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五億の絵を見に名古屋に行く2

大須観音は兎に角ハトがすごかった。

下から見ても鳩
上から見ても鳩

手水場で鳩が水浴びをしているので手持ちのウェットティシューで手を清めて中へ。お線香が黙々焚かれて熱気がすごい。
名前にある観音様はどこにいたんだろうか…しばらく歩き回るも見つけられず、お参りの後に御朱印貰って撤収。
私は自転車通学をしていた高校生のころに鳩害で制服のスカートを汚したことがあるので鳩は好きになれない。怖い。

予定では兎の石蔵がある三輪神社にいこうとしていたのに寝不足と気温で脳が茹だり栄に向かう。体力が尽きる前に目的を果たすべきだ。

愛知県立美術館は市役所のような建物のワンフロアに入っていた。他の階でもコレクションの展示がいくつも行われている。
私はコレクション展が目当てだったのだが、せっかくなので企画展であるコスチュームアート展もみていく。


すじこ
パールの巻貝
貝がすき

撮ってきた写真を見てわかるようにジュエリーにあまり興味がないのがわかる。展示品よりも美術展にきている女性たちが思い思いに着飾っている様に目が惹かれた。
レトロな着物やバブルのころの肩パッドスーツ、クラシカルなロリータ。街中ではあまり見かけない服装の人たちがたくさんいた。皆おしゃれだ。

さて本命のコレクション展だ。
大入のコスチューム展に比べてこちらは人が少ない。五億の絵ことレオノーラ・キャリントン《ウルでの狩り》は展示室に入ってすぐのところに飾られていた。
そこだけベルベットブルーの壁紙が貼られていた。黒と銀があしらわれた堅牢な印象を与える額縁に収められた絵は思ったよりも小さく、そして静かな迫力があった。
絵を一枚見るだけでこんなにも遠出するのは初めてた。美術館や博物館を見るのは好きだが、大して勉強して詳しいわけでもないのに。それでも、自分の目で絵を見た瞬間に「来てよかったな」と思えた。
中央で血を流す巨大な怪物は目鼻も口も描かれていないのにもがき苦しむ声が聞こえてくるかのようだ。怪物を取り囲む人や猟犬と思わしきものたちはやけに冷静だ。自分の背丈の何倍もある獣に対して事務的に狩をしているように見える。
画面右上に浮かぶ青白い月を見る限り夜の狩なんだろうか。怪物以外が真っ黒なのはそのせいかもしれない。
この絵はキャリントが執筆した物語の一場面を描いたものらしい。是非とも本を入手し、物語を読み込んでからまた絵を見てみようと思う。その時はまた違った印象を受けるかもしれない。

コレクション店にはクリムトや青木繁の絵もありびっくりした。金あるな名古屋。インパクトでいえば猟師から譲り受けた鹿の血を画材に用いて描かれた絵がすさまじい。撮影可だったけど撮る気に慣れなかった。あの立ちすくんで見上げる感覚はその場にいないと味わえなかっただろう。

美術館を後にし栄駅地下ダンジョンへ。せっかくなら矢場とんとか食べたかったんだけど手短なトンカツ屋に入ってしまう。


みそとん食べときゃ名古屋っしょ

味噌は米にあうなあ。ご飯を食べて本日の最終目的地、天然温泉アーバンクアへ。
栄駅から無料送迎バスがでているので移動は楽ちんだ。内湯と露天で10種類くらいのお風呂がある。全部のお湯をたんのしてたら1時間半くらい風呂にいた。指の腹しわっしわである。
42度の酵素風呂→38度の炭酸泉→30度の源泉を繰り返し心地よい時間を過ごした。

鉄板ナポリタン とても熱い

わかめうどんが1000円くらいしたので、あんまりお腹減ってないし一番安い750円のナポリタンにしたらかなりガッツリしたのが来た。おいしいけど今じゃなかった。

たっぷり風呂と食事を楽しんで退店間際、精算機に向かうとキースへリングのTシャツ来た男性が精算機を壊してしまい精算が遅れバスを一つ逃してしまう。
仕方なく最寄駅まで向かうと、途中でリュックを持ってないことに気がつく。朝引いたおみくじにあった「盗難に注意」が頭によぎる。
湯上がりにダッシュで戻りなんとかリュックは見つかる。対応してくれた店員さんが「持ち物はすべてお揃いですか?」とか聞かれたけど余裕がなくて「大体あればいいです!」と訳のわからないことを言ってしまった。この時のお姉さん優しかった。こういう時に塩対応されると凹む。私も優しい人になろう。

帰りの夜行バスはWILLERのリボーンに乗った。一万円くらいする高級(私にしては)バスだ。自動リクライニング機能がついていて背もたれ倒し放題なのだが、なぜかボタンが反応せず背もたれ90度のまま東京に帰った。
帰り際にリクライニング壊れてること運転手に伝えた方がいいよな…と思ってリモコン操作すると長押しで動いた。一万円をドブに捨てた瞬間である。

自分のドジ具合に放心してたら帰りの電車の荷台にまたしてもリュック忘れかけて近くのおばあちゃんと少女に指摘された。
自分の愚かさに凹み人の優しさに触れる。そんな旅でした。

結論 連続夜行バスはやめろ

愛知県美術館 800円
おみやげネックレス 1200円
みそとん 1000円
温泉 三時間 1000円
ナポリタンと赤玉パンチ 1200円
家みやげのなごにゃんとかけてみそ 1000円

行き帰り夜行バス 14000円


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