論文「肥育牛の栄養と感染症」 part3

続いて、論文中のビタミンAと免疫について、紹介します。

https://www.kachikukansen.org/kaiho2/PDF/1-2-059.pdf

ビタミンAは肥育牛において、かなり重要視されています。
というのも、ビタミンAは脂肪細胞の分化に関与していると言われており、肥育牛においてはビタミンAをコントロールする場合があるからです。
(現在は諸説あります!)

一方で、ビタミンAは、免疫においても非常に重要な働きをしています。
具体的には、以下のメカニズムで免疫に貢献しています。

  • 粘膜の保護

  • 活性酸素種による酸化防止

まず、粘膜保護についてです。
粘膜は、感染防御において、一番初めに働いてくれるといっても過言ではないでしょう!かなり重要です。
何らかの感染症において、粘膜などの上皮が脆弱になっていることは、感染リスクを引き上げます。脆弱になっている粘膜から、ウイルスが感染し、細菌が感染し、徐々に重篤化していきます。

つぎに、活性酸素種による酸化防止についてです。
活性酸素種(ROS)は、ヒトにおいても、かなり注目されています。ROSは、様々な物質を酸化させることで、細胞を傷害しまくります。
(逆に重要な働きもありますよ!)
このROSに対抗するのは、抗酸化物質とよばれるもので、ビタミンAは抗酸化物質のひとつなのです。
論文中においては、他にもビタミンC、E、亜鉛、銅、セレンなども抗酸化物質として紹介されています。

これらの、メカニズムでビタミンAは免疫に関与しています。
そりゃ、A欠乏になれば免疫力は低下しますよね、、、、

実際に、肥育牛のビタミンAコントロールという技術が普及した時期と、肥育牛の死廃率が増加した時期が、一致しているとのことです。
(個人的には他の要因もあるとは思いますが、、、、)

次回は、その他の要因について、紹介します!

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