揮者や録音など全く興味もないのに色々教えてくれる。喫茶店に入ると、どこのレコード店で良いレコードがあっただの、このレコードの前期後期があるだのと、とにかく詳しい。 シルベストリという名前は彼から始めて聞いた。聞くところによると、ルーマニア片田舎出身で、若い頃はロクなレコードを出していない。奇妙な動きでタクトを振ることに定評があるらしい。日本にも来日して、最後には日本語を少し習得したらしい。 少し彼のテイクを聴き込んだ

      • 失われた感覚

        最近、呑みに出ることが少なくなった。昔は会社帰りに2,3杯をひっかけに近隣のバーを探しては門を叩いてきた。社会に出てから大多数の時間を「飛び込み営業」に費やしてきた甲斐があって、事前情報の無い店でもすんなりと入店できる。もちろん財布事情も以前と違って若干の余裕があり、多少の価格設定だったとしても対応できる自信がついたのもある。 とある町にバーで食事ができるお店があった。昭和風情の佇まいで、今の奥さんと結婚する前に一度利用した。庶民的な雰囲気に騙され色々頼んだところ、会計が3

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