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【Veterans Channel】退職予定自衛官、元自衛官向けのキャリア支援をスタートします

退職予定自衛官・元自衛官の無料オンラインコミュニティを運営しています

ご挨拶

初めまして、太田佑と申します。
私は、元陸上自衛官です。大学卒業後、陸上自衛官として勤務した後、訓練中の怪我が原因で民間企業に転職しました。自衛隊の就職援護は受けず、独自で再就職活動を行いましたが、当時、自衛隊からの再就職の難しさを感じました。企業側にとって、自衛隊でのキャリアや培ってきた能力と民間でどの程度活躍できるのかが未知数なためです。私も自衛隊でのキャリアを評価されることの難しさや、自衛隊で得た能力を企業へアピールするための言語化や表現に苦労しました。
そうした経験は自分だけなのか、元自衛官53名にアンケートを行った結果、他の自衛官OBも同様の経験や再就職の難しさを実感していました。

なぜ就職援護を使わなかったのか

自衛隊はその機能上、組織の強さを保つため、多くの自衛官が50歳代半ば(若年定年制自衛官)、20歳代~30歳代半ば(任期制自衛官)で退職するケースが多いです。
多くの自衛官は、退職後の生活基盤を確保するべく再就職が必要です。その自衛官の再就職の支援は雇用主たる国の責務であり、自衛官の将来への不安の解消や優秀な人材確保の観点からも国は退職予定自衛官の就職援護を重要視しており、職業訓練や雇用情報の有効活用などの就職援護を行っています。

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ただ、自衛隊内のリソースも限られているため、斡旋業種・職種や新規開拓が限られている現状があります。結果として、紹介斡旋される再就職先が警備、工場勤務、ドライバー等の職種に偏る傾向にあります。

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私自身は幹部自衛官を途中で退職したため、そもそも援護を使えませんでしたが、現状を知るため元自衛官に再就職に関するアンケートを行いました。

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上記の通り、就職援護課を使わない隊員が多く、特に若い人たちにその傾向が高いことが分かりました。また、そうした人達がどのように再就職先を探しているかも質問しましたが、多くは「知人の紹介」でした。自衛隊在職時は就職活動が禁止されており、得られる情報が限られています。就職援護課を使わず、情報も少ないため知人の紹介を頼る他無い現状が見て取れます。

それでも適性にマッチングした就業がなされていれば良いですが、再就職先に定着しているかの質問では、多くは離職しており、その傾向は若いほど高いという結果でした。20~40歳代は65%が離職しています

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なぜ適性にマッチングした企業への再就職が難しいのか

自衛隊という特殊な仕事から民間企業へ移る際に民間で使える能力のイメージが付きづらいことや民間企業で活躍する自衛官OBの情報も得づらく、セカンドキャリアに着目した情報媒体自体が少ない現状があります。

上記の視点から、自衛官の再就職の難しさは主に下記2点だと考えています。

●在職中に再就職活動ができず、再就職のための情報が少ないこと
●就職援護の紹介業種・職種に偏りがあること


在職中に再就職活動ができず、再就職のための情報が少ないこと
自衛隊は、企業からは災害派遣や安全保障対応等による訓練や体力錬成等の仕事の印象を強く持たれています。その為、どの様に民間企業で働けるのかといったイメージが湧かず、書類選考や面接で落とされてしまうことがあります。ただ、自衛官ならではの規律正しさ、誠実さ、チームワーク、責任感、行動力、実行力など自衛官が持ちうる基本的な資質や、リーダーシップをとる、任務遂行のための実行力、レポートラインの遵守、報告、連絡、相談能力など、民間企業で活躍する資質・能力を十分持ち合わせています。難しいのはそれらを抽象化した上で、人事担当者にどのように伝えるのかやどういった表現の仕方があるのかという情報が少ないことです。民間企業であれば、在職中に転職活動を行いブラッシュアップをしていけますが、自衛隊は法律上在職時に「再就職活動」をすることは禁じられています。

就職援護の紹介業種・職種に偏りがあること
任期制や定年により自衛隊を退職後、再就職している元自衛官の多くは自衛隊内の就職援護によって、警備、運送職や繋がりのある地元企業に多く再就職しており、自身のやりたい事と就業する仕事とのギャップや就職先の偏りがあります。紹介される職種に偏りがあるため、援護制度を利用せず、独自のルートで再就職をしているケースでは、選択肢が限られるため就業ミスマッチを起こし、早期転職に繋がることがあります。

そして、IT、ヘルスケア、金融、ベンチャーを始めとした成長産業企業は元自衛官の雇用に関する認知が低い状況にあります。自衛隊内の就職援護業務のリソースは限られていて紹介先の新規企業開拓が少なくなっており、就職援護で紹介される業種・職種に偏りが生じているのが背景にあるようです。

元自衛官へのアンケートで、今後より再就職しやすい環境整備のために必要なことを質問しました。

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○民間企業で活躍している元自衛官の情報があると良いと、約半数が回答しています。
○インターネット上の情報交換や専用の求人サイトのニーズが高い傾向にありました。
○再就職して、活躍している自衛官OBの情報が、再就職に悩んでいる退職予定自衛官や元自衛官でキャリアを悩んでいる人たちへの助けになると考えられます。

こうした経緯から退職予定自衛官、元自衛官のキャリア支援を目的に、元自衛官がより充実したキャリアを考え、キャリアアップできるプロジェクトとオンラインコミュニティを立ち上げました。プロジェクトでは主に民間で活躍している元自衛官のインタビューと記事化により、ロールモデルの参考にしてもらいたいと考えており、コミュニティでは民間で活躍している元自衛官から適切なアドバイスやコーチングを得つつ情報交換ができるコミュニティにしていこうと考えています。

プロジェクト概要はこちらから

(自衛官OBの方のインタビューも募集していますので、ご協力できる方もしくはお知り合いの方がいましたら是非ご紹介下さい。 )

現状は、自衛隊法で現職自衛官は在職中に転職活動ができませんが、「情報収集」は認められています。
その為、自衛官OBがどのような仕事をしているか知りたい、再就職に必要な準備・心構え・対策を効率的に情報収集したい、直接相談に乗って欲しいといった退職予定自衛官、元自衛官が再就職に必要かつ効果的な情報収集、横のネットワークを作りたいといった要望に応えられるコミュニティにしていきます。

成長産業を始めとした民間企業への再就職は恐らく簡単ではありません。また、色々な反対を押し切って民間企業に出ようと考えていてそのため不安や危機感を持っている方も多いと思います。コミュニティの目的は民間企業へ再就職する意思決定をした挑戦心や行動力をテコに、民間でも活躍できるマインドやスキルを仲間と共に身につけることです。

そして、現職中に災害派遣や有事対応をし国に尽くした自衛官が、セカンドキャリアも良いスタートを切れるように、民間企業で既に働いている自衛官OBのキャリア形成やネットワーキングにも寄与できるような媒体を作り上げていきたいと考えています。

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自己紹介で使う自衛官時の私です

退職予定自衛官・元自衛官の無料オンラインコミュニティを運営しています。外資系メーカー、インターネット、ITエンジニア、ヘルスケア、大手外資・内資系コンサル・外資金融で活躍されている方々25名(2020年7月末時点)が加入し、退職時の悩み、キャリアについて相談に乗っています。既に民間企業で勤務されている元自衛官の方々も参加可能です。元自衛官のキャリア、評価の底上げをしていきましょう!ご参加お待ちしております(参加無料)


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