小出孝雄氏いわく「hey佐藤裕介氏や佐俣アンリ氏は木村花さんと同じ」なのか?/MYNET取締役/テキーラ事件/Google経歴詐称疑惑/

マイネット社とは、東証一部上場のスマホゲーム企業である。その取締役の小出孝雄氏が言うには、要約すると「匿名アカウントが起業家とかVCを晒し上げるのは鬱憤晴らしだ。リアリティーショー出演者を自殺に追い込む構図と変わらない。」とのことである。

念のため、全文文字起こしとスクリーンショットも貼っておこう。

スクリーンショット 2021-09-29 032228

なんか最近起業家とかVC晒し上げる匿名アカウント沢山見るけど、書いてる本人達はそんな美しく生きてるのかな。
正義の面被った鬱憤晴らしにしか見えないわ。
リアリティショー出演者を自殺に追い込むような構図とそこまで変わらないように見える。

名指しこそされていないが、そんなことやってるのはDJ AsadaAkiraくらいだろうから、応答したい。要するに「DJ AsadaAkiraとその周辺は木村花さんを自殺に追い込んだ人間と変わらない」という意味で解釈してよいだろう。あるいは「批判されている佐藤裕介氏や佐俣アンリ氏は木村花さんと変わらない」と、解釈してもよいだろう。これは主語の違いによるヴァリアントである。

事前に小出孝雄氏へ伝えた通り、これが私のミスアンダスタンドというならば、このnote記事は不要だろうから訂正や削除を行うつもりである。

だが返答がなかったため、小出孝雄氏を論敵として認め、敬意をもって迎えたい。小出孝雄氏にはきっと腹に据えかねるような熱い批判精神があり、主張したいだろう正当性があるはずだ。だからきっと、このようなツイートに及んだのだろう。ようこそ!ゆっくりしていって欲しい。

2つの論点

第一に、まず批判と誹謗中傷は異なるが、DJ AsadaAkiraの主張は誹謗中傷に値するものなのかどうか、という点である。

第二に、自らの不正義が問われている佐藤裕介氏や佐俣アンリ氏と、テレビ番組の扇動によって過剰演出に伴う誹謗中傷で亡くなられた何の罪もない木村花さんの間に、何かしらの共通項があるのか、という点である。

批判と誹謗中傷、社会的制裁

これは散々語りつくされた議論であると思うし、私からつまらない講釈を垂れるより、読みやすくわかりやすい記事を紹介したい。

簡単に言えば、批判とは相手の人格や容姿ではなく意見や成果物などの物事に対して投げかける、根拠を伴った評価のことである。対して誹謗中傷とは、人格や容姿に関することであったり、まったく根拠のないことで相手を傷つけるために行われる悪口のことである。概ね、裁判においてもそのように判断される。

私は少なくとも人格や容姿を批判はしていないだろうし、倫理観の疑問視というのもあくまで準公人の意見に対する意見論評である。批判の根拠も、部分的なミスはあれど、大筋の議論では示しているはずだ。もしも不足や言い過ぎという箇所があれば、それは個別に批判をもらえればありがたい。

また周辺の匿名アカウントの発言が問題だというならばそれは個別にそのアカウントに対して批判を行っていただきたい。

だが私から言わせてもらえば「企業は社会の公器である」ということだ。この言葉はドラッカーと松下幸之助の格言であるが、一部のヤバいチキンレースベンチャー界隈を見ていると、これほど大事な認識はないと私は思う。会社は経営者の私物ではなく、経済的役割と社会的役割を担い、活動に社会的責任を持つべき「社会の公器」である。

当然、企業の倫理的な問題の責任は一私人よりも大きく、その振る舞いは世間から広く評価を受けるべきである。

例えばhey社のCEO佐藤裕介氏の経歴詐称疑惑などは、単なる一人の従業員の不祥事ということならばプライバシーの侵害にあたる可能性があるだろう。しかしhey社はスタートアップ業界の中でも特に注目を浴びており、日本で三番目と言われる160億円の資金を集め、評価額は現在922億円という巨大な規模である。その企業のトップが経歴詐称という疑惑を抱えており、しかも会社ぐるみで行っている可能性すらあることから、あたかも自浄作用がなさそうで、更に女性への「頭ポンポン」を堂々と掲載してしまう遅れたジェンダー意識であり、元創業者取締役会長の光本勇介氏が在籍時からテキーラチャレンジに及んでいた可能性が高いにもかかわらず事件にノーコメントで……などというこれらは、果たして「社会の公器」の正しい振る舞いなのだろうか?

また佐俣アンリ氏についても、テキーラ事件発生時に「デマをそれっぽく言う人、こわいねぇ」などとむしろ光本勇介氏を庇うようなデマを拡散し、それを9か月もの間ずっと放置していたのだから、私が批判しなかったらきっと何もコメントしなかっただろう。そして弁明に至るまでの間、まったく反省するそぶりを見せなかったにもかかわらず、自社のD&Iをアピールし、フェミニスト宣言して、ソーシャルグッドな活動は主張し続けたのである。何度も言うが、力のある側は消極的である理由を何かしら見つけ、積極的に動かない。力のある側が弱者の側に対して積極的に動かないことで、差別は温存される。差別を温存するために、消極的である理由を力のある側は見つけたがる。フェミニストだったら当然、この論理を理解しているだろう。だが、佐俣アンリ氏はこのフェミニズムの論理に反することをした。身内擁護でダンマリと言ってもよいだろう。それがANRI社という注目を浴びるベンチャーキャピタルの真実の姿のように見えるが、これが「社会の公器」が行うことなのか?

昨今、CSR、SDGs、ESGなど様々な形で企業の「金稼ぎ以外の社会的責任」が議論される中、もしもマイネット社の取締役小出孝雄氏がこの流れに対してアンチを申し立てるなら、それは大変チャレンジングな試みだと思われる。

無論、社会的責任の範囲や条件を問うような精緻な議論を望まれるならば、ぜひとも歓迎である。

既出の議論として、大衆の批判による「社会的制裁」のネガティブな面については、このデビット・ライス氏の考察が端的にまとまっている。

キャンセルカルチャーや小山田圭吾氏のいじめ問題など「public-shaming」や「call-out」に関する議論は当然踏まえた上で、それでもなお批判すべきものは批判すべきだろう。少なくとも、今まで述べてきたように一部のチキンレースベンチャー界隈は無批判なまま浄化されない腐ったビオトープである。ビジパ村のエコーチェンバーが出来上がってしまっているのだ。だから私は、私自身の行動に向けられる批判を踏まえ、反省を繰り返してもなお、彼らを批判する価値、公益性があると認めた。小出孝雄氏がそのような諸条件を問いかけ、公益性と反省による道徳的進歩を加速させるならば議論は有益である。

以上、私からの見解は示した。小出孝雄氏の見解を示していただきたい。

hey & ANRIは木村花さんと同じ?

この論点はあまりにも不毛である。まず木村花さんの名前をここに並べることが非常に無礼であり、不愉快だ、という私見は予め表明しておきたい。

そもそもhey社とANRI社には社会的責任が問われるべき事由が存在する。(それが真実と反するという抗弁はあるとしても)

しかし木村花さんの場合、彼女自身に責任を問われるべき事由はない。扇動したメディアと暴徒的な大衆の側の責任である。

どこに共通点があるというのか。本当に不毛である。
木村花さんには経歴詐称疑惑などないし、テキーラを女性に飲ませて死なせるようなこともしていなければ、そのような界隈との関係もない。

小出孝雄氏は何かしらの共通項があると思うのなら、その見解を示していただきたい。私にはひとつとして思い当たらなかった。

「美しく生きてるのかな。」

最後に、個人的に興味深い発言として「本人達はそんな美しく生きてるのかな。」を取り上げたい。

小出孝雄氏が言うような「美しく生きている」ことと、批判の正当性にどのような関連があるのだろうか。

ある種の選民意識というべきか、村社会の中で発生したエリーティズムをそこはかとなく感じさせる。到底、私のような浅学菲才の象牙タワーマンからは出てこない言葉である。美しく生きているような佐俣アンリ氏は、一方的にD&Iを高らかに謳い、良いフェミニズムと偽装的フェミニズムを区別する権利を持っているのだろうか。それに対して私は美しく生きていないから、他人を批判する権利がない、ということなのだろうか。それこそまさにビオトープを腐らせてきた”村社会の論理”だろう。力のある者の発言が重要であり、無名の人間には価値がない、と言ってるようなものではないか。だが、あらゆる権威は村の中でしか効力を発揮しない。遠くの村や強い村に、その論理は通じないだろう。

もしも金を稼いで力を持てば偉い、などと思っているならば反社でもなんでもやったらよい。今のビジパの身はさぞ窮屈だろう。上役や株主、LPのお偉いさんに頭を下げるより北九州でロケットランチャーをぶっ放した方がきっと面白いのではないか。スマホゲームのマフィアシティみたいな最強最大の”村”を目指そうじゃないか。もっとも、例のリアル組長は「最強の暴力装置」こと「国家権力」という”村”に負けて死刑になるかもと聞いたが。まぁ中途半端は良くない、私は加速主義者だ、反社か政治家か、もっと強い村に行った方が絶対にいい。なんにせよ小出孝雄氏が加速したいなら心より応援したい。

もっと、美しく生きようじゃないか。

============

小出孝雄 Takao Koide
大学在学中3年次に公認会計士試験合格。有限責任監査法人トーマツにて、会計監査やIPO支援業務に従事。その後、カウモ株式会社に参画し、コーポレート本部長として経営企画・管理領域全般を管掌。フリーランスを経て、2017年マイネット入社。投資・M&A・アライアンスの推進及び戦略策定・事業計画策定・KPI設計等の経営戦略業務を牽引。
2019年3月マイネット・ストラテジックパートナーズ取締役に就任。2020年3月マイネット取締役に就任。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?