J2第20節 ザスパクサツ群馬戦 プレビュー
8試合負けていなかったと思ったら、5試合勝てなくなってしまった。
順位もキープしていた5位から転落し、6位で迎える今節。
勝たなくては次に進めない。
1.対戦成績
これまで16度の対戦で甲府の10勝と相性の良い相手となる。
ホームでも5勝と勝ち越している。
直近10試合で見ても大きく勝ち越しているが、前回対戦はアウェイで敗戦を喫している。
勝ち越してはいるが僅差の試合が続いている。
2.前節
甲府
ホームに山口を迎えての一戦。
試合内容はこちらのレビューをご覧ください。
群馬
ホームに町田を迎えての一戦。
スタメンは前節と同じとなった。
立ち上がりは町田が群馬陣内でのプレーが多くなる。
共にボールを持つことを狙うが群馬がゴール前に入っていく形を作れるのに対し、町田は群馬の守備ブロックの外で持つ形が多くなる。
だが、共に大きなチャンスは作れず飲水タイムとなる。
特に町田はシュートを一本も打てず。
飲水タイムを経ても流れは変わらないが、33分に町田がファーストシュートから決定機を作る。
群馬のミスを突き、ボールを奪うと太田のスルーパスを受けた平戸がシュートを放つ。
松原が防ぎ難を逃れるが、このプレーで得たCKから町田が先制に成功する。
平戸がグラウンダーのボールを入れると佐野が合わせ、ゴールネットを揺らす。
失点をした群馬にアクシデントが発生する。
加藤が足首を痛め、交代を余儀なくされる。
代わって高橋を投入する。
高橋は左のSBに入り、久保田が一列前に入る。
サイドの高い位置を起点に群馬も攻めていくが得点は奪えず、前半は町田リードで終える。
ハーフタイムでの交代はなく後半へと入るが、群馬は両サイドを入れ替える。
田中が左に、久保田が右サイドに入る。
後半最初のチャンスは群馬。
北川が反転からミドルシュートを放つが福井が防ぐ。
後半は群馬が押し込んでいく展開を作る。
65分には久保田に代えて奥村を投入する。
リードしている町田は72分に選手を2人投入、追加点を狙う。
長谷川と平戸に代えてドゥドゥと鄭大世を投入し、ドゥドゥと鄭大世の2トップに中島が左、太田が右サイドと攻撃的な布陣に変更する。
追いつきたい群馬は79分に3人を交代する。
北川、金城、内田に代えて青木、平尾、白石を投入する。
勢いを増した群馬が押し込んでいき、町田が耐える展開となる。
町田は87分に中島に代えて水本を投入し、5バックに変更し守備を堅めていく。
90分には太田に代えて酒井を投入し、より守備を強固にしていく。
群馬の勢いを抑え込んだ町田が逃げ切り勝利を収めた。
3.今季成績
両チーム比較
8勝7分4敗で6位の甲府と4勝5分10敗で17位の群馬。
甲府はホームを得意としているが、2試合連続で引き分けと勝てなくなってきている。
一方の群馬はアウェイでは1勝と苦手としており、6試合勝てていない。
甲府
直近5試合成績
直近5試合は天皇杯含めて1度も勝てていない。
5試合で7失点と堅守に陰りが見え始め、得点も5と少なくなっている。
得点力は常に甲府の課題として付きまとっているが、今シーズンも苦しんでいる。
長年外国人ストライカーに頼ってきたチームだが、今シーズン獲得したリラ、バイヤの合流が遅れたこともあるがFW陣の決定力不足がチームの得点力不足の原因となっている。
ゴール、アシスト共にFWの選手の名前が無いことがわかる。
泉澤の得点力が増したこと、長谷川や関口、鳥海のルーキーが得点に絡めていることで上位に残ってはいるが昇格に絡んでいくにはFWの奮闘が必要となるだろう。
群馬
直近5試合成績
ここ5試合で見てみると2勝2分1敗と勝ち星が先行している。
アウェイでの京都戦では2度のリードを許しながら引き分けに持ち込み、水戸との「北関東ダービー」は2試合とも勝利を収めている。
クロスの数はリーグ3位であり、セットプレーもリーグで上位にいることがわかる。
クロスやセットプレーからゴールに迫りたいチームだが、枠内シュート数が下から2番目と精度を欠くことでリーグ19位の得点数に沈んでいる。
チャンスの数は少なく、被チャンスの数も多くなっている。
決定力は大前というタレントがいるだけに、大前がフィニッシュに専念できる形を作っていくことで改善したい。
クロスとセットプレーの数が多くなっていることは先程触れたが、セットプレーは活かすことができている。
大前は得点こそ1得点であるが、アシストが7とセットプレーを中心にチャンスメイクで力を発揮している。
クロスは上げている回数は多いだけに質を上げることで得点に結びつけたい。
前節青木が復帰したこともあり、クロスからゴールに迫る回数は増えていくだろう。
4.予想スタメン
甲府
前節から2人の変更を予想した。
出場停止明けの新井と怪我明けの野澤英之がスタメンに入るのではないか。
前節出場停止だったメンデスは別メニューとの情報が前節の前にあり、練習映像を見ても見当たらなかったため欠場と予想した。
ボールを持つ時間を増やしたい狙いから野澤を起用するのではないか。
群馬
前節から1人の変更を予想した。
負傷により途中交代した加藤に代えて高橋をSBに起用し、久保田を1列上げる形を予想。
3試合続けて同じメンバーだっただけに、大きな変更はないのではないか。
5.注目選手
甲府
新井涼平
前節は出場停止のため欠場したが、今節はスタメン復帰を予想した。
山本が負傷したこともあり、キャプテンである新井が中心とならなくてはいけない。
磐田戦でも相手選手をボールと関係ない所で蹴ったりと印象の良くないことを毎試合のように行っているが、プレーで目立ちたい。
前節山本が見せた気迫を受け継がなくてはいけない存在である。
盟友畑尾の前でプレーと共にチームを引っ張る姿勢を見せたい。
群馬
畑尾大翔
2014年シーズンの途中に加入し、3シーズン半甲府でプレーした。
昨年はプロ入り後最多の30試合に出場しながらも大宮を契約満了となり、今シーズンより群馬でプレーしている。
ここまで16試合に出場と守備の要として君臨しており、今節は甲府のサポーターの前で元気な姿を見せたい。
6.展望
群馬は攻守共にハードワークを怠らないチームである。
守備では442でブロックを構え、ブロックの中に入ってきたところへ激しくプレスを掛けていく。
群馬のコンパクトな守備ブロックに対し、甲府は3バックを維持した形で可変を行うのではないか。
前線4人で素早く攻め切る力があるだけにリスク管理のため、新井が中盤に上がる形は取らないと予想する。
押し込んでいける展開となるとDFラインが右上がりとなり、4バック気味の形を取るだろう。
甲府としては群馬DFラインの背後と両脇を狙いとしたい。
前節は山本からサイドの裏のスペースにボールが出ていたが、今節は不在となるだけにどのようにボールを左右に振り分けていくのかがポイントとなる。
三平や関口の背後へのランニングも積極的に活かしていきたい。
起用を予想した野澤からの配球は注目となる。
また、右SBには本職ではない金城を起用していることで守備には弱さを見せる。
このように裏を突かれることが多くあり、甲府としては泉澤のドリブル突破や荒木のオーバーラップから金城の背後を突き群馬の右サイドを攻略したい。
ボール支配率こそ14位と決して高くはないが、奥野監督の元でボール保持もできるチームを作っている。
ボールを保持するとピッチを広く使い、相手守備陣を広げる狙いを持つ。
畑尾、中山を中心に長いボールを入れ、ピッチを広く使っていく。
両サイドが幅を取り、トップの北川が裏を狙うことで深さを取る。
押し込むと両サイドの選手が内に絞り、SBが高い位置を取る。
2トップの一角の大前は自由に動き回りボールを引き出して攻撃を活性化させていく。
この場面のように大前が中盤で起点となる場面は多くなるだろう。
ビルドアップが上手くいかない時にはボランチの中山が下がり、ビルドアップに加わる。
一方で、横にも縦にも広がることでボールを失うとオープンな状況となっており、カウンターを喰らうリスクを孕んでいるが甲府としてはオープンな展開は作らせたくはない。
オープンな展開となると水戸戦のように押し込まれる展開となるだろう。
また、前線にはオープンな展開からの速い攻撃を得意とする選手もいる。
加藤の欠場を予想しているが、田中や北川はこのようにスペースがあるとスピードを活かせる選手であり、大前にも自由な時間は与えたくないだけにオープンな展開やこのようなミスからカウンターを喰らう場面は避けなくてはいけない。
ただ、田中がチームトップの3得点で得点源の大前が1得点と得点力不足に悩まされている。
だが、大前がスペシャルな選手であることには変わりない。
このようなスーパーなプレーで得点に絡んでくるだけに得点が少ないからといって油断はできない。
また、群馬は甲府同様にセットプレーからの得点は多いが失点も多くなっている。
甲府と同じくCKではゾーンで守っているため、勢いを持って入ってくる相手を捕まえることは苦手であり、ゾーンの隙間はウィークポイントとなる。
この映像のように走り込んでくる相手を捕まえることはゾーンで守る上では難しく、キックの質さえ高めれば得点に近づく。
群馬には大前という一流のキッカーがおり、メンデス不在で2試合続けてCKから失点しているだけに要警戒となる。
甲府は荒木や長谷川がキッカーとなるだろうが、質の高いボールを入れられるかに掛かっている。
群馬のニアサイドでストーン役となる選手はゴールカバーではなくラインを揃える傾向にある。
上の映像は前節の得点場面だが、町田は研究しトリックプレーを仕掛けてきた。
下の映像はニアサイドで合わされたわけではないが、インスイングのボールに対し最初はゴールカバーするポジションを取っていたがキックと同時に前に出ていることがわかる。
GKの前でスラす形は狙いやすい。
三平は得意としており、ニアで角度を変えて流し込む得点に期待したい。
リードされている展開では青木を投入し、パワープレーに出てくるだろう。
クロスが多いチームであることは先程も触れたが、空中戦に強い青木が加わるとクロスからの攻撃にも迫力は出てくる。
メンデスの不在を予想しているだけに劣勢に立たされるだろうが、チャレンジ&カバーを徹底することでリスク管理を行い、前線からのプレスで自由にロングボールを入れさせないようにしたい。
今節も僅差の試合となるだろう。
試合開始から終了までパワーを持って90分戦いきりたい。
前節山本が見せた魂や気迫は忘れてはいけない。
彼の思いをどれだけの選手が引き継げるかが今節だけでなく今後の甲府には必要となる。
7.あとがき
天皇杯を含めて5試合勝利無しと今シーズン2度目のブレーキとなっている。
伊藤監督は前節終了後中断明けまでに勝ち点13を積むと言っていたが、残り4試合全勝が求められる。
昨年から4連勝は無いが、チームが一段階成長するために乗り越えなくてはいけない山場となる。
昇格するにはもう負けられない。
群馬は19位と降格圏に沈んでいるが決して弱いチームではない。
局面でのパワーもあり、加藤は不在となるだろうが大前や田中と一発で仕留める個の能力を持った選手もいる。
甲府は慎重に試合に入る傾向にあるが、群馬としては序盤から圧力を掛けることで試合のペースを掴みたい。
押し込む展開を作り、先制するようだと勝ち点3に大きく近づく。
群馬戦の行われる6月27日は昨年、ホームの新潟戦が行われた日になります。
中断明けの初戦でありましたが、あれから1年リーグ戦全試合のレビューを行ってきました。
今シーズンはプレビューも行い、個人的にも楽しく書かせてもらってました。
ですが書くことに追われる日々が負担にもなってきており、書いている内容にも自分自身不満が出てきました。
わかりやすく、勉強になるものをという気持ちでやってきましたがこれでいいのか?という疑問も沸いてきてただ楽しいから書いているだけでは無くなってきてしまい中断期間をもって一度区切りをつけようと決断しました。
中断期間は1ヶ月あるので自分自身さらに勉強し、気持ちをリセットすることで再び熱が湧いてきて中断明けにはやはり続けてみようとなるかもしれませんが、今の気持ちとしてはやめる方向で考えております。
読んでくださる皆様のおかげで1年も続けることができました。
SNS上で交流を持たせてもらったこと、スタジアムで話しかけてもらえることとこのようにレビュー等を書かなければできなかった経験を皆様のおかげでできました。
1年もの間お読みいただき、ありがとうございました。
今節を含めて残り4試合、集大成のつもりで一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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